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※何でも※エヴァ新作SS発表スレ※OK※

1 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/10 22:24 ID:r5oWJIvc
皆様でSSを書いたけれど、どこに出したら良いかわからない
方はおりませんか…?
私もそうですが、拙いものでもやはり他人様に読んで頂かな
いと悪い部分を直しようがありません。

ジャンルは特に問いません。
そのあたりは皆様のご良識で。

では、存分に活用される事を、願っております。

2 ::02/04/10 22:25 ID:r5oWJIvc
【大人になれない大人の為の残酷童話】

「おはよう。シンジくん。昨日は良く眠れた?」
「ぁ、ミサトさん。おはようございます」
知らない家。
そして会って間もない人。
それに……あのエヴァと呼ばれるモノ。
眠られる訳が無い。
でも。
「ええ。疲れていたので良く眠る事が出来ました」
他人を失望させたくない…いや、他人に自分を少しでも良く見て貰いたい。
…だから、人の意向を伺いそれに沿って行動する。
ミサトさんは親指を立てながら「たーいへん宜しい! どう…? 今日の初登校、
楽しみ?」と椅子から身を乗り出しぼくに尋ねる。
うるさい…この糞女っ!  
いつの間にか、心の中で毒づく癖が付いていた。
それはいつもいつも、心に湧き上るどす黒い…本音。

「正直…少し不安です。でも…学校は行かなきゃならないし…。」
「そうそう、男の子でしょ…自身を持って! それに、この街を救ったのはシンジくん、
あなたなのよ。」
「いや、あれは…まぐれです。あ、そろそろ朝食の準備をしますね」
男だからなんだってんだ…。
俺にはこんな街…いや他人がどうなろうと関係ない……。
心の声の一人称はいつも俺。
そして、他人との会話では僕。
少しでも、柔和な印象を持ってもらう為。
まだ¨俺¨と一人称で話す事は出来ない。
自身が無いから…。

3 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/10 22:25 ID:r5oWJIvc
「では…新しいクラスメートの紹介です。ぇぇと、碇シンジ君です。席は…ああ、そこ
に座って。」
教室をまばらな拍手とひそひそ声が包む。
嫌だ…衝動的にその場から逃げ出したくなるのを必死に堪える。
どうせ…俺の悪口を言っているんだ。
教室を僅かに上目遣いで眺める。
ぽつりぽつりと空席が目立っている。
よかった。
人は少なければ少ないほど良い。
「…碇シンジです。よろしくお願いします。」
その場で、ぺこりと一礼。

4 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/10 22:26 ID:r5oWJIvc
「えー?! 本当にあのロボットのパイロットなの…碇くん!」
「凄っごーい。あれって、操作は難しい…?」
「ねえねえ……怖かったりしないのかなぁ。」
……。
正直、悪い気はしない。
人から褒められるのも、悪い気はしない。
女子からとなれば尚更だ。
でも…これ以上目立つと波風が立つ。
会話は適当に流す。
「考えるだけで動くから…。それに…スタッフの皆がサポートしてくれるし…。」
ちらりと教室を見渡すと、やっぱり。
男子がこちらを見ている。
特に、ジャージの奴はこっちを睨みつけている。
…だから嫌なんだ。
「ねぇねぇ…碇くぅーん……。」
うるさいぶすが…! 馴れ馴れしいんだよ。
それに比べ…。
横目で窓際の席を見る。
綾波レイ。
あの子は…可愛い。
雰囲気も自分と似ている感じがする。
あのような女の子と付き合えたらと、空想してしまう。
虚しくなるから…出来るだけ考えないようにしている。

5 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/10 22:26 ID:r5oWJIvc
「ちょっと転校生。話があるんや…。」
糞ッ糞! なにが¨や¨だ! この田舎野郎が…っ!
やっぱり、嫌な予感は当る。
生まれてから一度も良い事が無い…運が無いんだ…。
ばきぃ。
口の中に血の鉄っぽい味がする。
他者の暴力の前に、激しい恐怖と怒りがつのる。
体の震えを必死で抑えるが、口調が震えるのは抑え切れない。
「僕だって乗りたくて乗っている訳じゃないのに…。」
ふと、本音が口をつく。
そうだ。
何で、俺がこんな目に会わなければならないんだ。
会った事も無い、こいつの妹に全然すまないと言う気持ちが湧いてこない。
そして…もう一発。
地面にわざと倒れ込んだ。
そうすると、追撃をしてくる奴はあまりいない。
ほら。
あの何処かへ行った。

恐怖からの体の震え、心の強張りを暫く青い空を眺めながらゆっくりと解きほ
ぐして行く。
誰かが俺の側に立ち、日を遮る。
日の影になり、顔が陰っているがあの女の子…綾波だった。
「非常召集…。先、行くから……。」
そういい残して走り去る綾波。

6 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/10 22:27 ID:r5oWJIvc
「はい。ぼくは大丈夫です」「はい。リツコさん」「はい、分かりました」
こういう自分は好きでは無い。
でも、自分では如何する事も出来ない。
だが…いつもより激しい心のうねりを感じる。
強いて言うなら、怒り。

銃を撃つ撃つ撃つ。
畜生っ。
銃を失い、触手のようなもので弾き飛ばされる。
その先に…さっきの二人がいた。
何で、あいつ等を庇ったのかは良く分からない。
ただ、人殺しになりたくなかった…だけかもしれないし、そうで無いかもしれない。

「シンジくん! その二人を操縦席へ!」
ミサトさんからの命令。
だけど、リツコさんはそれに反対している。
とっさに、エントリープラグを射出させ、二人を中へと入れてしまう。
そうしながら…。
奇妙な敵¨使徒¨が眼前のモニタに肉薄し、その触手のようなモノを手で押さえつけ
ている。
熱い!
火を直接触ったような刺すような痛みを感じる。
糞糞糞っっ!
畜生畜生っ!!

7 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/10 22:27 ID:r5oWJIvc
「シンジくん! 一時後退よ…急いで!」
黙れ馬鹿野郎が。
感情の高ぶりを抑える事が出来ない。
何かが、何かが…脈拍を上げ、息も荒くなる。

ただ、ナイフを手に飛びかかった。
「うわぁぁあぁぁぁ!! ぐっ!」
下腹部の二箇所に熱い棒を差し込まれたような、違和感。
その次の瞬間。
今までに味わったことの無い様な激しい痛みが襲ってきた。
その痛みのあまり頭の中で火花が散り、更に興奮がいやます。
ただ、視界が光輝いていた。

脱力。
倦怠。
そして…一抹の虚しさ。

ただただ、操縦席に蹲っていた…。

8 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/10 22:28 ID:r5oWJIvc
<綾波>

碇シンジ。
司令の息子。
私と同じエヴァの専属パイロット。
私には、それだけ。

彼は、エヴァに乗るのが嫌なよう。
でも、エヴァに乗る以外になにがあると言うのだろう。

笑顔が何だが、司令に似ている。
学校でも私を見ていた。
本部でも私を見ていた。

誰かに暴行を受け、地面に倒れていた碇くん。
何故…? 
彼は司令とは少し違う。

今回の戦闘は待機。
碇くんが敵を殲滅に成功。
戦闘中の碇くんは、何故だか学校での争いの続きをして
いるみたいだった。

今日はもう眠い。
もう寝よう。

9 :sage進行きぼんぬ:02/04/10 22:54 ID:???
>>2-8
(・∀・)イイ!

●前スレ
http://teri.2ch.net/eva/kako/983/983634423.html

10 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/11 03:47 ID:???
以前、かなり長いSSをこの板で書きながら、
途中で逃げ出した男が居た…そうならないことを祈る。

ついでに言うと、下げないと叩かれちゃうぞ!

11 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/11 03:52 ID:???
省略が短くなったしそんなにsageにこだわらなくてもいいと思うけど

12 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/11 05:08 ID:???
>>10に同意。他板のFFスレでも怖いのは批評厨。
無駄に長文、誘導は無視、厨房である自覚ナシの三拍子は脅威。
ひっそりsageてく方が無難と思われる。

13 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/11 15:09 ID:???
●前スレ
http://teri.2ch.net/eva/kako/983/983635526.html

14 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/11 19:29 ID:???
<葛城>

ふぅ…。
これであの子の不登校も既に5日目。
今日こそはと、歯を磨きながら化粧台を見つめてぼんやりと思う。
ったく…何なのよ…あの子!
覇気が無い、やる気が無い、おまけに自分の意思を捻じ曲げても
他人に迎合する…いや、それを強いているのは私達だ…。
他人はともかく、私が言える事では無いか。

だけど、私は彼を責めた。
仕方が無かった。
責任者として…組織の…大人の義務をまっとうしただけだ。
それに…彼らは私自身の代行人……勝手なものね。

がら…。
「シンちゃん、朝よ。いつまで学校を休…。」
机の上に私宛の封書とIDカード。
ある意味、想像していた通り。
「家出か…無理もないわね…。」
誰に言うでもない呟きは、急に寂しくなった家の中を虚ろに響き消えて行く。

15 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/11 19:29 ID:???
ピンポォーン。
チャイムの音で現実に引き戻され、慌ててドアを開けると…。
「シンジくん…!」
あの子が学校であったトラブル。
それを引き起こした、二人がそこに佇んでいた。
「あのぅー。碇くんのお宅でっしゃろか…?」
「トウジ…馬鹿っ! 碇シンジくんはご在宅でいらっしゃいますか?」
……。

また、愛想の良い私。
人当たりの良い自分を演じてしまった…。
そう、内面は彼、シンジくんと私も似ているのかもしれない。
そう考えると無性に腹が立ってくる。
「シンジの馬ぁ鹿……っ!」
バン。
雨は降り止む素振りを見せず、シトシトと降り続けている…。

16 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/11 19:30 ID:???
また、逃げ出してしまった…。
苦い悔恨に苛まれる。
逃げても苦しいし、逃げずに踏みとどまる事は更に苦しい。
もう…どうでも良いか…。
耳元で鳴り続ける音楽も、環状線の雑踏も何処か薄膜一枚隔てた非現実に感じる。
俯きながら、念仏のように囁き続けるは「嫌だ…嫌だ…もう…嫌だ」の同じフレーズ。

終電の時間が過ぎた。
むかつくカップルもやけに楽しそうな学生も…油ぎった大人もいなくなった。
「もう…良いかな。…死んでも」
ふっと、口に出るいつもの言葉。
でも、実行に移す勇気が足りない。
今の所は。
だから…嫌だったんだ!
勝手に生んで…勝手に死んだ母さんも、俺を捨てたあの馬鹿野郎も…皆…皆っ!
何で、勝手に生んだ?
何故生きてるんだ…俺。
「もう…良いか…」
また、いつもの言葉に辿り付くのみ。

汽車を降りて、死ぬ勇気も無くふらふらと…彷徨う。
深夜の映画館を…街を…山を。
腹減ったな。
生きる気力は無くとも、腹が減り…休みたいと願う自分が嫌だ。

17 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/11 19:31 ID:???
そして…ケンスケと遭遇した…。
馬鹿みたいに…野原でサバイバルゲームに興じるケンスケを、羨ましいと思うと同時に
僅かに軽蔑する。
だけど、それは苦しんでいる自分を評価するための言い訳…そんな事はわかってる。
糞っ。
…だけど、食事を分けて貰って、話をしていると少し…ほんの少しだけ心に渦巻いている
モノが解けた。
期待はしない…。
期待して裏切られるのは嫌だから。
俺は臆病で、馬鹿だ。

強そうな黒服の大人が来て、無理矢理NERVへ引き戻された。
何だかんだ言っても、どうすれば良いのかわからなかった俺には…正直良かった。
情けない自分…いや、まだ大人じゃないし、働いていないから金も無いし…仕方が無い。
また、自分を慰める自分だけの理屈だ…。
糞糞っ!

やけになっていた。
ミサトさんに甘えていたのかもしれない。
自分の意思とは正反対の事を言っていたら…引っ込みが付かなくなった。
まぁ、先生の所へ帰ってまた静かな生活に戻るのも悪くは無い。
そう、考え自分を納得させる。

18 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/11 19:31 ID:???
俺を殴った奴…トウジが謝って来た。
謝るのなら初めからするな! と、でも嬉しかった…俺は…僕は人に優しくされたいの
かもしれない。
その時はそう思っていた。
ただ、求める事に夢中で…何も。
たが、一度決まった物事は厳格に進行して行く。
無理にあいつ等と引き離されて、ホームに佇んでいた。
そして、先程の自分の行動を反芻する。
「碇のことごちゃごちゃぬかす奴がおってみい、ワシがバチキかましたる!」
こういう、熱い事は嫌いだ。
でも…でも。
感情の高ぶりが、熱いパトスが体を駆け抜け…言葉が止まらなかった。
「殴られなければならないのは僕だ…僕は卑怯で…臆病で…ずるくて…弱虫で…」

確かにそうだ。
今なら分かる。
いや、今だから分かる。
しかし…それも、また。
結局、世界はヒトの数だけ真実がある。
それを…一つに…か。
逃げかもしれないし、そうではないかもしれない。
ヒトが知りえる事はあまりに少ない。あまりに。

19 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/11 19:32 ID:???
汽車が来た。
どうしたら良いのか…分からない。
ただ…残ったら苦しい事が沢山待っているだろう。
帰ったら楽だが…また、逃げた事になる。
分からない。
汽車の扉が開く。
足を踏み出そうとした時。
あいつ等やミサトさん達…そして、綾波の顔や言葉が頭を過った。
触れ合うのは怖いけど…でも、もう一度会いたい。
それだけは自分の数少ない本音だった。

そうして。
「──ただいま」
「お帰りなさい」

20 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/11 19:33 ID:???
<綾波>

今日は赤城博士の検査を受ける。
ただ、スキャンの間、横たわっているだけ。

あの時の傷は癒えて来た。
あの時の司令の顔。
何故だか分からないが心地よい感じがした。
司令の壊れたメガネ。
触れると、心地よい感じが蘇る。

碇くんは帰ってこない。
そう。

碇くんが帰って来た。
そう。

エヴァのパイロットは沢山いた方がいい。
補充が利くから。

J.D.ワトソン等著「遺伝子の分子生物学第4版」を読了。
今晩は、B.アルバーツ著「細胞の分子生物学」を13pまで
読んだ。

眠い。
寝よう。

21 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/11 19:37 ID:???
さげ進行了解致しました。
前スレ貼ってくれた人もありがとう。
大分前スレは奮闘したようですね。

ところで、改行が多すぎます。
書き込みましたが、多いとアクセス規制を
食らいますとすぐにでるのですが、2ちゃんに書き込めなく
なったらどうしよう…。

一回で書き込める文量も少ない…。
がたがたぶるぶる。

22 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/11 19:53 ID:???
>>21
とりあえず、名前欄に「タイトル1-1」
とか番号を振らんと、前の続きなのか解らんし、
ほかの作品が発表されたときに判別しにくい。

感想?ごめん、まだ読んでない。

23 :10:02/04/11 20:23 ID:???
>>21
そう言えば、逃げたFF書きもいなくなる直前に、
ブラウザから書き込みが出来なくなったとか漏らしていたね。
かなり長文を連発したからアクセス規制を食らったのかな?
…等と確証の無い怪情報を流してみる。

24 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/11 21:05 ID:???
>>23
串刺せば良かったのに。
俺アク禁に巻き込まれて、2ちゃんに書きこむため串探した事あるよ。
、、と怪情報の価値を下げてみる。

スレ違いsage。

25 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/12 01:11 ID:1kxYLQtQ
真面目にFF書いたことで、アクセス規制かけられてしまうのか・・・
なんとも悲惨な話ですな。
悲惨age

26 ::02/04/12 18:48 ID:???
一応、補足説明まで。
基本的にはシンジの主観視点が主旋律。
他の人間の主観は、伴奏と思ってください。

何も書いていなければ、シンジ。
他の人の主観視点の場合は、名前を書きます。

後、今日までので3ということでお願いします。
今までのがそれぞれ、1と2です。

まだ、先は長いのでまたーりと行きたいですね。

>24
後、串の刺し方を真剣にお聞きしたいです。
お願い致します。

27 :3:02/04/12 18:48 ID:???
<赤城>

第三使徒は完全にロスト。
ありがたい事に、第四使徒を完全な形で保管されている。
構成成分の定性及び定量、その他X線回析、微細機能観察、各種クロマトグラフィー
等々。
殆どは、MAGIによる自動分析によるもので私達はただ出力される情報を受け取り、
それを解釈するだけの単純な作業。
今日はやけに煙草が喉に絡みつく。
不快な事…。
私は紫煙を吐きながら、三週間程前の零号機起動実験を思い出す。

「──起動開始」
あの人のその一声により、起動実験は始まった。
何故、雑務はいつも副指令に任せているあの人が立ち会ったのか。
わかっている。
いつもながらに思うことだが、この感情が疎ましい。
だが、ヒトは論理だけでは生きられない。
しかし、論理が無くては何も出来ない。
科学者の立場としては当然、成功を期待していた。
ただ…本音はそう、母さんと同じ。
あんな人形、壊れてしまえ。

28 :3:02/04/12 18:49 ID:???
ふと、あの人の横顔を覗き込む。
いつものように、ヒトに怯え自らを閉ざした男の横顔。
ただ、食い入るように零号機を…レイを見つめている。
…馬鹿野郎。

中途までは順調にフェーズをこなしていった。
「パルス送信」
「全回路正常」
「初期コンタクト以上なし」
私は拾った神さまから、新たなる神を作り出した…。
神が被造物を造り、被造物が神を作り出す。
正に、ウロボロス環…クラインの壺かしら。
だが、火を得た報い。
神罰は下された。

29 :3:02/04/12 18:50 ID:???
オベレータやスタッフの急を告げるアナウンスが響く。
「パルス逆流!」
どうして…! でも…。
「中枢素子にも逆流が始まっています!」
ざまあみろ。
私は義務を果たしながらも内心ほくそえむ。
「コンタクト停止。6番までの回路を開いて」
「信号止まりません!」
死ね。苦しんで死ね。

その後の事はあまり思い出したくは無い。
零号機の暴走。
オートエジェクションによる強制射出。
ここまでは、心の一隅でほくそえんでいた…だが。

あの人が…あの人は。
「いかん!」
「レイ!」
他者には見せない感情の振幅。
私にも、見せたことのない感情の振幅。
替わりは幾らでもある事を知っている癖に。
モノである玩具に固執する幼子のようなものだと考え、自分を納得させる。

30 :3:02/04/12 18:50 ID:???
さて、そろそろミサトとシンジくんが尋ねて来る頃だ。
頭を切り替えなくては…そう思い頭を軽く振る。
でも…あの子、シンジくんには教えてあげよう。
彼には冷淡な男の一端を。
せめて、あの人の変わりに苦しんでもらう。

あれから少ししか経っていない。
でも…何となく自分の居場所が出来たような気がする。
学校でもトウジ達と馬鹿話ぐらいはこなせるようになった。
ただ、他人に同調してその状況で話すべき事を話す、人形のようなものだけど。
仕方が無い。
俺には普通を何とか装う事で、精一杯だから。
ミサトさんにも、あの家にも少しだけ慣れた。
時々はうざったいけれど…何だか少し嬉しい。

31 :3:02/04/12 18:51 ID:???
でも…でも。
リツコさんの所へミサトさんと見学に行った時。
あの身勝手な馬鹿野郎が綾波を必死で庇い、掌に大きな火傷を負ったと聞いて、
実際にその火傷も見た。
何でだ…? 何でアイツにだけは優しいんだ…?
女だから…か?
俺も女に生まれていたら…糞っ! 畜生っ!
あんな奴の事はどうでもいい。
どうでも…。

悔しい…。
綾波も綾波だ。
普段は友達一人いない暗い奴のくせに、あいつの前ではあんなに…。
どうして、どうして俺が優しくして欲しいヒトは俺にではなく、他のヒトに優しく
するんだっ!
どいつもこいつも糞馬鹿野郎だ。
どうして…どうして何だよ。
…父さん…綾波。

32 :3:02/04/12 18:51 ID:???
<綾波>

傷は完全に良くなった。
シャワーを浴びていると、ドアが開く音。
碇くんがいた。
そう。

でも。
司令の眼鏡は私に必要。
あげない。
返して。

縺れ合い、床に倒れた。二人とも。
碇くんは、何故か感情の亢進状態に陥っていた。
息が荒い。
私によしかかって、体を擦り付けて離れない。
「どいてくれる?」
ようやく体をどいた。

33 :3:02/04/12 18:52 ID:???
碇くんは本部へついて来る。
零号機再起動実験の日。
不安? 怖い? と聞いてくる。
何故、不安なの? 何故、怖いの?
乗るのは私なのに。

碇くんが司令の命令に疑問を差し挟む。
何故?
「信じられないの? お父さんの仕事が」
「当たり前だよ。あんな父親なんて」
私の大切なものが貶された。
司令の息子でも…それは駄目。
だから、叩いた。

34 :3:02/04/12 18:53 ID:???
出撃の命令がミサトさんから下った。
少し、ほっとする。
綾波の部屋へ行って、気まずい事になった。
何なんだよ…あの女。
裸で出てきて、恥ずかしがるばかりか何で眼鏡を取ろうとするんだよ!
俺は鼓動が早くなって、息が荒くなった。
くらくらと来て、倒れた先には…。
裸の綾波。

「あ…。いや…これは…」
理性を失いかけた。
腰を思わず、綾波に押し付けてしまった。
ばれなかったら良い…いや、ばれているんだろうな…。
よっぽど綾波に謝って、ミサトさん達には…特に父さんには言わないでと頼もうか
と思ったが、もしかして気づいていないかもしれないので出来なかった。
でも…気持ちが良かった。
初めての夢精の時以来…すぐに射精してしまった。
パンツの中が気持ち悪かったけど、綾波にばれたら困るので本部まで一緒について
行った。
恥ずかしさと気まずさを紛らわすのと、あいつと話が出来る事が嬉しくて色々話した。
そして…びんたを張られてしまった…。
何で何だよ…。
何で、綾波はそんなに父さんの事を庇うのだろう。

35 :3:02/04/12 18:53 ID:???
「発進」
ミサトさんの号令がエントリープラグ内に響く。
この、血の臭いのする液体に浸かる事にも慣れた。
不安だし、怖い。
でも何より…自分が必要とされなくなる事の方が怖い。
だから、だから大丈夫。
ぎゅっと、両手を握り戦闘に備える。

地上の眩い光が見えた瞬間。
胸が押しつぶされる…!
息が出来ないっ!
痛い!…痛い痛い痛いっ!…ぃ……。

そして、その後の事は何も分からなくなった。

36 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/12 19:16 ID:???
<碇>も付けてくれたほうが分かりやすい。

37 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/12 20:52 ID:1kxYLQtQ
赤木じゃないの?と言ってみるテスト

38 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/12 21:32 ID:???
他の人からシンジに戻るとき。

39 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/12 22:26 ID:???
赤木はまずい!
間違いでした。

後、次から<碇>もつけますです。
皆さん、ありがとう。

40 :風呂敷の1−1:02/04/12 22:36 ID:1kxYLQtQ
風呂敷エヴァンゲリオン『第1話 100円玉のユダ』


父さんから手紙がきたのは、つい先日のことだった。
タイミングが良かったんだと思う。
僕は手紙が来たことに何一つ驚きはしなかった。
いや、別の意味でなら…驚いた。
「なんであの人は、このことを知っていたのだろう」って、それくらいは。
僕はその日、手紙を来ることを知っていたし、その内容も一言漏らさず記憶していた。
当たり前だろうと思う。
小学生だって、覚えられるような内容なのだから。


…その人は、手紙のくる二日前、僕の前に現れた。
びっくりしたよ。
突然意味のわからないことを語り出したんだ。街のど真ん中でさ。

「やぁ、君がシンジ君だね!?ハラショー!聞いていたとおり、美少年じゃないか」

恥ずかしかったけど、不思議とその場から逃げ出そうとは思わなかった。
何でかは良く分からない。
聞かなければならないような…って、そんな格好の良い理由なんかじゃない。
なんとなく…ただ単に興味をひかれただけだった。
僕は何事にも無関心で、特に最近は『興味をひかれる』こと自体、稀なことだったから。
だから、逃げ出さずに話を聞いてみようと思った。
ははっ、やっぱり変だよね。

41 :風呂敷の1−2:02/04/12 22:38 ID:???
「君、このままだとイヤンなことになっちゃうよ?」

人通りの多い街中で、不気味な会話が始まったものだと思った。
僕はただ「はぁ…」と適当に相槌をうつだけで。
その人は別に僕の反応を見るわけでもなく、淡々と意味不明なことを喋り続けた。

「メシアの降臨には、今しばらくの時間が必要となるから。
 君が英雄になる必要は無い。ただ、『彼女』の言っていたことが真実ならば…
 やっぱり君は、これから始まる二つの物語の登場人物になってしまうのだろう」

僕はやっぱり相槌をうつだけで、内容については3秒ほどで考えることを放棄した。
そういえば、この人が喋り出してから、一度もまともに返事をしてないなと思う。
第一声は何にしようかなとか、変なことを考えたりしていて、
少し悩んだんだけど結局基本で行くことにした。

「誰ですか?」

42 :風呂敷の1−3:02/04/12 22:49 ID:???
露骨に怪しいその人は、僕の冷たい一言に固まってしまった。
いちいち大袈裟なリアクションをする人だ。ちょっと苦笑してしまう。

「えっと…始めて会いますよね?」

その人は固まったポーズのまま動かない。
しばらく待ってみたけど、どうも僕の次のアクションを待っている感じがする。
だけどこの状況で何を言えば良いのだろうか。

「その…大変ですね」
「君は冷たいなぁ…も、もしかして!?」

あ。返事が帰ってきた。
この人は…面白い。僕は久しぶりに愉快な気分になってきた。
わからないかな?ちょっと悪戯してみたいって、突然そんな気分になる瞬間。

43 :4:02/04/13 00:56 ID:GhkpHz22
<冬月>

「何! シンジが……か」
「ああ。それで頼む」
多分、赤城博士からの内線での経過報告だったのだろう。
ただ、傍らに佇む俺にはその内容は聞き取れない。
「容態は、どうだったかね…?」
おや、この男にしては珍しく動揺しているようだ。
暫く声もなく、組んだ手が震えている。
「……経過は順調なようだ。次の戦闘も問題なかろう」
なら、どうしてそれほど動揺するかね。
「だが、無理をさせるわけにもいくまいて」
確かに、それならば問題は何もなかろう。
「冬月先生…暫く、席を外します」
「何処へ行くんだ…碇」
相変わらず、人使いの荒い男だ。
だが…何かがあったのは確かなようだ。

44 :4:02/04/13 00:57 ID:???
<葛城>

シンジくんの容態は安定したとの事。
不安でなかったと言えば嘘になるが、かといってその事ばかりを気にしていたわけ
でもない。
敵の分析及びその本部進行への対処で、何も考える余裕がなかった。
職務に追われ、義務を果たしている間は…正直彼の事は頭になかった。
作戦の概要が纏り、司令の決済を得て、ようやく彼の事を思い出す。
同時に、軽い自己嫌悪感。
私は職務や義務を盾に、自分の冷たさや自己本位さをごまかしているだけなのかも
しれないと。

45 :4:02/04/13 00:57 ID:???
独12式自走臼砲のレーザーが、肉眼で目視可能なATフィールドに弾かれている映像
を眺めやりながらも、何故だか楽観的な気分が私を支配していた。
「攻守ともにほぼパーペキ。まさに、空中要塞ね。で、問題のシールドは?」
その問いに対する返答はほぼ絶望的と言う事実を、ただ現実の事象で表現しただけ
に過ぎない。
ちっ! まだまだ、これから…!
その絶望的状況下から、更に気分の高揚がもたらされた。
ある、アイデアに思い当たった。
そう、古くからの故事、絶対の矛と盾を突き合わせたらいかなる事が起きるか…?
その故事は、矛盾。
それは、私達人間の存在そのものなのかもしれない。

「勝算は8.7%か」
「最も高い数字です」
司令は相変わらず、他人に自分を曝そうとしない。
この親ありて、この子あり…か。
ふと、埒もない考えが脳裏を過る。

46 :4:02/04/13 00:58 ID:???
彼らは動じない。
まるで、全ての物事の進行を予期しているが如くに。
「ちょっち、考えすぎね…。」
司令の部屋を出るとき、小さくそう呟いた。

戦自からの、自走陽電子砲の徴収はある程度はったりを利かせて行った。
当然、組織としてのNERVはさまざまな反目を受けているが、その反目の大きな水溜
りにほんの一滴の反感を加えただけ。
でも、その一滴一滴の相乗がいずれ自らに降りかかる事を、その時の私は知る由もな
かった。
「レイ。持っていって。」

47 :4:02/04/13 00:58 ID:???
<綾波>

碇くんが目覚めるのを待った。
待っていたら、目覚めた。

作戦の説明をするよう、赤木博士に命じられる。
食事も活動源だから必要。
司令の作戦も…大切。

碇くんは怯えていた。
その、怯えが私にも伝わってくる。
肌をぴりぴりとさせる。
「僕は…嫌だ。綾波はまだアレに乗って怖い目にあったことがないから、そんな事
が言えるんだ」
嫌なら、乗らなければ良い。
私は乗らなければならない。
碇くんの怯えが伝わったから…。
「じゃ、寝てたら」

怖い。
嫌。
良く、分からない。
だって、私の替わりは沢山。
でも、碇くんは違うから。
分からなくもない。

48 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/13 00:59 ID:GhkpHz22
<碇>

気が付いて、自分に起こった事を思い出し叫び声を上げそうになる。
今がいつか分からない。
夕日が血のように赤く山間に消えて行く、夕方だった。
嫌だ。
もう、嫌だ。
何で、あんなに苦しい目に嫌な目に会いながら、エヴァに乗り続けなくちゃならな
いんだろう…。
人類の存亡…人類なんて、俺には関係ない。
街の人を守る為…皆知らない人達ばかりじゃないか!
畜生。
いつか、ミサトさんが言っていた。
「いい。シンジくんの大切な人たち。まぁ、簡単に言ったらシンジくんの身近にい
る人達の命を守る為に戦っている…と、そう考えたら楽になるっしょ?」
そうかもしれないし、そうではないかもしれない。
だって。
綾波もこんなに冷たいし、あの野郎…父さんだって…ミサトさんだって僕を心配し
て、お見舞いにも来てくれないじゃないか…っ!

49 :4:02/04/13 00:59 ID:???
でも、どうしてだろう。
エヴァに乗った自分は簡単に想像出来るのに、乗らない自分は想像できないや。
糞っ…俺は馬鹿だ。

月明かりの下、綾波と二人きりでぽつんと待機している。
不思議だ。
何だか、とても静かで…心の中のざわめきや自分の中の汚いものが消えて行くよう
だ。
とても、穏やかな気分になる。
薬でも打たれたのか…?
そう邪推してみてようやく、ああ、いつもの自分も残っていると実感できた。

「これで死ぬかもしれないね」
何故、綾波にこんな事言うのだろう。
俺は綾波に関心があるけど、綾波はいつだって…父さんしか見ていないじゃないか。
「どうしてそういうことを言うの?」
分からない。
或いは、綾波に何か言って貰いたいのかもしれない。

50 :4:02/04/13 01:00 ID:???
「あなたは死なないわ」
「私が守るもの」

え…? 言葉が詰まる。
胸が詰まる。
暖かいものがこみ上げてきて、目頭が熱くなる。
必死に堪える。
やはり俺は人に優しくしてもらいたい。
そして、愛されたい。
それが満たされるのなら…俺は死んでもいい。

そう確かに思った、何も知らなかった…いたいけな頃。
その先に待ち受ける、運命すら知らずに。

51 :4:02/04/13 01:00 ID:???
何故綾波は、エヴァなんかに乗るのだろう…?
ふと、思った事を口にした。
「綾波はどうしてこれに乗るの?」
「絆だから」
「絆?」
「そう…絆」
「…父さんとの?」
「─みんなとの」
「強いんだな…綾波は」
「私には他になにもないもの」
「他になにもないって」
この時、理解した。
綾波と俺は瓜二つだ…。
俺も綾波も、エヴァに乗ることでこの街の人間と繋がっている。
そして、それがなければ…何も無い。

俺が口を開こうとした時。
「時間よ、行きましょ。じゃ、さよなら」
さよなら…か。
やっぱり、死ぬみたいじゃないか…。
何故だかしらないけど、俺は泣き笑いした。

52 :4:02/04/13 01:01 ID:???
「シンジくん。日本中のエネルギー、あなたに預けるわ。頑張ってね」
そんな、日本中のエネルギーをこの手にしていると言われても、実感は湧かない。
でも、その方がいい。
何だか、現実が現実みたいじゃない気がするから緊張もしない。
「最終安全装置、解除」
「撃鉄おこせ!」
そうして、目標をセンターに入れて…撃つ!

「綾波!」
綾波が敵の攻撃から庇ってくれている。
早くしないと…早くしないとっ!
死んじゃう…綾波が…綾波が!
「早く…早く!」
白熱するモニタを凝視しながら、銃爪にかかる指が細かく痙攣する。
来たっ!
モニタで目標をセンターにして…指先に力を込めて、撃つっ!

53 :4:02/04/13 01:01 ID:???
「はぁはぁ、綾波!」
いつもの皮肉で黒いもやもやとした、心のしこりはなりを潜めていた。
ただ、純粋に綾波の無事を祈りながら、排出させたエントリープラグに駆け寄る。
「っ…! ぅ…」
無我夢中だった。
熱くなった非常ハンドルをただただ回す。

<綾波>

突然、夜気が頬に触れた。
「綾波! 大丈夫か!? 綾波!」
目を開けると、碇くん。
そう、無事だったの。
私。

54 :4:02/04/13 01:02 ID:???
自分には…自分には何も無いって…そんなこと言うなよ。別れ際にさよならな
んて、悲しい事いうなよ……」
泣いているの?
「何、泣いてるの。ごめんなさい。……こういうときどんな顔をすればいいのか
わからないの」
司令ならどんな顔をするのだろう。
「笑えばいいと思うよ」
笑う…笑う顔…嬉しいとき。
嬉しい時、司令。
碇くんは司令に似ている。
あの、心地よい感じがする。

司令と碇くん。
どちらも心地よい。
二人は似ているのに、二人ともお互いを恐れている。
何故?

私は、この心地よさ。
そして、絆を失いたくない。

駄目、駄目よ碇くん。
急に体を揺すられたので驚いた。

55 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/13 01:35 ID:???
また、ヘマをやらかしてしまいました。
すいません。
後、原作を御覧になっていない方にはわかりにくい
展開かもしれませんが、ご容赦を。

因みに、次辺りから少しづつ原作と話が変わってゆ
くと思います。

真剣に串の問題を考えないと、酷い事になるかもし
れません。
どなたか…真剣に教えて下さいませ。

はぁ、まあ大して人がおられないようですが頑張っ
て行きます。

>風呂敷さん
ぅーん。
難しいと言うか、今の段階ではストーリーは
わかりませんよね。
続き期待しております。

56 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/13 02:05 ID:???
通りすがりなんで小説読んでないけど串関係はここ。

2chで書ける串教えれ!
http://kaba.2ch.net/test/read.cgi/accuse/1015414466/

規制されるというのを無理に書き込み続けると
実験板にしか書き込めなくなるよ。
アクセス規制になるかもと言われても、一日空ければ平気。
串が見つからなくても一気に大量投稿しなければ大丈夫。
夜と朝など時間空けて投稿すればいいんでは。

57 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/13 13:02 ID:???
夜11時〜深夜1時の間はアクセスが多いので、その時間帯に数分間隔をあけながら
投稿すれば問題は無いかと。数秒おきに投稿するのは避けた方が。

58 :1:02/04/13 18:15 ID:???
何か言われそうなので、一応先に言っておきます。
LASかLRSかどちらかと言いますと、正直まだ分か
りません。

ただ、幸せになる時は二人とも幸せに。
不幸になるときは、二人とも不幸にしたいです。
まぁ、心のうちを語るのには恋愛も不可欠。
でも、体験エヴァのようにはしないつもりです。

59 :5-1:02/04/13 18:16 ID:???
ゲンドウ>

死海文書のスケジュールが修正を余儀なくされた。
…当然、老人達とその番犬である日本政府は干渉を始めた。
瑣末を事象によって現実から目を逸らす…。
それにより、本質的事象は何も変わらない事を知りつつ。

日本重化学工業共同体・使徒迎撃用無人ロボット…JAか。
くだらん…。
科学という火を手に入れた人間が、その火によってどうしてその火を齎した
存在に対抗出来よう。
葛城一尉の行動はイレギュラーであったが、遅滞無く妨害工作に成功。
所詮は、瑣末な事象。
取るに足らん。

シンジ…。
結局は何も変わらん…何も。
「すまなかったな…ユイ」
「シンジは、まだお前の所へと送るわけにはいかんのでな」
俺は、これからも代価を払いつづけなければならないのだろう。
そう、約束の…至福に到るまでは。

60 :5-2:02/04/13 18:17 ID:???
ドイツからの弐号機が明日到着予定だ。
あの男は鈴付きだが…やる事はやるだろう。
これで、後は槍をこちらに用意すれば老人どもには何も出来ない。
だが…先日の定例会議での会話が気になった。
「碇。我々は君に人類の未来を託している。だが、それは白紙委任状を渡した訳で
はない事を銘記して貰おう。」
「…分かっていますよ。議長」
「その教訓を君は近い内に、知ることとなろう」
油断はしていない。
当然だ。
その時、緊急外線が私宛に届いている事を知り、受話器を取る。
「…私だ」

61 :5-3:02/04/13 18:17 ID:???
<加持>

俺は受話器を置き、Yak-38改の操縦士から第三新東京までの飛行レコードを確認し
ようやく一息付く。
これで、国連付属太平洋艦隊の元へNERVからの増援が届くはずだ。
だが…。
「間に合うか…」
そっと呟くが分かっている。
9割9分太平洋艦隊は壊滅もしくは、大破は避け得ないだろう。
当然、エヴァ弐号機…アスカも。
可哀想だとは思う。
だけれども…俺は、俺の答えを探し出せるまで死ぬわけにはいかない。
「頼んだぞ…。葛城」
酷く、煙草が欲しい気分だった。
苦い。
手が無意識に、トランクに伸びていた。

62 :5-4:02/04/13 18:18 ID:???
<葛城>

ちぃ!
前回のJAの暴走に続き、今度はエヴァ弐号機護衛航海中の太平洋艦隊が水中型使徒
により壊滅か…これは、超過勤務手当てものね。
マヤちゃんに、使徒の現在位置及び、太平洋艦隊の壊滅地点を算出して貰った結果。
あららー。丁度、ハワイ諸島のド近くね。
しかし…アスカは無事なのだろうか…?
あの子とは、2年近く会っていない。
嫌な子だけど…生きていれば良いのだが。

国連付属米軍ハワイ駐留軍が、魚雷型N2爆雷を雨あられと落としまくった結果、使
徒の進撃は現在停止している。
無茶苦茶だ。
そんな事をしたら…パイロットが、アスカが。
でも、私の立場でもそうせざるを得なかっただろう。
人類と一人の命…天秤に載せるのは酷というものだ。

63 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/13 20:31 ID:I62bH0G6
これは、RASだ!!

64 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/13 20:40 ID:???
初めて聞くな……

65 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/13 21:36 ID:???
もう少し文体を統一すべし。

66 :1 :02/04/13 22:36 ID:???
>65
全体的に文体がととのっていませんでしたか…。
具体的に誰のが、駄目でしたか?
後学の為、教えて下さい。

67 :5-5:02/04/14 00:43 ID:d8Jm/hmY
多くのコーヒーと煙草を、スタッフと共に消費し続けた末に。
ようやく作戦が立案され、司令の決済が下る。
「只今より本作戦を第二次トラトラトラ作戦と命名します。第一目標は使徒殲滅。
第二目標はパイロット及びエヴァ弐号機の確保よ。シンちゃん。レイ。何か、質問
はある?」
「葛城ニ尉。エヴァの輸送方法及び、具体的な攻撃方法の説明を」
相変わらず、レイは作戦の遂行と成功の事しか考えていない。
指揮者としては、有り難いのだが…些か気に障るのも事実だ。
「ええっと…。前回の作戦でも使用したエヴァ空中輸送機STOLによって海中へと投下。
その後は各自判断に委ねます」
「あのぅ…ミサトさん。弐号機のパイロットって…」
「勿論、シンちゃん達と同年代。14歳の女の子よ。惣流・アスカ・ラングレー。無事
だと良いのだけど…」
今回の作戦においては、MAGIは賛成3の圧倒的な支持を与えている。
だが…搭乗者の安否は……。
いけない…大丈夫。
そう、きっと大丈夫。
自分自身に言い聞かせ、出撃命令の檄を飛ばした。

68 :5-6 :02/04/14 00:43 ID:???
<碇>

ミサトさんは普段はずぼらでだらしがない。
女なんてこんなものか…とも、思ってしまう。
綾波もだけど…綾波は何か違うような気がする。
エヴァ弐号機のパイロットは女の子…。
無事なんだろうか…?
生きているのかな…?
ミサトさんに写真を見せて貰った時、とても可愛いと思った。
もしかしたら、もしかしたら仲良くなってくれるかもしれない。
そして…優しくしてくれるかもしれない。
だから、早く助けて上げないと。
海の底で一人ぼっち…俺だったらそんなのには耐えられないから。

69 :5-7:02/04/14 00:45 ID:???
「良い、シンジくん。レイ。後、10分後にエヴァは目標地点に到着。その後、エヴァ
を海中へと投下します。海中では、火器は使えないから…接近戦になるわね」
正面のモニタに作戦開始予定時刻がリミットされている。
怖くは無いと言えば、嘘だ。
でも…綾波が守ってくれた、あの作戦の成功。
そして、前回のロボットの暴走を止めた事が、俺に微かな自身を与えていた。
モニタのミサトさんに「あの、帰りはどうするんですか…?」と聞いてみる。
まさか、自分達で勝手に帰って来いとは言わないだろう。
リツコさんが変わりに答えてくれた。
「使徒殲滅後は、弐号機の探索。そして、弐号機の引き上げとあなた方の回収は30km先
に待機させてある、NERV所属空母によって行います」
リツコさんは皮肉っぽい視線を投げかけ続ける。
「大丈夫。エヴァは高いの。だから、置き去りになんかしないわ」
そんな…皮肉を言わなくてもいいだろ…。
でも、気持ちが又少し軽くなった。

70 :5-8:02/04/14 00:46 ID:???
バッチャーン!
海の底へと沈んでいく。
でも、俺は何となくわかって来ていた。
エヴァの中にいれば、完全に安全だという事を。
それに…この血の臭いのする液体に浸っていると、何だか落ち着く。
モニタの隅のミサトさんの画像が伝える。
「ここら辺は、ハワイの大陸棚だから水深は最深部でも100mくらい。ちょっち、暗いけ
どね…」
そして静かに…静かに光が少ない海の底へと沈んで行く…。
「気を付けて! 近くに使徒がいるわっ! シンちゃん…レイ…。帰ったらみんなでハ
ワイで泳ぎましょう。勿論、アスカも一緒にね! だから…死なないで」

71 :5-9:02/04/14 00:48 ID:???
海底に足を付ける前に、使徒が襲ってきた。
無我夢中でナイフを振り回す。
糞ッ! 駄目だ…当らない!
がすん!
使徒の体が当るたびに、大きくプラグ内が揺れる。
綾波も、ナイフを振り回しているが、使徒にかすり傷さえ与えられない。
使徒が俺達のエヴァの回りを縦横無尽に泳ぎ回る。
その海流により、零号機とぶつかりアンビリカルケーブルが絡まって…。
やばいっ!
ピィー。
モニタにケーブル切断を知らせる、緊急警告が流れる。
後、三分…っ!
どうしよう…どうしよう…。
その時、やっと海底に足が届いた。

72 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/14 00:49 ID:???
ま、間違えた…。
規制が怖いので、今日はこの辺にしときます。
どなたか、感想と批評お願いします。

もしかして、放置プレイですか?

73 :風呂敷:02/04/14 00:50 ID:???
なんて呼べばいいのか…>1さんですかね。
>1さん応援してます。頑張ってください!

お、俺はアクセス規制が怖くてビクビクしているのと、
さらには細かくバラバラにして投稿するのがツライというか…。
改行を叱られるのはキツイですね。

74 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/14 01:29 ID:???
今の傾向ってスパシン化へとどんどんインフレーション起こしてるし
本編再構成ものでここまでシンジがへたれなのって実は珍しいかもしれない。
>>34のあたりなんかムチャクチャ情けねぇ(w
でも、本編キャラって確かに腹んなかでこんなこと考えてそうだな、
って思わせる説得力はあるです。

何にせよ、完結させるのが一番大変なことだと思う。応援してるです。

75 :綾波レイ子:02/04/14 11:51 ID:QpM3VHtE
目ぇ覚めたら、うちは病室のベッドで寝とった。
体には包帯が巻かれとる。傷も怪我も無いのに・・・
それでうちは気付いたんや。うちが三人目やということを。
二人目の「うち」何で死んでしもうたんやろか。
何でやろうか。
考えながら廊下にいとったら、誰かがうちのことを呼んだ。
碇司令の息子や。
なんやいろいろ話し掛けてきて、その話の中から「二人目」が自爆して
死んだことを知った。
相変わらず司令の息子・・・たしか名前は碇シンジやったかな、話し掛けてきよる。
この子はうちのいったい何なんやろか。
何も無いうちに話し掛けるやなんて、よっぽどの物好きとしか思われへん。
何でなんやろか・・・
考えても、「三人目」であるうちには答えは浮かばへんかった。
そりゃそうや。「二人目」と違ってうちはこの子のことなんも知らへん。

そう考えると、うちの中になんや寂しいもんがこみ上げてきた。
足と口が勝手に動く。そして頭が警告する。
うちはこの子のそばにいたらあかん、と・・・
背中を向けて歩き出すうち。
碇シンジの視線をいつまでも感じていた。
・・・2人目のうちは、もうおらへんねんで・・・
うちは一人、かすれるような独り言を闇に封じ込めた。

76 :5-10:02/04/14 12:43 ID:???
「シンジくん! 後は、レイに任せて隠れていて!」
隠れるって言ったって…どこに?
それに…綾波を助けないと、助けないと後できっと後悔する。
使徒は、綾波に狙いを定めフェイントと攻撃を繰り返していた。
糞っ糞っ!
銃が使えればっ!
「綾波! 今、行くから…」
「駄目。碇くんは隠れていて」
「嫌だ…っ!」
「碇くん…」

77 :5-11:02/04/14 12:45 ID:???
使徒の攻撃は零号機に向っている。
初号機はケーブルを失って身軽だ。
零号機に対し、使徒が接近した瞬間。
でかい使徒の背中にしがみ付き、ただひたすらにナイフを付き立て続ける。
プラグ内は縦に横に揺れて、上下の感覚も無くなって来た。
それでも、ナイフを振るい続ける。
ふ、と空中に放り出されたような無重力感を感じて…。
うわぁぁぁ!! ぁあああ!!
暗い…暗いっ……!
「碇くん! 碇くん!」
モニタからの綾波の声で正気に返った。
どうしたらいいんだ…!?
使徒に食べられてしまった!
どうしよう…どうしよう!
「綾波ぃ! どうしよう…? 僕、どうしたら…」
「…碇くん。プログレッシブナイフ」
ナイフ…?
まだ、エヴァの手の中にナイフが握り締められていた。
そうか。
活動限界1分を切った。
俺は、ナイフをただがむしゃらに振り、刺し、切る…切る切る切る…!

78 :5-12:02/04/14 12:46 ID:???
<赤木>

私は気密服を着込み、弐号機のエントリープラグ内を覗き込む。
やっぱり。
エヴァ弐号機に与えられた、損傷そしてその受けた衝撃は軽くLCLの耐衝撃性
を超過していた。
そして…その内部にいる生身の人間がどうなっているのかも。
「この件は極秘とします」
あの人…司令の判断を仰がなければならない。

さて…。
また、お人形が増えるわけね。
自嘲的に呟く。
「私達のしている事を、あの子達が知ったら…。許してはもらえないわね」
あの人の予定も狂いつつある。
私は何を望んでいるのかしら…。
フロイト的にタナトス…何と通俗的。
レイ…あの忌まわしい人形の他に、チルドレン全員……ね。
これから行わなければならない仕事に、暫くは忙殺されるだろう。
そういう事務的な事を考えて、一時的に現実から逃避する私。

79 :5-13:02/04/14 12:47 ID:???
<綾波>

葛城ニ尉はハワイに行きたかったみたい。
碇くんも少し、残念そう。
私は…分からない。
でも、暖かい所は気持ちがいい。

海の中での碇くん。
どうして、命令に従わないの。
何故、大人しく隠れないの。
私はまだ…戦えた。
でも、勝てたのは碇くんのおかげ。

いつもの定期テストの為にドグマへと向った。
でも、違和感。
何故、私の他に弐号機パイロットと碇くんがいるの?
前は私達だけだったのに。
私の替わりは沢山。
弐号機パイロットも…碇くんも沢山。
そう。
私も弐号機パイロットも碇くんも同じ。
でも、何だか大切なモノが壊れたような気がした。
碇くん。

80 :5-14:02/04/14 12:48 ID:???
今日はB.アルバーツ著「細胞の分子生物学」を108Pまで
読んだ。
後、J.ダーネル著「人工生命─遺伝子工学の誕生」を66P
まで読了。
でも、駄目。
いつものように集中できない。
今日はもう寝る。

81 :1:02/04/14 12:56 ID:???
フラグメント(断片)的ですまそ。
何か、顰蹙かいそうな展開ですがお許しを。

>73
レスありがとう御座います。
私も、断片になって改行すらままならない事で
ちょっと後悔しています。
でも、始めたからには終りまで頑張らないと…。
貴方のお話も楽しみにしています。

>74
嗚呼、嬉しい…。
やっぱりレスが付くっていいものです…感無量。

今回からちょっと原作再現ではなくなったかも
しれませんが、出来るだけ原作を重視して行く方向
です。
アレンジを加えつつ。

確かに、完結させる事が一番大切。
またーりと頑張って行きます。

82 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/14 13:31 ID:???
常夏の日本にいて、今さらハワイに行きたいとは考えないだろね。

83 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/14 14:37 ID:???
ハワイと日本の夏は全然違うよ。
ハワイは暑くてもさらっとしてるというか、日本の夏みたいにべとついた感じがない。

っていうかその理屈だと夏にハワイに行く人はいないことになる(w

84 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/14 15:11 ID:ZX5oQABk
それ以前に、ポールシフト後のハワイの気候がどうなっているかわからん。
それに日本の常夏が、以前の夏と同じ気候とも思えない。

85 :6-1:02/04/14 15:56 ID:???
<惣流>

意識を取り戻すと、病院と思しき所で硬いベットに横たわっていた。
時折、日本語のアナウンスが流される。
そっか…もう日本に着いたのね…。
そうして、ビルヘルムスハーフェンを出てからの、記憶が途切れている事に
気づいた。
何でもう日本なの…?
何で私が病院に入院させられなくちゃならないのよ…!
不安と怒りそして一抹の…考えたくは無い予感に駆られインターフォンを連
打し看護人を呼び出す。
もしかして…嫌! 加持さん…何処へ行ったの…?

嫌な予感は見事に的中。
くっ…!
何で…何で…何で何でっ!!
何で…この私が、この私が負けなくちゃならないのよ…っ!
もう、後が無い。
次の戦いは、そう必ず勝たなくてはならない。

86 :6-2:02/04/14 15:56 ID:???
サードチルドレン…シンジとはNERV本部でミサトと加持さんに紹介された。
第一印象は…最悪。
何でこんなのが、エヴァのパイロットに選ばれたの…?
ドイツにいた頃は日本人と言えば、加持さんとミサトぐらいだった。
同年代の日本人は初めてだったので、ある程度期待していたものがあった
のかもしれない。
それが何よ…こいつ。
ふん。
上目遣いで私を見て…気持ち悪い。
でも、こんなのに助けられたなんて屈辱…。
「ふーん。冴えないわね」
やっぱりこの男最悪。
何が「あ、碇シンジです。よろしく」よ…!
なよなよして、気持ち悪い。

87 :6-3:02/04/14 15:58 ID:???
でも、シンジは馬鹿なだけでまだ救いがある。
ファースト!
何よ、あの女。
日本の低級なレベルの学校では当然、私は占めるべき立場を占めた。
男どもの熱い視線。
女どもの嫉妬と羨望の視線。
当然だった。
でも、ファースト…綾波レイは!
「あたしアスカ。惣流・アスカ・ラングレー、エヴァ弐号機のパイロット。
仲良くやりましょ」
「どうして?」
馬鹿じゃないの…!?
この私があいつのレベルに降りてきてやったのに…何? あれ。
「その方が都合がいいからよ。イロイロとね」
「命令があればそうするわ」
畜生!
その言葉を聞くまでは、まだ内向的な女かと思っていた。
だけど…違う。
この女は人形だ…自分の意思を持たない人形。
私は、私は期待していたのだ。
ファーストチルドレンが同年代の女だった事に。
もしかしたら…もしかしたら、同じ立場のトモダチになれるかもしれないと。

88 :1:02/04/14 15:59 ID:???
>82〜84
全然考えていませんでした。
それより、作戦名でつつこまれると思った…。(w

89 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/14 18:06 ID:???
この時点の独白で
「シンジ」とか「ファースト」ってのは変じゃないかい。
それからこの話でのレイの感情表現(>>79とか)考えたら、初対面のアスカが
「自分の意思を持たない人形」とまで思い込む理由がわからない。
テレビであった「命令があればそうするわ」ってのも、立派な自分の意思の表明です。
つまり「命令でもない限りその気は無い」ってこと。
アスカならそれくらいのことはわかると思うよ。

90 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/14 22:38 ID:JkTh2LSk
これはRASだ!!!

91 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/15 19:39 ID:???
とりあえずね。

とっても「読ませる力」あふれる作品だとおもわれ>1氏の作品


こまかいとこなんて、どーでもいいんです。おもしろけりゃ。
こまかい突っ込みはいっぱい入るとおもいますが、
それをオカズに頑張ってください。

面白いです。

92 :6-4:02/04/15 21:30 ID:???
<碇>

何なんだよ…あの女。
俺を馬鹿にしやがって。
…綾波とも馬が合わないようだったし。
でも、可愛いんだよなぁ。
考えたら、俺の近くに同年代の女の子がいたことは殆どなかった。
今は…少なくとも、二人もいる。
いつかは…いつかは、どちらかが俺を好きになってくれるかもしれない。

求めるだけの希求。
祈るだけの希望。
そう、それだけでは何も変わらない。
でも、その時はまだ。

93 :6-5:02/04/15 21:32 ID:???
トウジもケンスケも惣流に夢中だ。
でも、あいつ等には手が届かない。
惣流を助けたのは俺と…綾波だ。
だから、無理だ。

そして、また戦いが始まった。
この街の防衛体制はまだ立ち直っていないので、使徒をこちらから迎え撃つと
ミサトさんは言っていた。
来た…!
海から使徒が近づいて来る。
「じゃ、あたしからいくわ! サード、ファースト…援護してね!」
「え、援護!?」
「了解」
「え、了解って綾波?!」
「分を弁えているじゃない、ファースト。アンタも…レディファーストよ!」
綾波だって女じゃないか…。
仕方が無いと言うか、正直俺はどちらでも構わなかったので使徒を牽制する。
綾波も銃で使徒を撃ち続けている。
弐号機は使徒に向かいダッシュして。
「いけるッ!」「ぬあああ──」
確かに、言うだけの事はある。
鮮やかな動きで、使徒を一刀両断にした。
「お見事っ!」
思わず、歓声の言葉をつく。
ミサトさんも、「ナイス、アスカ!」と褒めていた。

94 :6-6:02/04/15 21:33 ID:???
でも、その後はぼろぼろだった。
使徒は二体に分裂して、攻撃を仕掛けて来た。
俺も惣流も綾波も見事に惨敗した。
前と同じように軍隊のN2爆雷の投下によって、何とか時間を稼いでいる。
冬月さんにもミサトさんにも…惣流にも怒られた。
でも、惣流の場合、負けたのは自分も同じじゃないか。
ヒステリックな奴。
加持さんは優しいかもしれない。
でも、優しい人はかえって怖い場合もある。
臆病な俺が学んできた、教訓。

95 :6-7:02/04/15 21:35 ID:???
<惣流>

一人暮らしをしても良かったのかもしれない。
ミサトは何か無理をして生きているみたいで、あんまり好きではない。
シンジは論外だ。
でも、そう! 女の一人暮らしは物騒だし…日本にも慣れていないし…。
帰って部屋に誰もいないのは…もう、嫌。
ミサトもシンジも…まぁ、そんなに悪い奴でもなさそうだから。
ベストでは無いが、ベターな選択ね。
それにしても…何で日本の家はこんなに気密性が低くて…狭いのよ!
プライバシーに対する配慮も全然駄目。
取り合えず…シンジの部屋から荷物を運び出そう。

ミサトが帰ってきて、爆弾発言。
え…!? 完璧なユニゾンの為に、こいつと寝食を共にするぅ!
当然私はミサトに抗議をしたのだが、本気ではない。
使徒に勝つためならば、どんな事でも私は厭わない。
それに、まぁ、シンジなら大丈夫かな…?
この程度の男だったら、人畜無害だしね。
そして、ユニゾンの為の6日間が始まった。

96 :1:02/04/15 21:47 ID:???
>89
確かに私の座右の書(フイルムブック)でも、この時点では
シンジに対してもシンジとは呼んでおらず、綾波に対する
アスカの感覚も些か攻撃的でした。

て、言うかエヴァ後半のアスカのイメージを私が引きづつ
ていて、それが出ちゃったようです…。

ただ、命令に従う事も自分の意思か否か。
この辺りは難しいですね。

>91
ありがとう御座います!
やっぱり、面白いと行って下さる方が一人でもいて下さったら
それだけで、書いているかいがありますです。

出来るだけ突っ込み所も無くしたいのですが…難しいものですね。
とにかく頑張って行きます。

97 :6-8:02/04/16 08:48 ID:???
<碇>

どうしよう…女の子と一緒に暮らすなんて。
ヒトと触れ合うのはまだ怖いけど、でも。
その時は、そんな事を忘れてただ嬉しかった。
トウジ達との関係も大分こなれてきた。
まだ、話を会わせるのは緊張するけど…それでも前よりは少しだけまし。
惣流…アスカと話をするのも慣れてきた。
ユニゾンは…始めの内は、全然はかどらなかった。
トウジ達と委員長が家に来た時の出来事からは、全てが上手く行ったよう
な気がする。
綾波とのシンクロは何故だか、本当に上手く行った。
それなら初めから綾波と組ませれば…と考えてる時、アスカが怒って家を
出て行ってしまった。
「追いかけて!」と委員長。
偉そうだなと思いながらも、アスカが心配で俺は追いかけた。

98 :6-8:02/04/16 08:49 ID:???
アスカは近くのコンピニに居た。
何だか声が掛け辛くて、暫く躊躇した後。
「あの──」
「わかっているわ。私にはエヴァに乗るしかないのよ」
ああ、アスカも俺や綾波と同じなんだ。
エヴァに乗る事でしか、他人と関わる事が出来ないんだ。
そう、思ったらこの時々は腹が立つけど…生意気な女だけど、俺の中でア
スカは綾波と同じ特別な存在となった。
二人とも女の子だ。
今が、生まれてきて一番幸せな時かもしれない…。
そんな事を、ぼんやりと考えていた。

99 :6-9:02/04/16 08:49 ID:???
作戦決行日の前日の夜。
ミサトさんから、今日は帰らないとの電話があった。
「じゃあ今晩はふたりっきりてワケね」
「え?」
アスカと暮らすようになってから、オナニーをしていない。
時々、アスカのすらりと伸びた手足、そして胸元や唇をちらちらと盗み見
しては興奮をたぎらせていた。
もしかして…いや、でもあいつ…父さんやミサトさんにばれたら…その前
にアスカは俺の事をどう思って…。
欲望や打算が頭の中を渦巻き、何だか初めて味わうやりようのない切なさ
だった。

100 :6-10:02/04/16 08:50 ID:???
やっぱり、眠れない。
アスカが違う部屋で寝ているので、久しぶりにオナニーが出来た。
アスカや綾波の胸とかを想像しながら。
その後、イヤホンで音楽を聞きながら考える。
今まであった事や、これからの事を。
その時、アスカがトイレに立つ音。
そして、水音。
眠っているふりをして必死に目を閉じて、呼吸を整える。
暫くして、鼻先に規則的な風を感じた。
ふと、薄目で周囲を伺うと。
あられもない格好で、アスカが隣にっ…!
大きくはだけた胸元が、剥き出しの手足が、唇が…。
理性では抑え切れない。
アスカの唇に自らの唇を当てたくて……。
「───ママ……」

101 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/16 17:58 ID:???
101

102 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/16 19:47 ID:???
快調ですね。
めざせ1000レス

103 :6-11:02/04/16 21:05 ID:???
「自分だって、子供のくせに」
でも、それからはアスカの事が更に身近に感じられるようになった。

104 :6-12:02/04/16 21:06 ID:???
<惣流>

今度こそは負ける訳にはいかない。
「いいわね。最初からフル稼働。最大戦速で行くわよ」
「う、うん。分かった」
ちっ! 
もう少し、覇気のある返事は出来ないの…馬鹿。
「発進」
ミサトの檄が飛ぶ。
音楽に合わせて、62秒でけりをつける作戦予定なのだが…頼むわよ! 

空中でのプログナイフとスマッシュホークの投擲。
そして、使徒の攻撃を避けての銃撃。
そこまでは、上手く行っていた。

使徒の肉弾攻撃をかわすべき、段階で。
「ぁ、うわぁぁぁ!」
な…?! 馬鹿シンジの奴がビルにひっかかって見事に転倒する。
「何をやっているの…!? シンジくん! アスカ、一時撤退よ!」
モニタからのミサトの管制。
うるさい。
今度こそ、今度こそ負ける訳には行かないのよ。
「嫌よ! 私一人で十分っ…!」
「なっ…! アスカ…これは命令よ!」
ぴっ。
気が散るので、発令所からの管制をオフにする。

105 :6-13:02/04/16 21:09 ID:???
「いい。アンタは私が合図したら、バレットガン2丁こちらに向かって投げる事。
アンタでもこのくらいの事は出来るでしょ。」
「わ、分かったよ…。ぁ、あのごめん」
「男なら終わった事にぐちぐち言わない。帰ってからきっちりしごいてやるから!」
馬鹿な奴。
でも、情けない顔して謝っちゃって。
可愛い所もあるじゃない。
私の引き立て役には、丁度良いかもしれない。

106 :6-14:02/04/16 21:11 ID:???
シンジは兵装ビルに隠れて機会を伺っている。
私は、使徒二体からの攻撃をかわして、避けて、兵装ビルの影を縫いながら好機の到
来を伺う。
使徒が私を挟んで直線状に立った。
今だ!
「シンジ! 銃をこっちへ!」
「行くよ…アスカ!」
空中で舞う2丁の銃を、ジャンプして空中で受け取り地面に降り立った瞬間、両手を
大きく広げ、私を挟んでいる使徒に向かい同時に銃撃を行う。
ガガガ…ガガガっ!
コアへの二体同時荷重攻撃。
私のエヴァ弐号機の両側で同時に大爆発が起こる。
ピィー。
活動限界、そして62秒ジャスト。

「どう…? シンジ。ミサト。ざっとこんなものよ」
「す、凄い。凄いよ…アスカ!」
「良くやったわアスカ! それに引き換え…シンちゃん。後で、じぃーくりとミーテ
ィングが必要みたいね…」
発令所のスタッフの笑いがモニタから響き渡る。
「頑張ったわね。アスカ」
誰に言うでも無く、私はそっと呟いた。

107 :7-1:02/04/16 23:20 ID:???
<葛城>

現在の所、エヴァのシンクロ率はアスカが他二名の追従を許していない
状況だ。
あの子は…2年前と変わっていない。
そう、他者からの賞賛をただひたすら求める幼子のように。
私は…シンジくんやアスカの保護者になるべきだったのかいや、なる資
格があったのかそれすら分からない。

「あー! 止め止めっ!」
自身のとりとめのない無い連想を、そこで断ち切る。
それにしても…アスカ辺りは騒ぐわね。
沖縄旅行は当然、彼らは居残り組みとなる。
ふと、眼下の第三新東京の繁栄した姿を眺めやる。
…彼らの犠牲の元に、今日も街は活気に満ち溢れていた。
そう言えば…アスカは今日、加持の奴と街へと出かけているはずだ。
何であいつが、日本に来るのよ…!
あいつに近くにいられたら…いられたら、私は弱くなる。
だから…あいつから離れたのに。
それに私があいつに何を求めていたか…気付いてしまったから。

108 :7-2:02/04/16 23:21 ID:???
「葛城ニ尉。諜報二課からです」
「ああ。ありがとうマヤちゃん。そこ、置いといて」
こんな時は、あの陰気な諜報部にすら感謝の念を抱いてしまう。
何であれ、思考の深みに嵌る前に逃避の手段が出来るのは良い事だから。
その提出書類に目を通しながら。
な?! この成績…。今日は反省会ね。待っていなさい。シンちゃん、ア
スカ。

109 :7-3:02/04/16 23:23 ID:???
<碇>

ほら、やっぱり。
ミサトさんから、修学旅行の沖縄は無しって言われた。
アスカはぎゃあぎゃあ騒いでいたけど、ほんとはアスカも分かっていたと
思う。
俺は、嬉しい事や楽しい事は起こってからでないと、それ自体を信じない。
と言うか、期待していて裏切られるのは嫌だから、初めから期待はしない。
分かっていたけど、分かっているんだけど。
やっぱり、やはり。
「あー! たまには敵の居場所を突き止めて攻めにいったらどうなの!?」
使徒。
敵。
確かに、普段は何処にいるのだろう…?
そして、何でこの街ばかりを襲うのだろう…?
「それができればやってるわよ!」
それはそうだ。
俺達はいつまでエヴァに乗って戦わなくてはならないのだろう。
そして、その後エヴァを降りた後の俺やアスカ…そして綾波に何かが残るの
だろうか。
その前に、死ぬかもしれない。
だから、分からない事は分からないままでいい。

110 :7-4:02/04/16 23:23 ID:???
この頃からだ。
自分の周りの現実が少しづつ変わって…そう、前よりもずっと視野が広がっ
たみたいで。
生きることは変わること。
でも、自分が変わることは少し怖い。
自分が自分でなくなるみたいで。
今でも分からない。
変わる事を望んでいるのか、変わらぬことを望んでいるのかが。

111 :7-5:02/04/16 23:25 ID:???
何で俺はこんな事をやっているのだろう。
ふと、綾波やアスカがプールで泳いでる姿を盗み見しながら思う。
でも、やらなくちゃならないんだ。
他人から馬鹿にされるのは嫌だ。
そして、失望される事はもっと嫌だから。
そう言うことを考えながら、英語、数学、理科のテキストをこなして行く。
ああ…全然頭に入らない。
つい、アスカや綾波の体に視線が向う。
と、端末に影が落ちた。
ふと、見上げるとアスカが端末を覗き込んでいる。
「アンタ、こんな問題もわからないわけ」
そして、鮮やかに端末を操作し、方程式を解く。
だけれども、俺は近くに迫っているアスカの胸元に気を取られてしまう。
どぎまぎしながら「どうしてこの問題は解けるのに…学校のテストは…」
「まだ、日本語に慣れていないの。あの、漢字って奴…全然駄目」
そんなものかな。
アスカは得意げに、問題の解説をまだ続けている。
もう、分かったから良いよ。

112 :7-6:02/04/16 23:26 ID:???
少し意地の悪い考えが浮かんだ。
「この漢字…何て読むんだろ?」
アスカの方に顔を向けると。
ぷい、と横を向き「そんなの分かんないわよ! ファーストにでも聞いたら」
「いや…綾波の邪魔したら悪いし…」
「何…? なら、私の邪魔はしていいわけ? ちょっと、ファースト! こっち
に来てよ」
パチャパチャと泳ぎながら、綾波がプールサイドに近づき水から上がった。
白い水着が白い肌に良く似合っていた。
水を滴らせながら、俺達に近づく。
「何? 何か用」
「こいつに勉強を教えてやって欲しいの。いい、これ何て読むのか分かる?」
国語辞典をぱらぱらと捲り、わざと画数の多い難しい漢字を選んで指で示して
いる。
「えっと…これ」
「鷺(さぎ)。動物界脊索動物門…」
「ああ! 分類はいいから! じゃ…これは」
「禊(みそぎ)。神道においては…」
「だから…説明はいいの! もう、じゃあ…次は科学!」

113 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/17 18:28 ID:XCe0PAos
ラブ綾波&アスカだ!!

114 :7-7:02/04/17 22:09 ID:???
まったく何をやっているんだか。
綾波も律儀に一つ一つ答えている。
馬鹿みたいだ…でも、何だか胸の奥が暖かい。
いつもの作り笑いではなく、自然な笑みが零れる。
いいことばかりじゃないけど…辛い事も多いけど、人と触れ合うのもいいかも
しれない。
最近は心の中で毒づくことも少なくなった。
それに…自分が消えてしまいたいと思うことも少なくなった。
そう、あの頃が一番楽しかったのかもしれない。
時を止めて閉じ込めたいけど…その一瞬の永遠に。

「発生学における有名なテーゼ! 個体発生は?」
「系統発生を繰り返す。もう、いいかしら」
はは…まだ、やってるよ。

115 :7-8:02/04/17 22:10 ID:???
<ゲンドウ>

「…と言う訳であり。現在葛城一尉と赤木博士を現場指揮官とする、使徒捕獲作戦
が進行中です」
「A-17発令の件は承認しよう。だが…」
「そう、懸念材料があまりに多い」
「左様。人類の命運を運任せではね」
このような表層事象でしか、物事を把握出来ない者達は即刻消えろ。
だが、この老人どもの世話は今のところはまだ疎かにする事は適わん。
「ご心配には及びません。浅間上空にはN2搭載のUN軍が待機しております」
「碇。今回の件は全て君に一任しよう。だが…死海文書には無い事象ではあるが」
「予定は覆される為に存在します。それでは、議長…私はこれで」
キール・ロレンツ…不浄なる機械に身を委ねてまで、生に執着するこの男。
だが、私の計画にはこの男の持つ組織力は不可欠だ。
だからこそ、このような茶番にも付き合っている。
しかし…この男による前回の教訓によって、スケジュールに若干の狂いが生じた。
油断はなるまい。
「終わったかね…碇。それで、議長は何と…?」
「今回もNERVに全権が委任されたよ。では、冬月…帰るとするか」
…冬月先生。
貴方にはまだこれから役に立って頂きます。

116 :7-9:02/04/17 22:11 ID:???
<綾波>

「今回の作戦目的は使徒の捕獲よ。ただ、状況によっては流動的に作戦を推移さ
せます」
葛城ニ尉の作戦概要。
…了解。
「私一人で十分! アンタも上でシンジと待機してたらいいのに」
何故弐号機パイロットは、作戦の内容を理解しないのだろう。
「駄目。命令だから」
「命令命令って…! アンタね…人間には自由意志ってモノが…」
私の意志…命令に従う事。
何故…?
司令の為…?
何かが違うような気がした。

117 :7-10:02/04/17 22:12 ID:???
「命令に従う事が私の意志だから」
「ふん! 優等生ですこと…! まぁ、いいわ。実力で目に物を見せてあげるか
ら!」
弐号機パイロット…アスカ。
何がそんなに怖いの?
何を恐れているの?
彼女は碇くんに似ている。

「アスカ。レイ。準備はどう?」
「いつでもどうぞ」
「準備は完了済み」
「二人とも…分かっていると思うけど。アスカは使徒をキャプチャー。レイは不
足の事態への対処。頼むわよ…お二人さん!」
「──発進」

118 :1 :02/04/17 22:14 ID:???
ああ、放置。
何方か、お叱りでもいいからレス下さいませ!
何だか、誰も読んでくれていないような気が…。
がたがたぶるぶる。

119 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/17 22:28 ID:???
だから面白いって。皆読んでるから。好意的なレスが
少ないのはにちゃだからしょうがな。

ともかく貴方にはこのまま突っ切っていってほしいなあ。
大概の人は、細かいツッコミしかしないとおもうけど。

ある程度たまったら、
「優しい世界の問題児」
見たいにまとめてドコゾニうぷしてくれるとうれしいなぁ。

120 :7-11:02/04/18 08:45 ID:???
安全限界深度突破。
使徒の目測及び捕捉作戦続行中。
弐号機のプログレッシブナイフが限界深度を少し下った所で脱落。
でも、私のは無事。
「まったく…ミサトも人使が荒い事。ねえ、アンタは怖くないの?」
「怖い…何が怖いの?」
「だって、ここどろどろの溶岩の中よ。この耐熱服だっていつまで…」
ぴしっ!
弐号機の耐熱服に亀裂発生。
私の耐熱服にも亀裂発生。
「ほら、言わんこっちゃない」
私の替わりは沢山。
弐号機パイロットも碇くんも沢山。
でも。
「あなたは死なせない。私が守るもの」
「えっ…何か言った? ファースト」

121 :7-12:02/04/18 08:45 ID:???
深度1780。
「目標捕獲しました」
弐号機パイロットが使徒をキャプチャーによる捕獲に成功。
「捕獲作業終了。これより浮上します」
そう。

ピィーっ! ピーィっ!
「作戦変更! 使徒殲滅を最優先!」
「待ってました!」
弐号機には武器が何も無いのに。
使徒は電磁キャプチャーの殻を破り、攻撃を仕掛けて来る。
私は、プログレッシブナイフを使徒に向かい振るった。
でも、駄目。
壊れてしまった。

122 :7-13:02/04/18 08:47 ID:???
「くっ…! 何やってるのよ…っ! ちっ…」
使徒は弐号機に攻撃を集中している。
使徒の形状は胎児の形態から、あの形態に移行した。
……個体発生は系統発生を繰り返す。
「弐号機はATフィールドを展開させながら、使徒を一時捕捉。その間に私が攻撃
するわ」
「はぁ…? 武器も無いのにどうやってぇ…?!」
「酸素。予備酸素ブラストを使徒に噴霧」
「……! そっか! アンタ以外にやるじゃない。その作戦乗った!」

使徒殲滅に成功。
彼女も無事。
でも…沈んで行く。

123 :7-14:02/04/18 08:47 ID:???
「アンタも私もまったく付いてないわね。爆発でケーブルがぷっつん…かぁ」
「……」
「──せっかくやったのに。やだな。ここまでなの」

碇くんが迎えに来てくれた。
初号機の身体にケーブルを固定して、その片手に弐号機。そしてもう片方の手には
私の零号機。
「バカ…無理しちゃって」
「…碇くん」

何故…?
碇くんが来てくれる事を分かっていたような気がする。

124 :1:02/04/18 08:50 ID:???
>119
レスありがとう御座います!
あんまり、レスレス言うと五月蝿いのでもう言わないように
します。
…でも、誰かの反応があると嬉しい…。

125 : :02/04/18 12:37 ID:???
まあ、レスが無いと書いていて萎えるのは確か。
「これって、唯の独りよがりでは?」とか、背中に寒いものが走ってしまう。
感想や批評をメールで送るわけじゃなく、
気軽に一行でも、いや「期待してる」や「頑張れ」の一言でも貰えると、
結構やる気が沸いてくるものだ。

俺も期待してるから、最後まで書き上げろ。

126 :7-15:02/04/18 19:20 ID:???
<惣流>

ふー。
戦いの後の温泉は格別ね。
先程の戦いの後の、シンジの言葉を思い返す。
「どうして使徒は酸素に弱かったのかな?」
リツコは苦笑していた。
「あんた馬鹿ぁ…! 個体発生は系統発生を繰り返すよ…!」
「…? そんな事言われてもわかんないよ…」
「太古の地球環境にはそもそも酸素は大気中に存在していなかったのよ。そして、
酸素は我々には必要であっても、それを必要としない生命体には致死的な毒」
「いいのよリツコ…! こんなのにわざわざ説明しなくても」
「今回の使徒は、系統発生を短時間で繰り返していた。あの時点の形態では、酸素
が毒なわけ。時間が経過していたら耐性を獲得していた可能性が高いわね」
「そうなんですか。綾波…凄いや」
…次こそは、この雪辱を晴らしてやる。

127 :7-16:02/04/18 19:21 ID:???
「……知っているんでしょう。私のこともみんな」
「──ま、仕事だからね」
「あの子の事はどうなのよ」
我関せず、湯に浸かっているファーストの方に視線を向ける。
「レイ…。あの子の経歴はちょっち…ね」
「まあ、他人の事はどうだっていいんだけど」
そう…他人の事より、まず自分。
私は一番でなくてはならない。
そうじゃないと…そうじゃないと、私が無くなってしまうから。

ファーストの横顔はほんのりと、朱に染まっている。
ふぅん。
中々、スタイル良いじゃない。
ま、私の方が何倍も良いけど。
今でも…この子の態度や生き方は好きでは無い。
でも…少しだけ、そう、少しだけ見方を変えることにした。

128 :7-17:02/04/18 19:22 ID:???
じゃぶじゃぶと湯をきりながら、ファーストの側へと近寄り宣言する。
「受けたかりは必ず返すから」
「そう」
「そう…よ。絶対にね!」
ファーストに顔を直視されると、何だか座りが悪くなり照れ隠しに「ねえ!
 シャンプー取ってくれる」と隣の露天風呂に居るシンジに声を掛ける。
「う、うん。行くよ」
ピュウ。
「…痛い」
隣から飛んできたシャンプーがファーストの脳天を直撃!
「アンタ! どこ投げてるのよ!」
私もミサトも笑いをかみ殺すのに必死だった。

お人形。
人の形を模して作られたモノ。
人にして人にあらず。
私は違う…そう信じていた過ぎ去り時。

129 :1:02/04/18 19:24 ID:???
>125
全面的に激しく胴衣です!
最後まで頑張りたいと思います。

130 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/18 19:58 ID:???
ここのアスカはヤバイな

131 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/18 20:19 ID:???
>1
俺長編は完結してからガバッと読むタイプなので、
あまり読んでませんが、楽しみにしています。
ガンガレー

132 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/18 22:03 ID:???
応援レスが続くと嵐を呼び寄せちゃう罠

まー、ほどほどにね♪

133 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/19 07:00 ID:???
マグマの中で酸素を噴霧?

134 : :02/04/19 08:20 ID:???
>>133
熱よりも圧力の方が勝って気化しないと見た。
もしかしてハイドレイト化していたりして・・・っていちいち突っ込むのは無し。
本編の熱膨張云々だってかなり怪しい。

135 :8-1:02/04/19 13:42 ID:???
<赤木>

穏やかなる、日常の風景。
それは、終りへと向う私達に与えられたモラトリアム。
洗濯。
通勤。
極めて穏やかな日だった。
…昨日、久しぶりにあの人に求められた。
親子揃って大馬鹿もの…ね。
だって、嬉しかったから。
後になって分かる事を、前もって知る事が出来たならば…人は神に等しくなる。
それが出来たならば。
この直後、使徒にジオフロントへの進入を許す事となる。

136 :8-2:02/04/19 13:44 ID:???
<碇>

掌が汗ばみ、息が少し浅くなる。
電話をかけようと思っただけでも…こんなに。
糞っ。
いいじゃないか…今更、今更あいつに…父さんにどう思われたって。
学校の父兄を交えた面接なんていつもどうり…ミサトさんに頼めばいいのに。
でも、でも父さんに来てもらいたかった…今までの事、褒めて貰いたかった。
俺は馬鹿だ。
「ぁ…ぁの、父さん…。仕事中だと思うんだけど…」
沈黙。
「学校で父兄を交えた進路相談があって…」
沈黙。
「いや、時間があったらでいいんだけど…」
「…全て葛城一尉に一任している。くだらん事で電話するな…」
プッ。
畜生…何で電話、途中で切るんだよ…!
いいじゃないか…一度ぐらい父親らしい事、してくれたって。
…やっぱり、俺なんていらない子なのか…?
父さんは…父さんは…仕事と綾波しかいらないのかもしれない。
でも、変だった。
電話の切れ方が、話の途中で急に切れたみたいだった。
配線事故かもしれない。
そう、考えたら少しだけ気が楽になった。

137 :8-3:02/04/19 13:46 ID:???
<ゲンドウ>

プッ。
シンジからの電話が突然断ち切られた。
同時に、空調や室内灯も全て停止する。
耳元から電話を離し、職員に対し復旧作業と原因の究明を命ずる。
たが、この騒ぎでシンジとの会話を終える事が出来た。
「碇…これはまずいぞ」
「ああ、現在の電力稼動状況はどうなっている…?」
「メイン、サブ、予備全て駄目だな。生き残りは…全てセントラルドグマの維持に
回したよ」
「やはり…今回も議長の差し金かね…碇」
「だろうな。教訓の黙示。あの老人どもが好みそうな手段だ」
これは…些かイレギュラーな事象ですがね。冬月先生。
「ところで…碇。熱いな」
不要な肉体は、魂の足かせにすぎん。
「──ああ」

138 :8-4:02/04/19 13:46 ID:???
<惣流>

「いちいち細かいこと気にすんの、やめたら?」
あーあ。
やっぱり、シンジってつまんない。
あれ…ファザコンって奴。
父親との電話が切れたぐらいで…うだうだと。
…じゃあ、一体私は何なの。
世界の苦悩を一身に背負ったかのようなシンジの態度には、いつもながらに腹が
立つ。

まったくIDカード通すのすら、アンタ満足に出来ないわけ。
でも、私のカードも通らなかった。
三人同時にカードの不調は確立的に有り得ない。
ちっ。
仮にも人類を守る機関NERVの本部なのよ…しっかりしてくれないと困る。

139 :8-5:02/04/19 13:47 ID:???
全てのドアが開かず、非常灯すら付いていない。
「何で開かないのよ!」
「そんな事、知らないよ…!」
カチッ。
ファーストが緊急時のマニュアルをプラスティックケースから取り出し、読んで
いた。
私とした事が…!
馬鹿シンジと付き合っていると、こっちまで馬鹿になる。

「何してるの?」
「あんた、馬鹿ぁ!」
まったく、本当にコイツがエヴァのパイロットか疑わしくなってしまう。

140 :1:02/04/19 13:50 ID:???
>131
サンクス!

>133、134
そこまで…考(以下略)
酸素と言えば¨酸なのに何故酸素?¨を思い出してしまう。

141 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/19 13:52 ID:z.C01U6s
新世紀エぶぇっ・・・し、舌噛んだっ!

第壱話  使徒、 シュウマイ
第弐話  見知らぬ、天 丼
第参話  鳴らない、オナラ
第四話  飴、舐めだした後
第五話  ゲイ、心の向こうに
第六話  斡旋、第三新東京市
第七話  糸で作る着物
第八話  アスカ、ナイチチ
第九話  全巻、コロっと買っちゃって
第拾話  マッハライダー
第拾壱話  精子みた( ピー)の中で
第拾弐話  戸籍の価値は
第拾参話  ロト、侵入
第拾四話  ゼーレ、やましいのだ
第拾五話  糞と沈黙
第拾六話  痔に至る病、そして
第拾七話  四人目の欠席者
第拾八話  イノキの洗濯を
第拾九話  漢の股かい
第弐拾話  男のワタシ、人のカタチ
第弐拾壱話  エルフ、頑丈
第弐拾弐話  責めて、インゲンらしく
第弐拾参話  ジャミラ
第弐拾四話  背後の死者
第弐拾五話  Hair
第弐拾六話  はごろもをギブミー

142 :舌噛みエヴァンゲリオン 1:02/04/19 13:53 ID:???
第壱話 使徒、シュウマイ


「2ヶ月ぶりだな」
「ああ。シュウマイだ」


続く

143 :舌噛みエヴァンゲリオン 2:02/04/19 13:54 ID:???
第弐話 見知らぬ、天丼


「父さんはシュウマイのことばかりで、僕のことはどうでもいいみたいだった・・・」
「シンジ君・・・」
「やっぱり僕はいらない子なんだ・・・」
「・・・あまり思いつめないで。・・・これ、食べておいてね・・・」

「知らない天丼だ・・・」


続く

144 :舌噛みエヴァンゲリオン 3:02/04/19 13:56 ID:???
第参話 鳴らない、オナラ


「シンジ君、オナラが出ないのよ」
「・・・ヤマアラシのジレンマって知ってる?ストレスが溜まるとオナラが出なくなるのよ」
「嘘つけ」
「・・・ごめんなさい」


続く

145 :舌噛みエヴァンゲリオン 4:02/04/19 13:57 ID:???
第四話 飴、舐めだした後


「美味しいな・・・これ・・・」


続く

146 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/19 15:38 ID:???
>>140
酸と関係ないのに何故酸素?でしょ。

147 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/19 22:40 ID:BK8RqrB.
1さんへ。

快調ですね。たとえオナニとよばれても、このまま突き進んでいってもらいたいなぁ。

自慰も極めれば芸となる。いや成せ。

148 :8-6:02/04/19 23:22 ID:???
<綾波>

非常事態における行動規定、第1項23−17の甲及び乙。
発令所との連絡が不可能な場合、エヴァ専属パイロット及び発令所スタッフは事
態を把握するため、自ら出頭の事。
「何でアンタはいつもそう、くだらない事でうだうだ悩んでるのよ!」
それは…違う。
くだらなく無いから。
「そんなこと…! アスカが何も考えていないだけだよ!」
それも…違う。
彼女はいつも考えているから。

149 :8-7:02/04/19 23:23 ID:???
何かを感じた。
「だまって」
「何よ、優等生!」
「聞こえるわ」
「何が聞こえるのよ!」
私達の敵、司令の敵。
「…来たわ」
「綾波、何も聞こえないけど…」
「アンタ耳おかしいんじゃない…? 何も聞こえないわよ。それに何が来たっていうの」
そう。
私にしか聞こえないし…感じないの。
「使徒」
碇くんも、弐号機パイロット…アスカも私を見ている。
でも、本当。
来たの。
「使徒」
もう一度言った。

150 :8-8:02/04/19 23:24 ID:???
<葛城>

最悪の状況だ…。
あいつ…加持くんとエレベータ内に閉じ込められてしまった。
このような時は、いつも嫌な考えしか浮かばない。
私が彼に…投影したモノ。
とてもおぞましく、とてもけがわらしい。
こんな不潔な自分を許容してしまう、自分が更に嫌だ。
「あんた…二人っきりだからって変な事しないでよ!」
「へいへい。俺もTPOは弁える人間なんでね」
嘘だ。
こいつがTPOを弁えた事など…ただの一度も無い。
それにしても…停電だなんて。
メイン、サブ、予備とある電気系統が一斉に故障するなんて事…あるはずもない。
こりゃぁ、司令やリツコ辺りにこってり絞られる事になりそうだ。
何とか…脱出の算段をしないと。
それに…二人きりだとまた、楽な方へと逃げてしまうかもしれないから。
そう、早く出ないと。

151 :8-9:02/04/19 23:25 ID:???
<碇>

「いくら近いってたって、これじゃカッコ悪すぎるわ」
綾波が示した、発令所への一番の近道。
排気ダストの中か。
俺の前を行くアスカのスカートの中へと視線を走らせてしまう。
…こんな時なのに。
俺がこんなにも汚い人間だとアスカや綾波に知られたら、絶対に嫌われてしまう
だろう。
それは絶対に嫌だ。
だから、出来るだけ見ないようにする。
ふと、いつも考えている事が口から零れ出る。
「使徒って何なのかな?」
「あんた、馬鹿ぁ!」
やっぱり、また馬鹿って言われた。
でも、おかしいものをおかしいと思わないほうが馬鹿だと思う。

ガンっ!
アスカが蹴り開けた非常扉の向こうに、クモみたいな形をしたモノ…使徒が居た。
「ひっ…!」
アスカは慌てた事を俺達に悟られないように「使徒を肉眼で確認!」とか言って
いた。
アスカの行動がばればれなように、俺の考えている事もばればれなのかな…?
と、そんな事を考えながら。

152 :8-10:02/04/19 23:26 ID:???
綾波は暗闇でも物が見えるかのように、先頭に立って発令所へと向っている。
「綾波は…暗いところでも目が見えるの?」
「位置…分かっているから」
「さすがは優等生!」
アスカが綾波の横に並び、挑発的に話し掛けている。
多分…綾波にイニシアチブを取られた事が悔しいんだろう。
本当…ばればれだ。
「アンタ碇司令のお気に入りなんですってね。やっぱ可愛がられている優等生は
違うわね」
綾波は何も言わず、暗闇へと進んで行った。
「…ちょっと! アンタ…なめないでよっ!」
綾波の腕を掴み、前に立ちふさがる…アスカ。
何なんだよ…もう。
争い事は嫌なんだ…止めてくれよ。
「…やめなよアスカ。喧嘩は良くないよ…」
「アンタは黙ってて!」
突然。
「なめてなんかいないわ。それにヒイキもされていないわ。自分で分かるもの」
「ふん。どうだか…」
でも、俺も綾波は父さんにヒイキされているような気がする。
…綾波にまで、嫉妬するのは止めよう。

153 :1 :02/04/19 23:28 ID:???
>146
あれって結局、何だったのでしょうね?

>147
おなにを極めて、ゲイにしたいです、はい。

154 :8-11:02/04/20 02:33 ID:???
<赤木>

あの子達が発令所へと自力で辿り付いた。
…使徒来襲という、凶報を携えて。
「貴方達。どうして…それを?」
相変わらず、あの人の息子…シンジくんは会話の時、人と目を合わせようとし
ない。
あの人もそう。
いつも、眼鏡というフィルター越しでしか私を見てくれない。
他人が怖いから…力で他者を圧迫し、屈服させる。
幼児じみた全能感を失いたくないから。
駄目だ…この子達の報告に集中しないと。
「…というわけで、ここへ向う途中に綾波が使徒が来たって言うので、非常扉
を開けると…」
「そこに使徒が居たってわけ。ほんと…ファーストって怖い子よね」
「その事については、後で考える事として、使徒の迎撃が優先ね」
…レイが使徒を感じる事が出来るのは、当然かもしれない。
あの人もそれは分かっているはずだ。
「司令。ご命令をどうぞ」

155 :8-12:02/04/20 02:34 ID:???
<冬月>

「エヴァを人力始動させる。現場指揮は私が取ろう」
おや、息子の前ではいい格好をしたいのかね。
或いは、ユイくんの前では…か。
「しかし、使徒は既にエヴァ射出口からこのジオフロントに進入していると報告
があった。間に合うかね」
いざとなれば、ダミーか或いは…。
「本部のショックアブソーバーは理論的には、N2の直撃にも耐えられる設計だ。
時間はまだ残されている」
「だが、幾ばくの時間稼ぎは必要だ。どうする…碇」
「…保安部員に通達。最大重武装で使徒の攻撃外から援護攻撃。尚、エヴァンゲ
リオン出撃をもってその任を解く事とする」
…他人の命も所詮この男にとっては、その程度の物か。
「それでは…人死が出るが……構わんのかね?」
「ああ、構わん。時間がない…それでは後を頼みます」
俺も…他人を指弾する権利は無いがね。

156 :8-13:02/04/20 02:35 ID:???
<惣流>

「お願い! まず、オフェンスに私を出して…!」
エヴァの準備は整いつつある。
あの、シンジの父親…碇司令までもが汗を流して働いている。
なんだか変な感じ。
エヴァの準備に時間と手間がかかる今回こそ、私一人で戦い、私の力を知らしめ
る絶好のチャンス。
逃すわけには行かない。
「ねぇ…リツコ! どうせ、同時に三体を同時展開させる事が出来ないんだから、
準備が出来たエヴァから順に出撃でいいでしょ!」
この、リアリスト女はそんなに嫌いではないが…逆に難しくもある。
「…仕方ないわね。発進準備が整い次第、各個に出撃してもらうわ」
やった!
弐号機の発進準備は既に整っている。
ジオフロント内での初戦闘。
私だけの舞台だ。

157 :8-14:02/04/20 02:36 ID:???
出撃直後に攻撃を受けないように、ジオフロント内の人造湖にエヴァ弐号機が射
出された。
湖の底から、上を見上げるとゆらゆらと光が揺らいでいる。
使徒はここからでは、何処に居るのか確認が出来ない。
「アスカ。現在、NERV本部は使徒による断続的な攻撃に曝されています。早急に
使徒の殲滅…お願い」
「私に任せて! いいこと、ファーストそしてシンジ! 私の戦いぶりを指を加
えて見ていることね」
バッシャーン。
湖から勢いを付けて飛び出る。
さっきの奴が…いた!
三角錐の形をした、NERV本部に向ってしきりに液体のような物を吹きかけている。
その液体を浴びるたびに、建物の外部装甲から煙が上がっていた。
ははぁーん。
溶解液ってわけね。
使徒に気づかれる前に、先手あるのみ。
「これでも…喰らぇぇ!」
両手に持つ、バレットライフルとクレイバズーカを弾が尽きるまで乱射。
かちかちかち。
弾が切れたと思った瞬間。
来た!
だけれども、甘い甘い。
そんな、攻撃がこのアスカさまに通用するとでも…!

158 :8-15:02/04/20 02:36 ID:???
いや、違う。
使徒の溶解液は空中で霧に変わって降り注ぐ。
銃が、エヴァの装甲が溶けていく。
体をひりつかせるような痛みが、私を襲った。
「くぅ…! アンタなんかに負けてらんないのよ!」
まだ、バックパックのスマッシュホークが無事だ。
「アスカ。エヴァの装甲でも後…5分がいい所ね。どう…まだいける?」
「当然よ。エヴァ弐号機突貫します…!」
溶解液の霧が降り注ぐ中、全速力で使徒に駆け寄って…。
「おりゃぁぁ!」
ブッン。
「喰らえぇぇ!」
プッ。
クモの足を切るが如く、使徒の足を全部切断してやった。
止めね。
「これで…ラストぉぉ!」
もう何も出来ない使徒に対し、真直ぐスマッシュホークを振り下ろす。

159 :8-16:02/04/20 02:37 ID:???
「ご苦労様アスカ。先程の戦闘でのシンクロ率。またも大台突破ね」
「当然よリツコ」
漸く、自分一人の力で使徒を倒した。
心地よい虚脱感と安堵が全身を包む。
…良かった。上手く行って…。
内心は怖かった。
失敗する事…自分のよって立つ根拠が崩れる事が。
「ま、これでかりは返したわよ。ファースト」
「……」
私は知らなかった。
勝利による賞賛は…麻薬のように、私を捕らえ蝕んで行く事を。
その時は、まだ。

160 :8-17:02/04/20 02:38 ID:???
<碇>

街の灯火が消えている。
いつか見た風景。
あれは…綾波と一緒に戦った時。
今は傍らに綾波の他にアスカもいる。
俺はいいんだ。
別にエヴァに乗ってさえいれば、勝たなくとも…目立たなくとも。
アスカが一番がいいんなら、それはそれで構わない。
穏やかに波風なく過ごして行きたい。
風がそよぎ心地よく全身を嬲ってゆく。
星も綺麗だ。
俺が呟いた何気ない言葉にアスカは「でも、明かりがないと人が住ん
でる感じがしないわ」と応じる。
その言葉を合図とするかのように、一斉に街の明かりが灯った。
暖かい光…ヒトの温もりを感じさせるような。

161 :8-18:02/04/20 02:38 ID:???
「人は闇を恐れ、火を使い闇を削って生きてきたわ」
「てっがくぅ」
そうかもしれない。
昔はヒトの周りは敵だらけだったのだろう。
だからお互いに寄り添って…火を使い世界を切り開いていった…。
でも、お互いの温もりを求めて寄り添いながらも他人を傷つけずには
生きて行けないヒト。
だから…。
「だから人間って特別な生き物なのかな? だから使徒は攻めて来るのかな?」
「あんた馬鹿? そんなのわかるわけないじゃん」

その街の明かりの元で営まれる日常がいとおしかった。
もう一度…会いたかった。
でも……。 

162 :1:02/04/20 02:40 ID:???
何だか、はじめの頃より文量がインフレして来ました…。
こういう傾向は他のSS書きの方々にもあるのかなぁ。

163 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/20 11:20 ID:BuODvw9Q
良くあること。インフレもあるがデフレのパターンも良くある。
身近なところでは、熱血シンジのSSスレを読んで自分を慰めるが良し(インフレ過ぎ)

164 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/20 12:03 ID:???
BF団モナー

165 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/20 20:01 ID:lDepx8B6
>>1
うん。おもしろいよ。
漏れらが言えるツッコミなんて、作者が読み返したら
わかるもんばっかだから。全面肯定でいきます。

んで完結してもらえたら砕鉱です。

166 :9-1:02/04/20 22:19 ID:???
<葛城>

始末書。
各種諸官庁への報告書。
関係者への詫び文。
etc……。
ああ、もう。
勘弁して…ぇ!

それにしても…。
デスク上には乱雑に散ばった各種書類の山の上に、新聞記事が乗っている。
鍵がかかっていた私の執務室に何者かが忍び込んで、置いていった置き土産。
ご丁寧に、マーキングまでしてある。

──国家公安委員長謎の自死──

──旧東京市の放置区画を巡る、収賄疑惑で副首相辞任を表明──

167 :9-2:02/04/20 22:20 ID:???
これらの死んだり、失脚したお偉いさんの面々は日本政府の対NERV強硬派の
主要人物達だった。
その面々が失脚して一番得をするのは誰か…?
碇司令。
良かった…出張中で。
こんな時、どんな顔をして会えば良いのかわからないから。
当然、この記事を私に読ませようとした人物は日本政府の息がかかった人間
だろう。
NERVがこういう組織である事を私に告げたいわけだ。
でも、本当にそれだけ?

168 :9-3:02/04/20 22:21 ID:???
無意識に十字架を握り締めながら、15年前に受けた腹部の傷を服の上からな
ぞっている。
不安になると行ういつもの癖。
トントン。
私の返事を待たず、開閉音と共に「よっ、葛城。どうだい…? NERVの全権
を握った感想は」
やはりあいつ…加持くんだった。
加持くんに対する感情はとても一言では言い表せない。
依存と…嫌悪と…好きという感情の相克。
「最悪。早く司令に帰ってきて貰いたいわよ」
「責任者は辛いよってかい。まぁ、葛城…君なら出来るさ」
「どうだか。私自身ちょっち不安よ。所で、何の用なの」
いつまで、彼を突き放すスタンスを取り続ける事が出来るか、自分でも確証
が無い。
「ああ、悪い。この書類を届けてくれってリッちゃんに頼まれたんでね」
書類を私のデスクに投げ出し、部屋を出かけた加持くんの背中に向って声を
かけた。
「ところで司令と副指令何処行ったの?」
驚いたように振り向き、口の片端を吊り上げる偽悪者風の笑みを浮かながら
告げる。
「セカンドインパクトが起こりし死の大陸。南極に」

169 :9-4:02/04/20 22:22 ID:???
…何故、セカンドインパクトが起こったのかは今も分からない。
あの頃私は14…シンジくん達と同じ年齢だった。
普段はけっして開く事の無い、記憶の箱が開かれて行く。
父の事は嫌いだった。
仕事にかこつけ家庭を顧みない男。
でも、セカンドインパクト直後の旧東京への新型爆弾の投下によって亡くなっ
た母に同情していたわけでも無い。
…ただ、私を…私を女として見てくれない父が…憎くて…愛しくて……。
父が南極調査隊のリーダーとして、何ヶ月もの間家を留守にすると聞いた時、
私の意志は既に決まっていた。
家でいつも泣いてばかりいる母が疎ましく…そんな母から父を奪ってやる為に、
私も父と共に、南極へと赴いた。
ごめんね…母さん。
典型的かつ類型的なエレクトラコンプレックス。
でも、私はまだ…。
だから、加持くんからも離れたのだが。

170 :9-5:02/04/20 22:23 ID:???
けれども、あの災厄から私を救ってくれたのは父。
普段は私に見向きもしてくれなかった父が…私を助けてくれた。
腹部からじくじくと滲み出る血の温かみ…痛み。
天を突く光の柱。
忘れられない…忘れられるわけが無い。
それが今、私が此処にいる理由の全て。
…結局は父の呪縛から逃れる事が出来ない。
だから…このように加持くんに唇を重ねられていても抵抗出来ない……。
父さん。

171 :1:02/04/20 22:27 ID:???
>163
初めてそのスレの存在を知りました。
熱血シンジ…もっともエヴァを必要としなさそう
な感じですね。(作品として)

>165
そう言っていただけると、頭が上がりませんです。
完結出来るよう、頑張りたいです。

172 :9-6:02/04/21 21:54 ID:???
<ゲンドウ>

槍の回収作業を終え、帰路に着く。
「…まるで地獄だな」
煉獄の火で浄化されし、この大陸は限りなく清い。
それ故、生命の存在は完全に否定されていようとも。
「だが、原罪のけがれなき浄化された世界だ」
「俺は罪にまみれても、ヒトが生きる世界を望むよ」
相変わらず潔癖な。
だが自分自身の穢れには気づかないようで…。
「ところで碇。この前の停電の後始末…終わったのかね」
「ああ。この期を利用し政府内の不要な人物の掃除も終わったよ…」
「だが日本政府…いや、老人達がこのまま黙っているのか」
「心配ない。ゼーレの息がかかった人間には手を下してはいない」
まだ、委員会はエヴァシリーズを使っての、使徒殲滅を最優先課題としている。
その間は…何も心配は無い。
その間は。
だが、老人達…キール議長の干渉の矛先は間違えなく、NERVそして私に向いて
いる。
「生贄が必要になるやもな…」

173 :9-7:02/04/21 22:03 ID:???
<碇>

「シンジくん。良くやったわ」
「何がですか?」
ハーモニクステストで前回よりシンクロ率が8上がった事を、リツコさんに褒め
られた。
褒められたけれど、別に嬉しくもない。
そりゃあ…いい結果を出して褒められるのは嬉しいけど。
でも、ヒトを…アスカを怒らせてまで褒められたくもない。
「でも、私より50も少ないじゃん」
「あら、10日で8よ。大したものだわ」
「大したことないわよっ!!」
別にいいじゃないか…。
今でもアスカが一番で何だから。
そんなに、俺や綾波が自分に近づく事すらも嫌なのか…?
どうしてそんなに自分が一番偉くて、凄いって思うんだ?
でも、アスカをこれ以上怒らせるのが嫌で…いつもの愛想笑い。
これしか俺には出来ないんだ…仕方が無いんだ。
「先に帰るわ! 馬鹿!!」

174 :9-8:02/04/21 22:04 ID:???
その時はわからなかった。
でも、今なら分かるような気がする。
アスカは自分が偉いとも凄いとも思っていたわけでは無い事を。
逆に自分に自信が無かったから…そのより所を奪われるのが怖くて…。
彼女が彼女である為の、証を守りたい一心で…。
それだけだったんだ。
俺はエヴァに乗って、それにより他人と関わっていく事が。
アスカはエヴァに乗り、他人に認められる事が…たった一つの存在意義。

ミサトさんも何だか、不機嫌そうだった。
俺には関係ない。
でも、他人の顔色を窺って気を使ってしまう。
怖いんだ…他者の言動が…行動が全て。
だから。
「さっきの気になる?」
「ハイ」
「そうやって人の顔色ばかり気にしてるからよ」
だったらどうすれば良かったんだよ!
糞っ。

175 :9-9:02/04/21 22:06 ID:???
「葛城三佐! このたびのご昇進おめでとう御座います!」
軍事マニアのケンスケはやけに楽しそうだ。
どうでもいいよ…そんな事。
今日のアスカとミサトさんに言われた事が、まだこたえている。
みんな何だかやで楽しそうだ。
「何でわざわざ大騒ぎしなきゃならないんだろう」
呟きは、周囲の喧騒に飲み込まれ消えていった。
ヒトが集って楽しそうにする事。
何故集まるんだろう。
何がそんなに楽しいのだろう。
分からない。
周りの明るさに反比例するが如く、俺は自分の中へと沈んで行く。
「よっ、葛城。お邪魔するよ」
「それじゃ、お邪魔するわミサト」
加持さんとリツコさんもやって来た。
途中、話しが父さんと冬月さんが留守にしていると言う話しになったので
「父さん、ここにいないんですか?」と聞いてみた。
「碇司令は今、南極に行っているわ」
…南極。
学校でしつこいほどに教えられている、西暦2000年の悲劇。
新型爆弾投下。バレンタイン休戦条約。
そんな、受験用語が頭に浮かぶ。
逆に言えば、それぐらいしか思い浮かばない。

後になって初めて、その頃がどれだけ輝かしい日々だったかを知る事が出来る。
それがどれだけかけがえの無く、そしてもう一度帰れるなら帰りたい日々であ
るかを。
でも、過ぎた時…掌から零れ落ちて行った時は帰らない。
残るのは、その鈍痛を伴う記憶だけ。

176 :9-10:02/04/22 18:53 ID:???
<葛城>

よりにもよって司令も副指令も留守の時に使徒来襲…ね。
でも、その為の司令代行であり…だから私はここに今立っている。
正面に映るモニタを見遣りながら、深く息を吸い覚悟を決める。
「これが第一波。そして、これが第二波……」
リツコが淡々と状況を説明している。
「徐々に誤差修正を繰り返しているわね」
「そして、衛星からの最後の映像がこれ」
やはり…N2爆雷では傷一つ付ける事が出来なかった。
「衛星はこの直後に信号をロスト。直前の信号では何らかの重力波のような
もので…」
「…来るわね、多分」
「次はここに、本体ごとね」
昔から、嫌な予測ほど良く当る。
「で、MAGIの御宣託は?」
「全会一致で撤退勧告…」
さて、ミサト。
アナタ一人で決断するときよ…。
どうする…どうする。
何故だか父さんの顔が脳裏を過った。
そして。
「日本政府各省に通達。ネルフ権限における特別宣言D-17を発令します」

177 :9-11:02/04/22 18:54 ID:???
「どうだった…リツコ」
疲れたように白衣に両手を突っ込みながら、首を振る。
「…残念。特別宣言D-17は国連憲章の国家の主権の尊重及び、市民の強制徴発
禁止に抵触するというのが、政府の見解みたい」
「何を今更!? ああ…もう!」
「先程の意趣返し…というわけかしら」
ヒトの命を政争の道具に使うなんて…あのヒヒ爺どもが…!
「私としては、MAGIの一時退去を支持するわね」
「…あの子達を緊急に招集して。それと、レイに話しがあるわ」
そう、あいつ等…使徒から逃げるわけにはいかない。
「…! あなたの勝手な判断でエヴァを3体とも捨てる気?」
「言い争っている時間はないわ。全市民はシャルターに退避。後、整備班にポ
ジトロンライフルの用意…お願い」
「葛城三佐!」
「エヴァとあの子達に掛けます。それに、現責任者は私です。やることはやっ
ときたいの。使徒殲滅は私の仕事です」
「仕事? 笑わせるわね。自分の為でしょ。あなたの使徒への復讐は」
違う…とは、言い切れなかった。

178 :9-12:02/04/22 18:54 ID:???
<惣流>

「…と、言う訳。MAGIが予測した落着地点の現場での微修正と、ポジトロンラ
イフルによるオフェンスはレイ。シンジくんとアスカはレイのバックアップね」
…まあ、いいわ。
それにしてもあの子、使徒の存在を感じる事が出来るなんて…気持ち悪い。
リツコは使徒とヒトの遺伝子レベルでの一致点と、そのシンパシー理論だかを説
明していたけど、そんなの納得出来ない。
やっぱりファーストは少し変なのよ。

ミサトに「で、成功の確率はあるの?」と聞いてやった。
答えは予想していた通り。
「…MAGIの予測では成功確率は0,000000089%…ね。ああ、でもあの機械オーナ
インシステムって言われるぐらい当てになんないから」
私はまだ死ぬつもりは無い。
だから、疑問点を全てミサトにぶつけた。
ふう、聞かなければ良かった。
「これでうまくいったら、まさに奇跡ね」
「奇跡ってのは起こしてこそ初めて価値がでるものよ」ときたもんだ。

「それに…政府にD-17の発令を邪魔されちゃってね。街のみんなの避難誘導に
失敗しちゃって…ちょっちまずいのよ」
「つまり、なんとかして見せろってこと?」
いいわよやってやろうじゃん。
作戦は困難なほど…燃えるわ!

179 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/22 19:49 ID:???
>>141-145
続きは?
結構楽しみにしてます。

180 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/22 21:40 ID:XTNSdds6
>>1
頑張ってや。一読者より。

181 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/22 23:52 ID:???
今時、列車でも電車でもなく汽車と表現する1は北海道民臭いのですが。

182 :9-12:02/04/23 08:26 ID:???
<碇>

何だか今回は駄目なような気がする。
でも、それならそれでいいや。
何故だか…全てを受け入れられるような気がする。
「一応規則だと、遺書をかくことになってるけどどうする?」
「別にいいわ。そんなつもりないわよ」
「私もいい。必要ないもの」
俺には遺書を残したいと思う人がいない。
アイツもどうせ…俺の事なんかどうだって。
だから「僕もいいです」と。

「済まないわね。終わったらみんなにステーキおごるからね」
はは…ステーキね。
「うわぁーい」
我ながら力が篭っていない感じだ。
アスカも調子を合わせて、グルメ雑誌なんかを取り出していた。
ふぅん。
アスカでも一応は協調性と言う言葉を知っていたんだ。
この前のわだかまりを感じさせない口調で「アンタも今度は一緒に来るのよ」と
アスカが綾波に誘っている。
何だ。
気にしていたのは俺だけか。
「私行かない。肉キライだもの」
…綾波にも協調性を学んで欲しい。

183 :9-13:02/04/23 08:27 ID:???
<綾波>

もう、そこまで。
彼を感じる。
…私達に似ている存在。
沢山いるのに一人ぼっちだから。
「アスカは何故、エヴァに乗ってるの?」
「決まっているじゃない。自分の才能を世に知らしめるためよ」
彼女も似ている。
「──あの子には聞かないの?」
「綾波には、前聞いたんだ」
絆…。
でも、何故?
何故、私は絆が欲しいのだろう。
沢山いるのに一人ぼっちだから?
「シンジはどうなのよ」
「…わからない」
碇くんはお父さんに褒められたいから?
絆?
自分の存在を知らしめたい?
どれも違うようで、どれもそうかもしれない。

184 :9-14:02/04/23 08:29 ID:???
「もう少し…右。あ、北東の方角に」
赤木博士とMAGIが私の示す方向に従い、落着地点の微修正を繰り返している。
私の零号機はポジトロンスナイパーライフルを装備して、待機。
初号機と弐号機がディフェンスにまわっている。
来た。
「MAGIによる算出の結果が出たわ。データ転送行くわよ…レイ。東経※度※分※秒…」
私の正面のモニタに地軸の傾きや地磁気などのファクターを勘案し、敵の大気圏突入角度
の予測地点に合わせて照準が合わされた。
彼らも一人は嫌だから、此処へと来るのかもしれない。
赤木博士が「高度1000mを絶対防衛ラインとします。レイは射程に入り次第、自己判断で
射撃。ディフェンスの二人は、使徒の攻撃から零号機を守ってもらうわ」
「使徒大気圏突入! 9000、8000、7000……」
突然全身に激しい圧迫感が来た。
周辺の建物が押しつぶされて行く。
エヴァが地面に少しづつ飲み込まれて行く。
「くっ…重力波ね! ATフィールド全開!」
「ミ、ミサトさん…! うぅ…フィールド展開…」
胸が…苦しい。
「6000、5000、4000……使徒射程範囲内に到達」
「これより、攻撃を開始します」
ごめんなさい。
照準を合わせて撃つ。

185 :1:02/04/23 08:31 ID:???
>180
どうもです。

>181
田舎者ですが何か?
って、汽車って死語ですか…。

186 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/23 09:03 ID:???
漏れも汽車って言う。心配すんな(ワラ

187 :9-15:02/04/23 20:58 ID:???
<碇>

「話は聞いた。よくやったな、レイ」
「はい」
やっぱり綾波は普段では絶対みせない表情をして…とても、嬉しそうだった。
俺だって…アスカだって頑張ったのに。
「…それから、初号機パイロット及び弐号機パイロットもよくやってくれた」
「エヴァの搭乗員として、ベストを尽くしました」
「え? あ、はい」
綾波のついでにでも、それでも。
父さんからのこの言葉が欲しかった。
これで、また頑張って行ける。

父からの承認…優しい言葉。
それから…愛情。
嘘かもしれないけど、裏切られるかもしれないけど、この時はただ嬉しかった。
でも、それじゃ駄目だったんだ。
他者の意思に左右されるモノは本当のモノではない。
どんなモノであれ自分で選び取ったモノじゃないと、それは…違う。

その日ミサトさんからご馳走になったラーメンの味。
嬉しかった記憶。
アスカや綾波が俺の傍らに居た事。
忘れない…ずっと。

188 :10-1:02/04/23 20:59 ID:???
<ゲンドウ>

先日の本部への使徒侵入を受けての、特別招集会議。
ようするに、老人達が自身の不安をなだめる為の欺瞞だ。
かちかちと音を立てるプロジェクターの光が、闇を貫いている。
今までの使徒の映像が流れ続ける中、査問は続く。
「碇。君は私の良き理解者であり、友人でもあった。だが、あまりに死海文書から
の逸脱が多すぎる」
「ご心配には及びません。結果は予想どうり。修正は容易です」
「だが…第9使徒によるジオフロントへの進行を許し、あまつさえ昨日は本部への侵
入すら許したと聞くが?」
「左様。幸い殲滅出来たから良い物を…アダムとの接触は我々人類の死と同義なの
だよ」
それは欺瞞でしょう。
人類は新しい未来へと進まなくてはならない。
だが…未来の無い老人達に何故その未来へと到る扉が開かれようか。
私が楽園への鍵を預かっているのだから。
「…それは誤報です。使徒の本部への侵入の事実はありません」
「それが事実であれば良かったのだがね」
「……」
「タイムスケジュールは死海文書の記述どおり進んでおります」
最早、輪廻を綴った予言書には価値は無い。
何故なら…こんどこそ輪廻の輪は断ち切られるのだから。
人類はその歴史のメビウスを断ち切り…新たなる世紀へと。
そして…神へと到る。

189 :10-2:02/04/23 21:00 ID:???
「君が新たなるシナリオを作る必要はない」
「分かっております。全てはゼーレのシナリオどおりに」
老人達はいつも願ってきた。
原罪からの究極的な解放を。
だが、原罪はヒトの原初の勝利でもある。
知恵の実を得たヒト。
命の実を得た使徒。
生命の樹へと至り、命の実をヒトの手に。
その時が、新しい契約の日となるであろう。

「…死海文書は既に用済みだ。議長もそれに気づいている事だろう。だが、槍も
アダムすらも我らの手にある」
「だがな…碇。議長は果たして死海文書の全文を公開していたのかね」
「……」
「議長が未だに死海文書に固執している事。そして、槍の確保を妨害しなかった事。
これ等は、俺達が知らない死海文書の…いわば¨異聞¨に当るものが存在すると考え
たほうが妥当だと思うがね?」
今度は文献考古学者にでも転職しますか…? 冬月先生。
「問題ない。既に老人達の時代は終焉し、新たなる時代の扉は開かれた」
「その為にはまず、残る使徒の殲滅が最優先だな」
「ああ。そして、その時があらたなる福音のときとなる」

190 :1:02/04/23 21:02 ID:???
おやじの薀蓄ばかりすまそ。
ちなみに、凭れ掛る=よしかかる。
     交換する=ばくる。
田舎の方便です。

>186
サンクス!

191 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/23 21:15 ID:/KmHabqc
>121
その解釈は何か違うよ。

192 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/23 21:45 ID:???
121>弐号機には武器が何も無いのに。
121>使徒は電磁キャプチャーの殻を破り、攻撃を仕掛けて来る。
121>私は、プログレッシブナイフを使徒に向かい振るった。
1行目と2行目のつながりに、違和感を感じるとか、
1行目の「武器が無い」のに3行目の「プログナイフ」は矛盾するとか問題はあるな。
しかし、自分で突っ込んでおいて申し訳ないが、「細かい事を気にするな191!」
誰も推敲に推敲を重ねた素晴らしい文章を期待している訳じゃなく、
1の提供する物語自体を楽しんでいるわけだ。
1も自分の文章を細かくチェックするよりも、更新速度を優先して書いているはずだ。
突っ込むならば「交換する=ばくる」やっぱり北海道?と突っ込め・・・嘘だけど。

193 ::02/04/23 22:14 ID:???
>192
フォロテンクス!と言いたいのですが…そこは一応
綾波の視点です。
ナイフ振るったのは、零号機です。

ちなみに181は予言者。
神。
 

194 :10-3:02/04/23 22:21 ID:???
<赤木>

第87回機体運動試験及び第一回機体相互互換試験を行っている。
だけど、本当の目的は第一回機体相互互換試験…ダミープラグの為の試行。
アスカの機体運動試験は取るに足らない、目くらましに過ぎない。
先日の使徒による本部への侵攻…母さんへの浸潤を思う。

その時も丁度今と同じように、ダミープラグの為の基礎データの収集を行っていた。
直前のMAGI定期検査では何ら以上を認めず。
…母さんは変わらず、時と共に私だけが変わり行く。
だが、変わらないものも又。
「気分はどう?」
「何か、違うわ」
「いつもと違う気がする」
「感覚がおかしいのよ。右腕だけはっきりして、あとはボヤけた感じ」
ある程度の齟齬は初期の段階ではどうしようもない。
だけれど、今回は…。
「どうしたんですか、先輩?」
少々放心していたようだ。
「何でもないわ。それにしても、いい数値ね。これで、あの計画を実行できるわね」
「ダミーシステムですか。先輩の前ですけど、私はあまり……」
倫理観などは所詮、一つの実体の無い観念に過ぎない。
私は…馬鹿だから、あの人の為ならばどんな事をも厭わない。

195 :10-4:02/04/23 22:21 ID:???
だから…母さんも女を捨てなかったのでしょう。最後まで。
先日のハーモニクステストの最中、それは突然始まった。
「シグマAユニットに汚染警報発令!」
後は、破局の指数関数。
レーザー、オゾンによる滅却。
I/Oシステムのダウン。
これらは何ら効果を及ぼさなかった。
結局メルキオールとバルタザール…科学者として、母としての母さんは使徒による
ハッキングを許してしまう。
自律自爆提訴。
最後の砦。
女としての母さんである、カスパーからの逆ハックによる自滅促進。
あのヒトはこう言ってたっけ。
「進化の終着地点は自滅。『死』そのものだ」と。
だから、ヒトも又然り。

196 :10-5:02/04/23 22:22 ID:???
多分、母さんは最後まで女だったから…大丈夫と思っていた。
それだけは守り通すだろうと。
でもね…。
実は…母さんとあの人と私。
一緒に逝きたかったのかもしれない。
そう、アダムもエヴァも何もかもと一緒に。
相変わらず、私はエゴイストな女ね。

「先輩は尊敬してますし、自分の仕事はします。でも、納得できません」
この子は昔の私にそっくり。
潔癖で何も知らなくて。
「潔癖症はね、つらいわよ。人の間で生きていくのが」
「……」
「汚れたと感じた時わかるわ、それが」
そう、汚された私は…だから。

197 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/23 23:13 ID:6uH8RhN.
頑張れ。読まれるようにage

198 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/24 00:31 ID:???
根本的に文体がおかしい。
一人称ってのは

>「感覚がおかしいのよ。右腕だけはっきりして、あとはボヤけた感じ」
>ある程度の齟齬は初期の段階ではどうしようもない。

こういうの、つまり『セリフは「」内』で『ト書きは感情だけ』、ではない。
マヤが笑う、とか、アスカが言った、とか
対象や情景なんかをもう少し描写するもんです。
作者は当然理解してるだろうが、読んでるほうはよくわからん部分もあるからね。

要するに、この作品には『視点』が抜けてる。
意識してやってるなら、正直言って失敗。

199 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/24 00:34 ID:???
>>198

長文規制があるせいでは。
確かにちょっと淡泊に感じるけど。

200 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/24 00:40 ID:???
>199
分割して発表してるんだから「長文規制」は言い訳にもなんないよね。

淡白とかじゃなくて、ワケワカランになってる部分が多い気がするよ。
俺だけ? ならいいけどさ。

201 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/24 00:46 ID:???
ん?
連続投稿も引っかかるんじゃなかったっけ?
その辺りの事情は良く知らないんで、間違ってるかもしれないけど。

202 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/24 01:02 ID:???
>>191
>>197
このスレは常時sageてね。

203 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/24 07:18 ID:HOQtbDWM
これからどうしようかちょっと迷ってます…。
このままで行くか、書き方の表現を変えるか…。
或いは…。

>198
始めはシンジから見たエヴァの世界(原作もそうですね)
を、その心の動きを中心にざっと書こうと思ったので
すが、書いているうちに欲張ってしまい、つい他の人称
も同じように書いてしまいました。

全てをその手法で書こうとしたのと、後、一人称での
表現が稚拙だったのが敗因です。

指摘されるまで気づきませんでした。
どうも。

204 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/24 07:19 ID:???
げ…ageちゃった…。
何から何まで失敗すまそ。

205 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/24 20:12 ID:bJI5z3Ks
男ならあげろ。
今日は書き込まないのかい?1よ。

206 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/24 20:15 ID:OwasEehs
http://www.hm.aitai.ne.jp/~utaka/daihuku2.htm
http://www.hm.aitai.ne.jp/~utaka/masutyu2.htm

ここでエヴァ話盛り上げて

207 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/24 21:01 ID:???
>205、206
馬鹿の見本。

208 :1:02/04/24 21:57 ID:???
何だか、自信が喪失してしまいました…。
書き溜めて、一気に出したほうが良かったかも。

実際、これからどうしよう…。
今から書き方帰るのも変だし。
どうしよう…困りました。

209 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/24 22:29 ID:???
>>1
長期連載のSS。

初期のを読み返すと読むに耐えないものがよくある。名作と呼ばれるものにも。

大丈夫です。エヴァSSファンですから。読者は。
良い意味で、皆読みたい様に読む事を身につけているから。

今はストーリーを追って。
全部終わったら、改訂なんていくらでもできるっしょ。
そしてこそっとあぷろだにでも・・・・

210 :10-6:02/04/25 00:51 ID:???
<碇>

いつもの初号機ではなく、綾波の零号機に乗っている。
変な感じだけど…あまり違和感は感じない。
「どう感想は?」
とリツコさんに尋ねられる。
つい、思った事をそのまま口に出してしまった。
「綾波の匂いがする」
アスカはモニタから冷ややかな視線を送りながら「なにが匂いよ。変態じゃないの」
やっぱり…言わなければ良かった。
でも、綾波の匂いは…落ち着く匂いだ。

「第三次接続を開始します」
そのアナウンスの直後。
何なんだ…!?
頭に何かが入ってくるような感じがする。
それはとても…不快でそして。
綾波? 綾波レイ…?
本当に綾波なのか…? 違うようで、でも…。
頭の中に様々なイメージが交錯し、乱舞する。
とても気分が悪くて…気持ちが悪い。
うぐっ…!
そして、意識は闇に落ちていった。

211 :10-7:02/04/25 00:52 ID:???
<綾波>

「パイロットの神経パルスに異常発生!」
暴走状態に陥った零号機が管制室の強化ガラスを殴り続ける。
立つ尽くす綾波の瞳には、目の前のガラスを殴打し続ける零号機の姿が映りこんで
いた。
ガチャン…ガシャン…ビキィ!
強化ガラスにひびが入っていく。
駄目。ヒトを…碇くんを拒絶しないで。
「レイ下がって! 零号機の外部電源カット、急いで!」
バン…バン!
それとも、他のヒトを傷つけたいの?
私の眼前で、ガラスが歪みたわんで行く。
私のすぐ後ろには、赤木博士。
そう。
でも、駄目。
「零号機内部電源に切り替わりました!」
もう、ヒトを傷つけてはいけないから。
「…5、4、3、2、1、零号機内部電源終了。活動を停止しました」
良かった。
ヒトを傷つけずに済んで。
「碇くん…ごめんなさい」
口には出さなかったその言葉。

その日の夜。
私の頬にそっと手を当てながら司令は「…頼んだよ、レイ。ターミナルドグマへと
赴きそして…槍を母の体へと」と私に命じた。
だから、そうした。

212 :10-8:02/04/25 00:53 ID:???
<冬月>

この男と共にいると間がもたん。
宵闇がこのジオフロントを覆っている。
司令執務室からは各種施設の、誘導灯の灯火がまたたいているのが見える。
冬月は窓外に映える光景を、見るとはなしに眺めやりながら。
将棋の駒を片手で弄び、いつもの懸念を口にした。
「使徒侵入に対する査問。さて、議長はこれからどう動くかね」
「…議長達が望む計画には寸分の狂いもない。ただ、全て実体の無いダミーだが」
暗い室内灯が、男の顔の陰影をより濃いものとしている。
いつものように、口元を隠し引き攣るような笑みを浮かべているこの男。
嫌な奴だ。
「だが、鈴付きの男が情報を流す可能性は否定出来なかろう…?」
「問題ない。あの男とて利害損得は心得ているからな」
「…それは良いとして、今ゼーレを焦らせると更なる干渉を引き寄せるぞ」
「それも、問題ない。アダム計画の妨害工作も功を奏している。12使徒による禊は
不要だからな」
そして、碇…お前が贖罪無きキリストとならんか。

213 :10-9:02/04/25 00:54 ID:???
「ゼーレに露呈したら我々の死だけでは済まんぞ」
「切り札は全てこちらが擁している。彼等は何もできんよ」
ゼーレを甘く見ているのではないかね碇。
だが、それすらもフェイク…か。
「ロンギヌスの槍は?」
「予定どうりだ。作業はレイが行っている」
自身による、自らへの磔刑。
何とも皮肉な話しだ。
「…だが、フィフスの件。承諾せざるを得ないのだろう?」
ほう。
久方ぶりにこの男の感情が、その表情に表れた。
「ああ。…手痛い代償だ。諜報二課によるチェックは怠られんな」
だから言わんことじゃない。
ゼーレを…議長を見くびりし代償だな。

214 :1:02/04/25 00:57 ID:???
少し書き方を変える事にしました。
一人称+情景描写を入れます。
今までのと変わっちゃうと思うのですが、すまそ。

>209
ありがとう御座います。
少しだけ元気を取り戻しましたです。
まずは書いて、それから改訂すればいいんですよね。

215 :11-1:02/04/25 16:57 ID:???
<加持>

京都の古風な民家が建ち並ぶ、街並み。
内陸故、セカンドインパクトによる水没を免れた街。
ある一軒の民家の軒先で、俺はエージェントとコンタクトを取っていた。

「…で、これがマルドゥック機関の106のダミー企業名簿か」
「107つ目もダミー会社だったよ…。だが、気になる事がニ三見つかってね」
「貴様の仕事はネルフの内偵だ。マルドゥックに顔を出すのはまずいぞ」
これは俺の個人的な…興味なんでね。
「マルドゥック関連で、もう一つ。フォース及びフィフスは確定済みで…」
わざと相手を焦らす為、そこで言葉を切り煙草に火を点ける。
反応無しね…まぁいいや。
「近いうちにフィフスが届く事になっている。理由は不明。因みに、フィフス
の少年の経歴も抹消済みだ」
「…貴様には引き続き、ネルフの内偵を行ってもらう。フォース及びフィフス
の件、確かに報告を受けた」
おばちゃん…もといエージェントは買い物籠を引っさげて、民家の入り口へと
消えて行った。
ふぅ。
長い付き合いだが、あの愛想のないおばちゃんと話すと疲れるねぇ。
しかし…何故、今の段階でフィフスが…?
委員会からの後押し…。
今回はあの碇司令も拒否出来なかったというわけか。
「…さて、葛城には何を買って帰るかな」

216 :11-2:02/04/25 16:58 ID:???
<碇>

午後の日が差し込む放課後の教室はどこか物憂げだった。

掃除当番。
俺と綾波と…アスカもそうだったんだけど。
アスカは「じゃ。後、宜しく!」と言い残して帰ってしまった。
俺は、箒を持ってぼんやりとしていた。

…気分が落ち着かない。
父さんと、明日、一緒に、母さんの墓参り。
言葉を区切ってみても…本当じゃないみたいだ。
3年前…俺は逃げ出した。
微かな記憶が、胸に突き刺さる。
アイツが…父さんが怖い。
でも、俺を…愛して欲しい。
認めて欲しい。
綾波なら…父さんの事、分かってるのかな。
窓から午後の強い日差しが差し込んでいる。
埃の微粒子が日の光を受け、きらきらと輝いているのが見える。
窓辺では綾波が、雑巾を絞っていた。
光が煌いている。
綾波の横顔の輪郭が光でぼやけていた。
何だか…神々しいや。
綺麗だし、可愛いんだけれど。
違う言葉が相応しいような気がした。

217 :11-3:02/04/26 19:04 ID:???
本部のエレベータ内で、綾波と二人きりになった。
思い切って綾波に聞いてみる。
綾波の言葉はそっけなくて…時には冷たいけど。
「あした…父さんに会わなきゃならないんだ」
「ね、父さんって…どんな人?」
「わからない」
「そう…」
そうか…そりゃぁそうだよな…。
「それが聞きたくて昼間から私を見てたの」
綾波は俺に背中を見せたまま振り向こうとしない。
だから、綾波がどんな表情を浮かべているのかも分からない。
「うん」
何で俺こんな事いうんだろう…そう思いながらも口にしていた。
「掃除のときさ…今日の。──雑巾絞ってたろ。あれってなんかお母さんって感
じがした」
「…お母さん」
「案外、綾波って主婦とかが似合ったりして。あはは……」
「何を言うのよ」
うっすらと頬を赤らめる綾波。
ほんと、何を言っているんだろう…俺。
でも、綾波…本当にお母さんって感じがした。
どうしてだろう。

218 :11-4:02/04/26 19:05 ID:???
<惣流>

「ただいま」
玄関のドアが開く音と共に、律儀にただいまの挨拶が聞こえた。
私は自室の襖を少しだけ開けて、シンジを見遣る。
どうしたんだろう…こいつ。
普段もだが…いつにも増して覇気と言うか、そう。元気がない。
「ちょっと…シンジ」
「…あ、アスカごめん。今、夕飯作るから」
「今日のメニューは何なのよ」
「うん。今日は買い物に行く時間が無かったから、あるものでカレーでも作ろうか
なって…」
やっぱり、いつもと違う。
だってこいつ…いつも料理には手を抜かないから。
主夫向きな奴なのに。
「あ、そ。まあいいわ。それより遅かったじゃないの」
「綾波と一緒にリツコさんの定期実験受けたんだ」
「ふーん。相変わらず仲がいいのね。アンタ達」

219 :11-5:02/04/26 19:06 ID:???
何だか、少しだけ面白くない。
別に、こんな男…どうだっていいんだけど。
シンジは顔を赤らめながら、必死になって「そ、そんなんじゃないよ! 相談してた
んだ…明日の事」とか言ってた。
「明日の事って何よ? この、アスカさまもアンタの相談に乗ってやろうじゃないの」
ふとした、出来心。
「ファーストには話せて、この私には話せないっての…!?」
「そんな事ないけど…。明日、父さんと会わなきゃならないんだ」
あーあ。そんな、地球が明日終わるような顔しちゃって。
「何で…?」
「…明日、母さんの命日だから」
母さん…ね。
そう言えば、コイツも母親無し。父親は…まぁ、居ないのと同じね。
…駄目だ。これ以上考えるのはよそう。
「で、それが何なの」
「何なのって…。だから、明日父さんに…」
「ああ、もう! そんな事でぐだぐだと…! いいじゃない。行けばいいのよ。そして
父親がムカツイタら…」
ばすっ。
と、片方の手で拳を作り、もう片方の掌に打ち付ける。 
「こうしてやればいいのよ! どう? 簡単でしょ」
少し言い過ぎたか。
何だかさっきよりも落ちこんでいる。
「…アスカは他人だからそう言うことが言えるんだよ」
ちっ。
男の癖にうだうだと…!

220 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/26 22:22 ID:???
どんなに文法的に正しくても、それが面白いかといえばそうでもないことも。
とりあえず、真理描写に、リアルでは無くても、リアリティは感じます。
それはつまり、そのキャラの心情を受け入れられるって事です。
それは大事なことだと。

>書き方。
章ごとに、最初に場面説明。そのあとは心理描写を貴重に。
という手法は、わかりやすくて良いです。
あんまりごちゃごちゃ外形ばかり描写してもウザくなるだけですしね。
SSの場合特に。

いざ精進。読者は続きを待ち望んで。

221 :11-6:02/04/27 16:56 ID:???
「明日何時に終わるのよ!」
「…多分、夕方までには」
私は片方の腕を腰に当てながら、シンジを指差す。
「それじゃ、その後このアスカさまがアンタとデートして上げる。どう…? これで
ちっとはやる気が出るでしょ?」

自分でも分からない。
何故、こんな事を言ったのか。
でも、今なら分かるような気がする。
シンジが私に…似ていたから。
だから、シンジに自分を投影していた。
…父を倒し、母の影響からの脱却を求めて。
そうして、本当の自分になりたかった。
自分には不可能だから。
願いと希求は祈りのようなモノ。
祈りはけっして適わないけれども、それを求める心。

222 :11-7:02/04/27 16:57 ID:???
<碇>

目の前には…母さんの墓。
そして背後には父さんが立っている。
拳を握り締める。
求めてはいるけれど…でも、目の前にいるとそこから逃げ出したくなる。
…母さんが生きていたらどうだったのだろう?

「写真とかないの?」
「残っていない。この墓もただの飾りだ。遺体はない」
憶えていない。
どんな人だったんだろう…母さんって。
父さんは珍しく、俺に色々と話しをしてくれる。
夕日は嫌だ。
赤い夕日がとても眩い。
俺も目を逸らし、父さんも目を合わせようとしない。
父さんは母さんの事を愛していたのかな。
じゃぁ…俺の事は?
もっと見てよ…! 俺に構ってよ…!
「すべては心の中だ。今はそれでいい」
「……」
そんな事言われてもわかるわけ、無いじゃないか…!
胸のわだかまりは晴れない。
でも、今回は逃げなかった…。
それだけでいい。
それに…こんなに父さんと話せたのは初めてだった。
「父さん。あの…今日はうれしかった。父さんと話せて…」
「…そうか」
その時、ネルフのヘリが、土煙と轟音を上げながら地上に降り立つ。

223 :11-8:02/04/27 16:58 ID:???
父さんを乗せて飛び立つヘリには、綾波が乗っていた。
少し、悲しそうな顔をして俺を見下ろしている。
何だか、懐かしい感じがした。
…さあ、アスカと待ち合わせの場所に行かなくちゃ。

第三新東京中央駅前。
勤め帰りの人。
学校帰りの人。
色々な人が行き交っている。

…もう30分も待っている。
もしかして…からかわれただけだったのか。
夕闇が深く垂れ込めて行く。
街の建物の隙間から垣間見える日は、ぎらぎらと赤くて大きい。
いつか見た光景だった。
そう、エヴァの出撃と同時に攻撃されてそのまま意識を失って…起きたら
こんな光景だった。
街は喧騒に満ちているけれど、何だかもの寂しい。
日は出でて、没する。
それの繰り返し。
あの赤い色はやはり血の色みたいだ。

224 :11-9:02/04/27 16:59 ID:???
「ちょっとアンタ。また何暗い顔してるのよ」
「わっ! ア、アスカか。脅かさないでよ」
急に、後ろから声を掛けられて驚いてしまった。
慌てて後ろを振り向く。
…そう言えば、アスカの普段着での外出姿はあまり見た事がなかった。
もっと派手な服が好みかと思ってけど、薄い青色のロングドレスが膝から
下をも殆ど覆い隠している。
何だか、初めて会った人みたいで…少し照れくさい。
アスカは両手を後ろで組みながら、俺の顔を覗き込む。
「誰も脅かしてなんていないでしょうが。所でどうだった…? おとーさん
とのコンタクト」
「…普段よりは話しが出来た。でも、やっぱり父さんの事も…母さんの事も
わかんないや」
「アンタ馬鹿ぁ? 親だって他人は他人。他人の事、全て理解出来るわけな
いでしょうが」

225 :1 :02/04/27 17:03 ID:???
>220
ご助言ありがとう御座います!
どこまで、ご助言に沿えるはわかりませんが、出来るだけ
生かして行きたいですね。

226 :11-10:02/04/28 22:59 ID:???
そんな事分かってる。
でも、知りたいんだ。
アスカの事だって俺は何も知らない。
だから…。
その時、本当に皆の事を知りたかったのかはわからない。
ただ、他人の中の自分を知りたかっただけかもしれない。
結局、誰の事も分からなかった。
いや、知ろうともしなかった。
精一杯だったんだ。
自分の事で。
アスカを求める権利は俺にはなかった。
そして、今もまだ無い。

「そうかもしれないけど…」
「そう言うモノなのよ。ま、今日はミサトも遅い事だし、私の買い物に付き
合ってもらうわ」
「え? デート…じゃなかったの?」
「馬鹿ね。アンタと私がデートだ何て10年早いのよ!」
ぷぃ、と横を向き「さ。行くわよ」と行ってすたすたと前を歩き出す。
糞っ、まったく何なんだよ…!

227 :11-11:02/04/28 23:01 ID:???
ごめんね。
本当にごめんね。アスカ。
俺は何も知ろうとしなかった。
今でも…何も分かっていないから。
もう、遅いけど…本当にごめんね。
でも…楽しかったよ。
その思い出だけは決して忘れないから。

大きな買い物袋をいくつも持たされて、よろよろと付いていくのだけで精一
杯だった。
時々…くすくすと、通りがかりの人に笑われる。
顔から火が出るほど恥ずかしいのだが、アスカは我関せずで相変わらずあっ
ちの店、こっての店へと俺を連れまわした。
「何なんだよ…もう」
でも、楽しかった。

228 :11-12:02/04/28 23:02 ID:???
「もういい加減帰らないと…夕食の支度もまだだし」
「何いってんの。夕飯なんて食べて帰るのよ」
アスカは腕組みをし、少し宙に視線を泳がせて考えた後。
「でも、少し疲れたわね。ちょっと、休もうか」
ふう。
荷物持ちのこっちは、もっと疲れてるんだよ。
まったく、自分を何様だと…。
既に日は没し、夜気が涼しくなって来た。
街の少し外れにある公園には、ちらほらと人がいる程度で閑散としている。
ここからなら駅も近いし…まぁ、いいか。
…正直、女の子と一緒にこんなに話したり歩いたりした事はなかったので嬉
しくないと言えば嘘だ。
丁度、ベンチが開いていた。
座ってから暫く経つと、話しの間が持たなくなり沈黙がちになった。

229 :11-13:02/04/28 23:03 ID:???
何故か、アスカも先程から押し黙っている。
何か怒らせるような事したかな。
と、突然「…ねぇ、シンジ。キスしようか」
「え?! なに…」
その言葉の意味を理解すると、緊張と不安…そして期待で頭の中が真っ白に
なった。
「キスよ。キス。したことないでしょ」
「……」
「それともアンタ。怖いの?」
アスカは何故だか、真剣なそれでいて何だか投げ遣りな顔をしている。
「怖くなんかないさ! …でも、人が歩いてるし…」
「ふん。こんな時間にこんな所にいるのは…そんなのばかりよ」
何だか、嬉しいけど…怖くもある。
それに…本当に俺の事が好きで言っている訳では無いことぐらいは分かるから。
「じゃ、いくわよ」
…自分の息が臭わないか不安だったから息を止めていた。
目は…閉じようと思ったけど、何故か閉じれなかった。
瞼を閉じたアスカの顔が正面から近づいて…そして。
自分の唇に感じる感触。
鼻先に感じる吐息。
体が熱くなって、汗でシャツが肌に張り付く。
そして…目が合った。
彼と。
カオルくんと。

230 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/04/29 00:10 ID:???
>>1
ぐはっ!!
無茶苦茶続きが気になるヒキじゃん!!
早く続きかいてーー!

やぱーり回を追う毎に文章も流暢になってきてますな(えらそう)
頑張ってや。

231 :11-14:02/04/30 23:40 ID:???
<渚>

リリスの裔…リリン。
お互いにお互いを重ね、孤独を忘れようとしている。
彼…碇シンジくんと目が合った。
そう、彼らに出会う為に僕はここに来たんだ。

それに…惣流・アスカ・ラングレー。
君は何を求めているんだい?
僕と同じモノを持つリリン。
大丈夫。
アダムそしてその妻エヴァに裏切られようとも…君にはアダムの淫蕩なる妻
リリス、そしてその子であるリリンがいる。
君を束縛するモノは何もないのだから。

僕と同じ存在。
綾波レイに会うのが楽しみだ。

リリンの有り方に絶望した議長。
そして、神への階梯を上り詰めようとするシンジくんのお父さん。
それに、君たち。
リリンは不思議だね。
同じ存在なのに、皆違う。

232 :11-15:02/04/30 23:42 ID:???
<惣流>

そっと、薄目で真正面のシンジの顔を窺う。
その視線の先は私ではなく…そう。もっと別の場所へと。
私、何やってんだろ。

唇を重ねる。
何だか、むしょうに腹が立って来る。
シンジに、そして自分に。
そして、唇を離す。
「…アンタ、何処見てるのよ」
ぽかんとした、シンジの表情。
油に火を注ぐようなものだ。
「? いや、別にどこも…」
嘘ばっか。
どこか遠くを見ていた癖に。
私ではなくて。
「そんなにアタシの顔を見るのが嫌? それともやっぱりアンタ…怖いんで
しょう。ヒトと触れ合うのが」
「な…!? そんな事! 別にどこも見てないって言ってるだろ…!」
臆病な癖に、嘘つき。
いや、気づいていないだけか。
「嘘ね。どうしてアンタは…! …私、先帰るから」
何故こんなに腹が立つのだろう。
…私だけを見てくれないから。
嫌っ! そんなの違う。絶対に!
私は…私は他人を必要としなくても生きて行けるから。
その時の情景。
公園の草いきれの匂い。
街灯に群がる虫の羽音。
そして…シンジの…シンジの顔。
忘れる事は出来ない。

233 :11-16:02/04/30 23:43 ID:???
<葛城>

何で私こんな事やってるのかしら…?
ターミナルドグマへと下りて行く加持くんを尾行して、そして。
パスカードを通そうとしていた、加持くんに話し掛ける。
突き付けた銃をきつく握り締めながら。
昨日酔いに任せて加持くんに話した事、全てが本音。
…でも、私はこのネルフの作戦本部長でもある。
大人になるという事はそう言うことだから。

加持くんは両手を挙げている。
「やあ。二日酔いの調子はどうだい?」
最悪よ。
こんな状況だもの。
「特務機関ネルフ特殊監察部所属、加持リョウジ。同時に日本政府内務省
調査部所属、加持リョウジでもあるわけね」
「バレバレか」
リツコからの情報。
だから、当然司令にもだだもれ…ね。

234 :11-17:02/04/30 23:45 ID:???
「まぁ、いい。この際だ。司令もリッちゃんも君に隠している事がある」
「動かないで!」
そう、私は撃てる。
彼だって。
彼は何気ない動作で…ぴっ。
カードをスロットに通し、その認証音が虚ろに尾を引く。
その開いた扉の先で見たものは…。
エヴァとほぼ同サイズの物体。
白い巨人が十字架に掛けられ…その胸には大きな槍。
下半身から下には…無数のヒトの足が生えている。
「これは…アダム!?」
「そう。そして、あれがロンギヌスの槍」
15年前のセカンドインパクト。
その時期と前後して、父さん達が調査を続けていた物体…アダム。
「ロンギヌスの槍?」
「人類の贖罪の為のね。それともう一つ。フォースチルドレンがマルドゥ
ックから送り込まれている。もう、日本に届いているはずだ」
「フォースチルドレン…。聞いてないわ…」
「そ。司令もリッちゃんも君に隠し事ばかりだ」
碇司令…リツコ。
あなた達は何をしようとしているの。
ネルフの目的=私の目的では…最早無い。
でも、今更後戻りは出来ない。
自戒の意味を込めて呟く「──確かにネルフは、私が考えているほど甘く
はないわね」

235 :1:02/04/30 23:46 ID:???
>230
いやはや! こんなに楽しんで頂けると書いているかい
があります。

これからも、どうかお見捨ておきなく。

236 :12-1:02/05/03 02:59 ID:???
<赤木>

ターミナルドグマ最奥部。
ようやく、レイをベースにしてのダミープラグの実用化に目処がたった。
…あの人も今、ここに居る。
「…人の心、魂はデジタル化出来ません。あくまでも擬似的なフェイク、
ただの機械です」
「かまわん。エヴァが動けばいい」
そう。
所詮、プラグマティズムに基づく機械に過ぎない。
これも、レイも。
…或いは、私やあの子達もこの人にとっては。
鈍い冷却ファンの音だけが、ただ暗闇に延々と木霊し続けている。
この闇の中に永遠に閉ざされていれば良かったのに…この人形。
LCLに浸かっている人形…レイを見遣りながらそう思った。

「…フィフスは委員会から直に送り込まれた。フィフスの件…君に一任
する。頼んだよリツコくん」
手に負えないモノは私に寄越して…でも。
「わかりました」
「…フィフスの機体も直にドイツから届くだろう。こちらも対抗として
のフォースの選出。急がねばならんな」
「はい。一人速やかにコアの準備が可能な子供がいます」
「フォースの機体は米国支部が渋っているが、こちらとしても本腰を入れ
て手配している」
「…そうですか」
これでまた、人死が大勢と出るわけだ。
ヒトを犠牲にしての人類の救済。
まったく、喜劇以外の何者でもない。

237 :12-2:02/05/03 02:59 ID:???
「レイ、上がっていいぞ」
何故、その視線を私には向けてくれないのですか。
「はい」
黙れ、この人形。
「食事にしよう」
愚かで無様な私。
…この人も人形もみんなみんな憎い。
「はい」
この人形の創造主は私なのに。
そう。
私を…母を陵辱したこの男。
ピグマリオンばかりを見ているこの男。
本当、無様ね私。
…でも、もっと私を見て。

238 :12-3:02/05/03 03:01 ID:???
<碇>

ミサトさんは俺とアスカをテーブルに呼んで、いつになく真剣な表情で話し
をしている。
「…と、言う訳。貴方達には話しておきたかったから」
そうか。
次の適格者は俺と同じ…男なんだ。
何だか、少しだけ不安でもあり楽しみに思う。
アスカはこちらをじろりと睨みながら「ま。コイツよりはいい男が来る事を
期待しましょ」とか言ってる。
…あれ以来、普段はそうでもないけれど…少しだけぎくしゃくとしている。
「それじゃ…シンちゃん。アスカ。行きましょうか」
最近は学校や本部に向う際は、迎えの車に乗って行く事になっている。
アスカ曰く「当然ね。何たって私達に人類の存亡が掛かってるんだから」と
の事だ。
でも、何処に行っても見張られているのは何か嫌かもしれない。
そして、今日は本部で、新しい搭乗者を交えてのハーモニクステストだから
学校には行かず、ミサトさんと一緒に家を出た。

239 :12-4:02/05/03 03:02 ID:???
綾波は何時と同じように、ただ静かに佇んでいる。
アスカは何だか、苛立たしげに両手を組み足を小刻みに動かしている。
何だか、ざわざわする。
「どんな人かな…? フィフスチルドレンって」
アスカは顔を背け「ふん。どーせ、大したことないんじゃない。アンタと同
じでね」
やっぱりまだ怒ってる。
糞っ。
何がいけなかったんだろう…。
「来るわ」と綾波が言うのと同時に。
ミサトさんとリツコさんがフィフスチルドレンを連れて部屋に入ってきた。
リツコさんが片手を白衣に突っ込み、書類に目を落しながら「紹介するわ。
五番目の適格者…フィフスチルドレンの渚カヲルくん」

240 :12-5:02/05/03 03:05 ID:???
「僕の名は渚カヲル。よろしく」
女の子みたいに綺麗な顔をしている。
何だか…こっちを見られると、どぎまぎしてしまう。
「い、碇シンジです。あの…渚くんよろしく」
俺の顔を彼がじっと見つめる。
「カヲルでいいよ。碇シンジくん」
と、急にアスカが俺と彼の間に強引に割り込み「私は惣流・アスカ・ラングレ
ー。ま、仲良くやりましょ」
カヲルくんはアスカの瞳をじっと覗き込んでいる。
はは。
流石のアスカも何だか照れてるみたいだった。
「よろしく…アスカさん。そして…君が綾波レイだね」
綾波もカヲルくんも押し黙ったまま、暫くの間見つめあっていた。
「……アナタ、誰?」
「…僕は五番目の適格者。渚カヲルだよ…綾波さん」

241 :12-6:02/05/06 03:43 ID:???
「……」
「……」
何だか、沈黙に耐えられなくなって「あの…リツコさん。カヲルくんが五番目
だとしたら、四番目は…」と、沈黙を破った。
「いえ。フォースは欠番。フィフス…彼は特別にね」
何だか、はっきりとしない説明だったけど、それ以上の事を聞くのは何だか躊
躇われた。
「ねえねえ…アンタはドイツに居たんでしょ? なら、エヴァも私と同タイプ?」
やっぱりアスカは機体の事を気にしてる。
カヲルくんが答える間もなく。「彼の機体はドイツで製造。もう直、ドイツ支部
より届く事になっているわね。さ、あなた達…早速ハーモニクス宜しく」

242 :12-7:02/05/06 03:44 ID:???
結果なんてどうでもいいんだけど…でも、良い方がいいに決まってる。
「ミサトさん。今のテストの結果、どうでした?」
「はーい。ユーアー、ナンバーワンっ!」
モニタの中のミサトさんの表情も、いつもより優しい感じがした。
カヲルくんが来て直にこの結果。
良い、印象をもって貰えるかもしれない。
サブモニタからアスカが俺を睨みつけながら「私はどうだったのよ! シンジの奴
が一番!? 何かの間違いじゃないの…っ!」とまくし立てる。
リツコさんが「残念。でも、アスカも二番目よ。前の結果も更新しているし…」と
言っても、アスカはぷぃと横を向いたまま、何も言わない。
…また、怒らせてしまったかな。
でも、仕方が無いじゃないか。
いつもいつも、自分の下じゃないと気にいらないなんて、そんなのおかしいんだ。
「シンジくん。おめでとう」
「あ、ありがとう! カヲルくん」
やっぱり褒めて貰えた!
「アスカさんも凄いね。僕から比べると天と地の差だよ」
「…ふん。それはどういう意味よ」
「キミは今のままで、十分賞賛に値するということさ」
「アンタ…きざったらしいわね!」
俺が言えない事を、カヲルくんはアスカに言っている。
何だか、少しだけ羨ましくて…妬ましかった。

243 :12-8:02/05/06 03:46 ID:???
「それに綾波…レイさん。キミも頑張っているね。本来ならば動かなくて当然なのに」
「……」
綾波はただ静かに、モニタのカヲルくんを見つめている。

カヲルくんが来て何かが変わっていった。
良い方向に変わったのか、逆なのかはわからない。
でも…昔と同じままではいられなくなったのは確か。
アスカ…綾波。
…もう俺はチルドレンの中で、ただ一人の男では無くなったから。

244 :12-9:02/05/06 03:47 ID:???
<惣流>

…畜生…畜生…畜生畜生っ!!
私が、この私が何であんな奴に!
「すごい! 素晴らしいっ! 強い! 強すぎるっ! あぁー無敵のシンジ様っ!」
最低。
…こんなお人形のファーストにすら、何か言葉を掛けて貰いたくてこんな事。
「お先に」
がんっ!
どいつもこいつも…馬鹿野郎…。
自身の感情の振幅を抑える事が出来ない。
がんがんがんっ!!
拳に血が滲む。
……畜生。

245 :12-10:02/05/06 03:48 ID:???
シンジの奴と顔を合わせたくなかったので、時間をずらして本部のゲートを通ったそ
の時。
「アスカさん。キミも今、帰りかい」
フィフスチルドレン…渚カヲルがゲートの前のベンチに腰かけていた。
「…そうだけど、何か用」
フォースがいきなり立ち上がり、私の前に立つ。
ちっ。
さっきからペースを取られっぱなしじゃないの、アスカ。
「キミを待っていたんだ。弐号機専属搭乗者、惣流・アスカ・ラングレーでは無く、
アスカさんキミをね」
ふん…この私の美貌が目当てってわけ?
まぁ、シンジよりは分かってるじゃないの。
「会ってそうそうナンパ…? アンタ、自分が少しくらいかっこいいからって図に
乗ってんじゃない?」
フォースはまるでシンジのような…それでいて、どこか大人を感じさせる微笑を浮
かべながら首を横に振る。
「キミは沢山のモノを持っているね。だから…ヒトに好かれるのかい?」
「当たり前じゃない! 何ももっていない人間なんて誰が相手にするのよ!」
何なんだろう。こいつ。
シンジとは違った意味で、落ち着かない気分にさせられる。

246 :12-11:02/05/06 03:49 ID:???
またも、フォースはゆるゆると首を振り、私の目をその紅い瞳で覗き見ながら。
「でも、何も持たないヒトを愛し…愛される事こそ、本当に好きということ…」
フィフス…カヲルは一歩前に乗り出し「そして、キミは好意に値するよ。アスカ
さん」
…私らしくもない。
こんなセリフ一体何度聞いたことか。
でも、しかし…鼓動が早くなる。
頬が赤らむ。
無条件に好意を持たれる事…嬉しい。
しかし、それを認めたら私が私で無くなってしまう。
「な…! ァ、アンタ馬鹿ぁ…!」
そうして、彼から走り去る私。

違う。
無条件の好意は悪魔の陥穽。
だって…ありえないから。
でも、それが…それだけが欲しかったの。

247 :12-12:02/05/06 03:50 ID:???
<綾波>

弐号機パイロット…アスカは怯えていた。
私には何も出来ないから。
着替えを終えて、歩いていると声を掛けられた。
碇くん。

「ねぇ…綾波。少し良いかな」
「何?」
「アスカ、やっぱり怒ってた…?」
「ええ」
「…やっぱり。ねえ…? 僕はどうすれば良かったのかな?」
「分からない」
「そっか…そうだよね」
碇くん…うな垂れている。
だから、私の気持ちを話した。
「でも、碇くんは悪くないから」
「そうだよね…! アスカは自分が一番じゃないからって…」
「自分が悪いんだよ。いつも僕を馬鹿にして…」
駄目。
そんな事、言っては駄目。
「碇くん」
「うん…?」

バチッ。
碇くんの頬を叩いた。
碇くんは、頬を抑えながら不思議そうな顔をしている。
「綾波…。何で? 何でだよ!」
「……そんな事を言っては駄目」

248 :12-13:02/05/06 03:55 ID:???
「だって…綾波は悔しくないの? いつもアスカに馬鹿にされて」
ええ。
だって。
司令はいつも褒めてくれるから。
エヴァに乗ってさえいれば、みんなと繋がっていれるから。
「…ええ」
「そっか。綾波はそうだよね…」
…私も同じかもしれない。
エヴァに乗るしか無いから。
碇くん。アスカ。私と同じヒト…渚くん。皆。そして…使徒。
皆、一人が嫌だから。
同じ。

249 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/06 04:27 ID:???
ところどころ、フィフスがフォースになってます。

250 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/06 17:34 ID:WxZEubpc
不思議な展開になって参りました!!
これは、体験の轍を踏みそうだなぁ。
曝しあげ。

251 :12-13:02/05/06 20:32 ID:???
<碇>

次の日、カヲルくんが学校に転校してきた。
…もうクラスの半分以上の席が空いている。
最初はヒトが少ないほうが良いと思ってた。
今でも、それは変わらないけど…でも。
先生による紹介も終り、次は自己紹介。
みんなに向って深く一礼し「ご紹介に預かりました渚カヲルです。短い間とは
思いますがよろしく」
何だか丁寧だけど、変な感じだった。
どうして…短い間なんだろう?
綾波の席を見遣ると…いつもどうり頬杖を付きながら、カヲルくんをじっと見
つめていた。
アスカは何だか落ちつかなげだった。

252 :12-14:02/05/06 20:33 ID:???
と、その時俺の端末にメッセージが届く。

>碇 見てみい。女子どもがあの転校生のルックスで騒いどるで。from 鈴原

トウジからだ。
そうだよな。
カヲルくん…綺麗だし。

>トウジ はは。確かに。でも、綾波は相変わらず…。アスカもご機嫌斜めだ
し。from 碇

このような他愛の無いメッセージの交換は疲れる。
大分慣れたけど、今でも少し馬鹿らしく感じる。

>碇 もしかしてあの転校生エヴァのパイロット? 何だかパパの仕事が最近
忙しくなったって言ってたんで…もしや!from 相田

253 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/06 20:33 ID:???
面白いのでSGAE

254 :12-15:02/05/06 20:33 ID:???
どうしようか…? 迷ったけど、結局教えてしまった。
俺達だって別に隠している訳じゃないし、ミサトさんにも口止めされている訳
じゃないし…。
くどくどと、心の中で言い訳をしつつ。
この後、2〜3回やり取りが続いたんだけど…。

>三ばかトリオ シャラーップッ! アンタらさっきからうるさい。べんがくの
じゃまよ。from ???

と、アスカに言われたので、そこで中断した。
その時「それでは、渚くんは…ああ、そこでいいかな」
カヲルくんは主に女子の視線を浴びながら、アスカの隣の席へと付く。
アスカに向って「宜しく。アスカさん」って言っていた。
アスカは少し顔を赤くしてそっぽを向いている。
…そっか。
でも、カヲルくんはいいヒトみたいだし…それに他人と争うなんて考えにも及ば
ないから…いいんだ、別に。

255 :12-16:02/05/06 20:36 ID:???
昼休み。
俺とトウジとケンスケで集まっている所に、カヲルくんが来て「良かったら、僕
も一緒にいいかい?」と微笑む。
「うん。カヲルくん、ここに座って」
と、席を開ける。
「ありがとう。シンジくん」
「それに…鈴原くんと相田くんも」
「もう名前覚えよったんかい!? こりゃ…タイショウ、適わんで」
トウジがわざとらしく、掌を額に押し付けて天を仰ぐ仕草をしている。
「君も碇と同じエヴァの専属パイロット何だって…? 嗚呼、何て羨ましいんだ
君たちは!」
ケンスケもわざとらしく天を仰ぎ、嘆息する。
少しだけ…少しだけ居心地が悪いけど、でも。
何だか、いい。

256 :12-17:02/05/06 20:37 ID:???
「で、結局このクラスだけで4人だろ。もしかして…これはもしかするかも! 葛
城三佐は何か言ってなかった?」
そんなにエヴァに乗りたいものなのかな。
…俺にはそれしか無いから仕方なく、乗っているのに。
「そう言えば…フォースの選出がどうとか言ってたけど…」
カヲルくんはにこにこと微笑みながら、静かに俺達の会話を聞いている。
何だか、カヲルくんと一緒にいるといつも感じる、ざわざわした感じが無い。
ケンスケは身を乗り出し「それだ…! これは行けるかも!」とか騒ぎ、トウジ
は「ま。わしには関係ない話ですわな」とか言っていた。
「相田君はどうしてエヴァに乗りたいの?」
カヲル君が突然、ケンスケに聞く。
「そ、そりゃあ…」
カヲル君に見つめられて、やっぱりどぎまぎしていた。
「ま、先生。こいつは軍事オタクですさかいな」
ケンスケの背中をどんどんと叩きながら、トウジが助け舟を出していた。
意外な一面を見たような気がした。
こんなに気が回る奴だとは、思っていなかった。

257 :12-18:02/05/06 20:37 ID:???
トウジは俺やアスカ、綾波を次々と見遣りながら。
「それに…エヴァのパイロットは変わり者が多いさかい。先生が変わり者かど
うかは、わし知らんけどな」
委員長と弁当を食べていたアスカがこちらを睨みつける。
「うるさい! この三馬鹿トリオ! 私をシンジ達と一緒にしないで頂戴!」
トウジが肩を竦め、俺達は笑う。

何気ない日常。
失ってようやく気付いたその大切さ。
でも、同じ時と場所は戻らない。
みんなと過ごした日常。
決して…忘れない。
その想い出に、焦がれつつも。

258 :1 :02/05/06 20:40 ID:???
ああ…。
また間違えた…。
フォースとフィフス、こんがらがってしまいました。

それともう一つ。
12-13がニケあるのも、又ミスです…。
最近、モチベーションも下がっているし、だめぽ。

259 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/07 03:18 ID:???
新世紀エヴァンゲリオンを1位にしよう!!
新世紀エヴァンゲリオン(OP)に、投票お願いします!
http://canal.press.ne.jp/mesganq/mesganq.cgi

260 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/07 20:03 ID:???
面白いです。もうそろそろ終盤ですね。
本編のテイストを色濃く残した良作SAGE

261 :12-19:02/05/08 03:11 ID:???
<ゲンドウ>

「消滅!? 確かに第二支部が消滅したんだな!?」
冬月先生。…これで良いのですよ。全ては…予定どうり。
「…やはり、米国第二支部の消滅。事実なんだな」
「確かなようだね。衛星軌道からの映像でも爆発では無く…消滅らしいな」
「…しかしこれで、出し渋っていた参号機がこちらに回って来る」

作戦室の暗闇の中、足元の大型ディスプレイが、我々の顔をほのかに照らし
出している。
「タイムスケジュールから推測して、ドイツで修復したS2機関の搭載実験中
の事故と思われます」とオペレーター。
葛城三佐…葛城博士の遺児は赤木くんに説明を請う。
「ドイツから搬送予定のエヴァ五号機は、もち…大丈夫なのよね?」
「今回の事故は、米国政府がエヴァに始めてS2機関を搭載する事によって得ら
れるであろう、ヘゲモニー独占に走ったのがそもそもの原因。ドイツは分を弁
えているわ」
わが国とドイツ以外に、チルドレンの確保が出来ていない現状、その意味を
分からぬ愚か者揃いでもあるまい。
S2機関の初搭載…命の実を彼らが得る事は出来ない。永遠に。
「…米国政府は第一支部の参号機を、NERV本部へ移転したいと申し出て来た。
よって、参号機の機体試験及びチルドレンの選出。赤木博士と葛城三佐に一
任する。以上。各自解散」

262 :12-20:02/05/08 03:12 ID:???
<綾波>

ターミナルドグマでの実験は終了。
赤木博士に「…これで、終了。…レイ。貴女の変わりが又出来たのよ」と言わ
れた。
そう。
私は誰。
私は沢山。
でも…今の私は一人。
碇くんもアスカも沢山。
でも、一人。
そして、私と同じヒト…渚くんも一人。

帰ったら、碇くんやみんなが居た。
碇くんが「ゴメン。勝手に片付けたよ。ゴミ以外触ってない」と、あの人と同
じような笑顔を浮かべていた。
そう…でも、何だか頬が火照る。
「あ、ありがと」
アスカが「まったく…止めろって言うのに、この馬鹿は! ほんと、変態よね」
と碇くんを指さす。
委員長が「綾波さん。ごめんなさいね。勝手に上がり込んで。これ、溜まって
たプリント」と私にプリントの束を手渡した。
「わかったわ」

263 :12-21:02/05/08 03:13 ID:???
「これから皆で、芦ノ湖の方へ遊びに行くんだけど…綾波も行かない?」
何故だか、碇くんの顔を見ていると司令の顔が脳裏に過る。
私と同じあのヒト…渚くんが私の肩に手を置きながら「ね。綾波さんもみんな
と一緒に行かないのかい」と言った。
わからない。
NERV服務規程にも、校則にも書いていない。
どうしたら良いのかわからないから。
「ごめんなさい。こういう時、どうしたらいいのかわからないから」
碇くんとアスカが同時に。
「行こう、綾波」
「アンタも行くのよ!」

264 :12-22:02/05/08 03:14 ID:???
渚くんが隣に座っている。バスの中。
だからもう一度。
「…あなた、誰?」
「君と同じ、ヒトだよ…」
彼の瞳の中の私が、私を見つめ返している。
「…そして、全ての命の源」
「……」
「だから、君と僕とは同じだね」

「よっ! お二人さん、仲がよろしいですなぁ」
「鈴原君! ほら、綾波さんが困っているじゃない!」
分かる事は一つだけ。
今、この時が心地よいという事。

265 :12-23:02/05/08 03:16 ID:???
湖に着いた。
碇くんと司令。
似ているけれど、違う。
司令と碇くんは同じでは無いから。
知らないヒトに頼んで、集合写真を取ってもらった。
カシャ。
皆で取った写真。
私の隣には碇くんと鈴原くん。
後ろには、渚くんとアスカ。
前には、委員長と相原くん。

司令のメガネよりも、大切なモノが出来た。
そして、あの人にも言ったことが無い言葉。
「──ありがとう。感謝の言葉。あの人にも言った事なかったのに」
「なんか言った? 優等生」
「いえ」

266 :1:02/05/08 03:19 ID:???
語らんかスレの人たちに色々な、SSを教えて頂きはまっています。
他の方々の作品を知らないで書き始めたのは、ある意味無謀だっ
たかも。

>260
有難うございます!
これから、加速度的に鬱にして行く予定です。
終盤もいよいよ近いので。

後、一応使徒は全て出すようにします。

267 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/08 23:50 ID:xH5CWdMk
きちんと終焉したらば、読むよ。
うぷしてね。ちゃんと。
で、実際面白いの?>>ALL

268 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/09 02:17 ID:???
ご本人が確実に見てる所でいうのも何だけど、
少なくともおいらは気に入ってるよ。
最初はチョット退屈に感じたけどね。

269 :12-24:02/05/11 15:11 ID:???
<惣流>

なんかぶつぶつと、独り言が聞こえたんだけど…。
この子やっぱり…変わってるわ。
それにしても、始めてかもしれない。
こんなに大勢の同年代の人間と、一緒に出かけたのは。
…まぁ、そんな事、口が裂けても言えないけれどね。

集合写真の次は、遊覧船ね。
何だか、シンジの奴とはここ最近折り合いが悪かった。
今でも、アイツのへらへらした顔を見ているとむかついて来る。
今度こそは絶対に負けるわけには行かない!
ま、今日の所はリフレッシュの為の休戦てとこね。
「…あのアスカ。船四人乗りなんだけど…一緒にどうかなって」
シンジが何だか腫れ物に触るように、おどおどと話し掛けてくる。
「で、アンタと二人きり…? そんなのごめんよ」
「い、いや。カヲルくんと綾波も一緒にって思ったんだけど…」
こりゃまた、憂鬱な面々ばかり。
後ろにいるヒカリに声を掛けてみた。
「ねー。ヒカリ。どうするー?」
ヒカリは何だか焦ったように、両手を胸元で振りながら「え!? ああ。
私は、鈴原と相田くんに、ちょっと注意したい事もあるんで…」と言う。
シンジもフィフスも、こちらを見て微笑んでいる。
ファーストは相変わらず。
ふぅん。
逆ハーレムって所かしら。
「なら、早く乗りましょ」と先頭を行く私。

270 :12-25:02/05/11 15:13 ID:???
自動無人周回の船に乗る。
音も無く、滑るように水を掻き分け進み出した。
しばらく、沈黙がその場を支配する。
と、「カヲルくんはどうしてエヴァに乗っているの?」
まったく、又始まった。
フィフス…カヲルは何故か、私の方へと視線を走らせた後「…シンジ
くん達に会う為かな」とか、きざな事をのたまっていた。
「なら、使徒撃滅は二の次三の次ってわけ?! まったく、シンジと
いい、アンタといい…」
「アスカだって似たようなものじゃないか…!」
あら、生意気にもシンジの奴がこの私に抗弁とは。
言い負かしてやろうとした所「それぞれがそれぞれの目的でエヴァに
乗る。そして結果を出す。それでいいんじゃないかな」とカヲルが諭
すように口を挟んだ。
「ま、まぁ…そうね」
正論でもありながらも、何か違うと思った。
でも、そんな…曖昧な言辞なんだけれど妙に納得させられてしまう。

271 :12-26:02/05/11 15:14 ID:???
船は静かに湖を周遊して行く。
また、シンジが「ねえ、カヲルくん。使徒って何なのかな?」とカヲ
ルに聞いている。
前にもいったとおりそんなの、わかるわけないじゃない。
カヲルは今度はファーストの方を見遣りながら「分かり合えない可能
性。そして…」驚いた事に続きをファーストが引き継いだ。
「…でも、分かり合えるかもしれない希望」
「はぁ…? 使徒と分かり合えるぅ…? そんなんだったら苦労しな
いわよ!」
シンジも「僕も使徒が何かは分からないけど…でも。倒さないと人類
が滅びるって父さんが…」と情けない小声で呟く。
ポケットに両手を入れた格好のカヲルが「他人の真実と自分にとって
の真実は必ずしも等しくは無いよ…シンジくん」と言い、ファースト
も「可能性を放棄しては駄目。心を開かなくては何も始まらないから」
と私を見据えて話す。
…シンジも少し唖然としている。
私も驚いた。
この二人、結託でもしてんの?

272 :12-27:02/05/11 15:15 ID:???
それに…ファーストがこんな事を言うなんて…。
何だか…以外過ぎ。
ふん、アンタは本当に心を開いてるの? お人形さん。
心を開くなんて、所詮はおためがしごと。
だって、ありのままの自分を曝け出している人間なんていないし、曝
け出した自分を有りのままに受け止めてくれるヒトなんて…絶対にい
ないから。
結局は有り得ない事。
そう、夢と同じ。
だからこそ…それだけをひたすらに求め、願うのだけど。


何だか場が湿っぽくなってしまったので。
「ま! 難しい話はこれで終りにして。で、帰りに何を食べるか多数
決を取ります!」と私は明るいキャラを演じる。
いつものように。
「僕は…皆と同じモノでいいよ」
「私、ラーメン。肉、キライだもの」
「僕も肉は避けたいね」
はぁぁ。
見事に、バラバラ。
これは…又、ラーメンね…。

273 :12-28:02/05/11 15:16 ID:???
分かり合えるかもしれない、その可能性を捨てては…駄目。
自分から心を開かなくては、何も始まらない。
でも、私は心がこれ以上傷つくのは嫌だったから、いつも向こうから
手を差し伸べられる事を待ち続けていた。
臆病だから。
自分から心を開いて、裏切られるのは絶対に嫌だから。


<葛城>

リツコに促されて、モニタを見る。
「…これは……」思わず言葉を詰まらせながら「…話しづらいわね。このこと」
…偶然にしては出来すぎている。
あの子達…シンジくんにどんな顔をして、何を言えば良いのだろう。
リツコのデスクに散ばっている、チルドレンの各種プロファイル。
先日のフィフスの次は、フォースとは。
上が何を考えているかを窺い知ることすら出来ない。
何故、この局面でチルドレン及びエヴァの増設を急ぐのか。
そして、不可解なフォースの子の経歴。
考えが表情に出たのだろう。
そんな私の甘さを指摘するようにリツコが「私達にはそういう子供達が必要なの
よ」と吐き捨てる。

274 :12-29:02/05/11 15:19 ID:???
「でも…!」
「みんなで生き残るためにはね」
分かっている…そんな事は。
リツコのこういう部分は知っていたつもりだ。
しかし、今日はそれが鼻に付く。
彼女を見据えながら「キレイごとはやめろ──と言うの?」と。

それには何も答えず、「どう? フィフスチルドレンは」と私に問う。
端末上を滑らかに動くリツコの手を見下ろしながら「…それも、リツコ
…あなたの管轄なんじゃない。ただ、各種テストの結果は凡庸そのもの」
リツコは端末に目を落としながら、指を休めずに私の皮肉を聞き流していた。
「ドイツ支部からの移送は急だったのよ。彼の事を知ったのは此処に到
着してから。今のところは、シンジくんがシンクロ率首位ね」
だけれども、それが彼の自身に繋がるとは思えない。
だが逆に、増長されるよりはマシか…。

275 :1:02/05/11 15:21 ID:???
>267
まぁ、先の話しですが…。

>268
始めは退屈でしたか…。
でも、読んでくださり有難う御座います。

276 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/11 19:55 ID:???
おう。頑張ってくれ。読んでるから。で、終わったらうぷ板にて報告。
これ定説。

277 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/12 23:17 ID:xsnG1THQ
ががjgfだ;おいjごあgれ;gたsg

278 :12-30:02/05/16 22:55 ID:???
フィフスの移送に続き、フォースの選出。
こう言うときは、やっぱり彼ね。
或いは、それは言い訳。
ただ、会う為の口実かもしれない。

休憩所でマヤちゃんにちょっかいを掛けていた。
まったく…その子、潔癖なんだからやめてよね。
いけない。余計な事を今は考えない。
今は、仕事優先。
「お仕事、進んでる?」
彼の副業の成果は、この前の件で知っている。
「いや、ぼちぼちだな」
マヤちゃんが一礼して、走り去って行く。
少しだけ、ほっとする自分が嫌。
「この非常時にうちの若い娘に手、出さないでくれる」
加持くんは私の前に迫りながら「君の管轄では無いだろ。葛城ならいいの
かい?」と、いつもの彼の手。
彼の目を見ながら私は続ける。
「これからの返答次第ね。地下のアダムとマルドゥック機関の秘密、それ
と今回のチルドレンの選出の件、知っているんでしょ」
「はて?」
「とぼけないで」
「他人にたよるとは君らしくないな」
そうでも…無い。
萎え掛ける意識を振り絞って、何とか情報を聞き出す努力を続ける。
「フィフスの子経歴は完全に抹消済み。その子の急な移送と、都合よくフ
ォースチルドレンが見つかるこの裏は何?」
「…前者は現在調査中としか言えないな。ただ、ひとつ教えておくよ。マル
ドゥック機関は存在しない。影で操りしは、ネルフそのもの。コード707を
調べてみるんだな」
コード707…シンジくんの学校。
まったく、ネルフの秘密主義もいい加減うんざりだわ

279 :13-1:02/05/16 23:04 ID:???
<碇>

トウジの奴、最近様子がおかしい。
何だか一人で考え込んでいることが多くて、俺達を避けている
みたいで…。
そう言えば、アスカも前にもまして俺達…俺を避けているよう
な気がする。
何だか、ざわざわする。

ケンスケの方を見遣りながら、今朝の出来事を思い出していた。
朝、突然ケンスケの奴が家に来て。
「おはようございます! 今日は葛城三佐にお願いに上がりまし
た」
何でも、三号機のパイロットになりたいって言っていた。
…乗ってどれだけ怖い思いをするか、わからないからそんな事が
言えるんだ。
と、何となく腹を立てながら聞いていたのを憶えている。

280 :13-2:02/05/16 23:05 ID:???
そして、ミサトさんは三号機の稼動試験の為、松代に行っていて
留守。
変わりに加持さんが、泊まりに来ていた。
それでも…アスカと二人きりになると何となく気まずい雰囲気に
なってしまう。
端末で適当に色々なサイトを見ていたけれど、全然身が入らずに
上の空。
テレビの音だけが、リビングルームに響いていた。
近くにいる、遠い他人。
何だか、一人で居るよりも…一人のような気がする。
だから「…三号機、誰が乗るのかな?」とアスカに尋ねた。
少し驚いたみたいに、雑誌から顔を上げ「え? まだ聞いてない
の?」と。
「誰?」
アスカは俺から顔を背けて「知らない」と、一言。
…知ってるなら教えてくれてもいいじゃないか。
でも、その時は真剣に考えていなかった。
誰が乗ろうと、自分には差し迫っては関係が無いから。

281 :13-3:02/05/16 23:05 ID:???
不思議な感じだった。
隣に加持さんが居る。
布団を並べて…一緒に眠る。
こんな事、久しぶりだ。
大人の男。
少しの甘えと、少しの期待を込めて尋ねた。
「僕のお父さんってどんな人ですか?」
俺は最近少しだけ、父さんの事がわかったような気がしていた。
でも、それは違うと加持さんに言われた。
他人を完全に理解する事は出来ない。
しかし、理解しようと努めるからこそからこそ人生は面白い…か。
「…自分自身だって怪しいものさ」
確かに、俺は俺自身のことすら分からないから。

他人を理解したいと望んでいたのでは、無いかものかもしれない。
ただ、他人の中の自分の形を知りたくて…怖くて。
そして、自分が本当は何を望んでいるかのかすらも、分からなかった。
そう。
自分もわからず、他人をわかる訳なかったんだ。

282 :13-4:02/05/16 23:06 ID:???
<綾波>

四人目の適格者…鈴原トウジ。
そう。
でも、エヴァに乗れば傷つくのに。
彼も…碇くんも。

屋上の手すりに寄りかかり、彼は空を眺めていた。
「鈴原くん」
「何や。綾波か。シンジだったらここにはおらへんで」
普段の彼とは違う感じ。
「知っとんのやろ、ワシの事。惣流もあの転校生も知っとるようだし」
私は、何故此処で彼と話しをしているの?
「うん」
彼は俯きながら「知らんのはシンジだけか……」と呟く。
「人の心配とは珍しいな」
どうして、何が気になるの?
「──そう? よくわからない」と本音。
鈴原くん、泣いているの? 一瞬、彼の横顔が泣いているように見えた。
そして「お前が心配しているのはシンジや」
「そう?」
…そう…ね。
何かが気になっていた。
それは…碇くんの事。
「そうかもしれない……」
真昼の日が眩しい、午後の屋上。

283 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/16 23:07 ID:???
最近、色々な方のSSを読み自身の稚拙さに嫌気が
差していました。
でも、書いた以上、稚拙ながらも最後まで書かな
くてはと、自身を鼓舞してますです。

284 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/17 21:35 ID:???
いいんだ。ここまでやってこれたのも力(おーらちから藁)
とりあえず全部吐き出してしまえ。それからだ。
添削。推敲。誤字訂正。終わってからもやることは山積だ。
全てが終わったころには、あぷろだも落ち着いてることだろう。
頑張れ。

285 :漂流者の邂逅:1/2:02/05/19 03:06 ID:???
碇ユイは、完全な虚空に初号機と共に存在していた。
はるか太古に月も地球も太陽も消滅した。
満天の星々さえ全て輝きを失い、永劫ともいえる時が経った。
ユイは、この宇宙の全ての秘密を知った。
生命の発生から、その終焉。
世界の終わり。
時の果てまでも知り尽くしていた。
だが、そうした対象さえ完全に消滅した今、不滅であるはずの
ユイの存在自体が無意味となっていた。
沈黙と不動の世界。
冷たい素粒子の靄だけが彼女を包んでいた。
そこに突然、「それ」が出現した。
パラボラアンテナと金属の塊。
それが一瞬にして、ユイの眼前を通過した。
初め、何が起こったのかわからなかったが、ユイはあわてて
初号機の体で、後を追った。

286 :漂流者の邂逅:2/2:02/05/19 03:08 ID:???
何度もホワイトホールを通過した後が歴然とした「それ」。
ユイのおぼろげな記憶が蘇った。
惑星探査機ボイジャー12号。
宇宙に存在する知的生命体へのメッセージを携えて
打ち上げられた「それ」がどうしてここに?
さらに内部を走査したユイは、内蔵のデータキューブに
膨大なATGCが記憶されていることを知った。
アデニン、チミン、グアニン、シトシン。
生物工学の科学者だったユイには忘れようもない遺伝子情報。
だが、それが息子シンジのものであることを知ったとき、
ユイはエヴァに取り込まれて以来の衝撃を受けた。
なぜ、シンジのDNA情報がここに?
それ以上に、この無限ともいえる広大な宇宙での出会いが、
どれだけ奇跡的確率によるものか。
それは、もはや神の奇蹟といっていい。
ユイは初めて己の使命を認識した。
全精神、全意識を集中して、こう念じた。

「光あれ」

287 :プロローグ1:02/05/19 05:38 ID:???
AD2010 ゲヒルン本部 
数人の男女が集まっている
ゲンドウ「0号の居場所に心当たりがあるのか?」
リョウト「この前戦った時あの場所で待ってるって」
リツコ「おそらく、あの遺跡ね。」
加持「因縁だな」少し呆れ顔の加持「知識欲に駆られた連中が
箱を開けちまったんだ」リツコ「あら、希望は残ってたわよ」
リョウト「0号を倒したら全部
終わります。そしたら碇所長も皆に本当のこと言ってください」
ゲンドウ「ああ、問題無い」リッコ「貴方、碑文に書かれていた
凄まじき戦士になるつもり?」加持「確か 聖なる泉 枯れは果てる時 凄まじき戦士 雷鳴と共に現れ 太陽を闇で覆わん  てやつか?リョウト「僕そろそろ行きます。戦士の力があって本当に良かったとおもってます。皆さんに会えたから。
もし0号を倒した時僕に戻らなかったらベルトを狙って下さい。
あの時の傷直ってませんから。また後で」

ゲンドウ「彼一人に押し付ける事になってしまったな」
加持「彼なら大丈夫ですよ」

もうちょっと続きます。

288 :プロローグ2:02/05/20 02:25 ID:???
3年後 研究機関ゲヒルンは
未確認生命体の脅威が去りその役目を終えようとしていた
だが新たなる闘いが幕を開けようとしていた。
世界規模で再び起こる連続殺人。被害者には共通点が有った。
国連は対策組織ネルフを結成する。
司令には、未確認の際の実績から碇ゲンドウが就任。
各主要国家にも支部がつくられた。
そしてネルフ本部が有る第三新東京市に一人の少年が訪れる。
シンジ「此処が僕の住む街か。確か迎えが来る筈だけど?」
辺りをキョロキョロ見回していると一人の少女が近ずいて来る。
マユミ「あ..あの、碇シンジさんですか?」
シンジ「うん。そうだけど」
マユミ「貴方を迎えに来たんです」

次回 新世紀エヴァンゲリオン アギト
第1話『目覚める力』
シンジ「これが僕の力?」トウジ「なんなんや!!この力は!!」
ミサト「レイ!!」リツコ「彼は今どこに?」
レイ「了解」

289 :設定1:02/05/20 02:58 ID:???
碇シンジ 主人公 第三新東京市について早々に使徒との
闘いに巻き込まれるも一人の少女を庇い重傷を負うが
アギトに変身し退ける。異なる世界から逆行してきたが
本人はその事を記憶していない。

綾波レイ ネルフの開発したG3と呼ばれる強化装甲を着用し
使徒と闘う。 4年前、未確認生命体に目の前で家族を
殺されている。そのとき4号に命を助けられリツコに
引き取られ養女となる。

アスカ 中盤から登場 アギトである事にプライドを
持ちアギトは自分一人でいいと考えている。
シンジ達との出会いにより人を護る為に戦うようになる
アナザーアギトと呼ばれる。

トウジ ギルスに変身するが不完全な変身の為
体への負担が大きい。使徒とアギト(シンジ)の戦いに妹が
巻き込まれたため両者を敵として行動するが後に和解。

ゲンドウ 逆行してきた。其の事を知っているのは
リツコとリョウトのみ

290 :設定2:02/05/20 03:36 ID:???
リョウト 4号 かつて人々を救うが姿を消す。
そしてゲンドウによばれ三尉待遇でネルフに就職する。
体内の霊石が自己修復中の為変身出来ない。

リツコ 技術部所属 4号のデータを元に
G3を造り上げる
ミサト 作戦部所属 シンジとマユミと同居
加持 諜報部所属 リョウトの事を知る数少ない人物

オペレーター3人 ヒカリ ケンスケ 本編準拠

SEEL ネルフの上位組織 アギトの力を欲している。


 

291 :13-5:02/05/20 23:33 ID:???
<惣流>

よし! 行くわよ…アスカ!
自分に気合を掛け、加持さんのオフィスの扉の前に立つ。
「加持さん!」
「ワッ!」
すかさず、モニタと睨めっこしている加持さんに体ごと飛び込む。
ヒトに憧れる事や、好きになる事には理由なんて無いと思っていた。
当然、心理的機制や深層心理の内奥などについては大学で一通り学ん
だけれど、自分に当てはめる気はしなかった。
…それこそが、自我防衛機制の陥落。
「アスカか。忙しいんだ」と言いながらモニタをブラインド状態にす
る寸前、見知った名前が目に入る。
思わず、無思慮な言葉が口をつく。
「何これ、どういうこと? フォースチルドレンが何でこいつなの?
イヤ…わかんないわ! 何なの、これぇ!?」
シンジ、カヲル、そして…鈴原ぁ!?
でも、わかっていたのかもしれない。
エヴァのパイロットの条件は、後天的なファクターよりも先天的なフ
ァクターが大きい事を。
しかし、それを認める事は出来ない…。
私だけは…私だけは違うから。

292 :13-6:02/05/20 23:33 ID:???
<渚>

リリンの生への盲目的な欲動。
僕には分からない。
でも、それがリリンのリリンたる所以か…。
アダムの分身、リリンの僕たるエヴァ三号機。
その搭乗者…鈴原トウジくん。
悲しみを綴り、その先に何があるというのだろう。

「シンジくん。一緒に空を身に行かないかい?」
母なる太陽が中天に達しているこの時間は、僕達は自由だから。
「…屋上かな。カヲルくん? …まだ昼休みもあるし…うん」
そうして、シンジくんは微笑み浮かべる。
繊細な脆いココロ。
「そうだ。アスカさんと、レイさんも誘ってもいいかい…シンジくん」
ごめんね。
君の嫌がる事を言って。
「…カヲルくんが言うんなら…僕は別に」
早速、アスカさんはこちらに視線を向けている。
僕は軽く手を振りながら「アスカさん。レイさん。少し…いいかい?」

293 :13-7:02/05/20 23:34 ID:???
空が抜けるように蒼い。
雲もなく、限りなく蒼。
手すりにもたれながら、空を眺める。
アスカさんが僕に指を突きつけながら「…ああ、もう! 話しがあるな
ら早くしてくれない? ぼけーっと、空を眺めているほどこっちは暇じゃ
ないのよ!」とまくし立てた。
それに綾波レイ。この星で生きていく為にはやはり君も僕と同じカタチを
取っているんだね。
「……」 
その、沈黙にも強く深い意思を感じる。

「…どうして、シンジくんに教えて上げないんだい……? トウジくんの
事を」
虚をついたのか、アスカさんも、綾波レイも押し黙っている。
「…? トウジの事? トウジがどうか…」
シンジくんの言葉を遮り「アンタ馬鹿ぁ…! 今日は三号機の試験日。そ
して、あの馬鹿が休み。これでもまだ分かんないの…?!」と、拗ねた幼
子のように言葉を紡ぐ。
何だか空の蒼さを湛えたような雰囲気で、言葉を紡ぐは綾波レイ。
「三号機専属搭乗者。フォースチルドレン…鈴原くんがそうだから」
シンジくんは顔を左右し、僕達の顔を見渡している。
「…皆、皆知っていたの? 知らなかったのは…僕だけ?」
そして、彼の感情の振幅の大きな揺れを感じた。
ATフィールド。
誰もが持つ、ココロの壁。

294 :13-8:02/05/20 23:35 ID:???
「何でだよ! 分かってたんなら…教えてくれたってッ! 僕は…トウジ
に何も、何もして上げる事が出来なかった。ずっと一人で悩んでいたのに
気付かないで、そして何の助けにもなってあげられなかったッ…!」

アスカさんは、両手を組み気まずそうにしていた。
綾波レイは「…ごめんなさい。碇くん」と、一言。
僕は彼の手を取り、握り締めていた。
その時、僕達の携帯端末が一斉に響き渡った。
緊急招集。
…ヒトがヒトを拒み続ける限り、生き残り選ばれるモノはただ一つ。

295 :13-9:02/05/20 23:36 ID:???
<冬月>

「…碇、たった今連絡が入った。松代の参号機起動施設で大熱量反応を検知。
そして、識別不明の巨大物体がこちらに向っているとの事だ」
「それが意味するモノは、一つ。迎撃準備急げ」

発令所が沸き立っている。
俺は、雑多な命を下しつつ、いつもの二人のポジションが空白なのを見遣る。
「救助及び第三部隊をただちに派遣。戦自が介入する前に全てを処理せよ」 
エヴァ三機の配置はすでに完了。
今回はフィフスは機体が無い為、待機。
機体があったとしても、使いたくは無いがね。
後は、結果待ちか…。

「パターン、オレンジ。使徒とは確認できません」
さて、どうする碇。
「第一種戦闘配置」
やはりね。

「エントリープラグ射出及び活動停止信号受け付けません!」
いつもの両手を組み、口元を覆い隠す姿勢でまんじりともしない、この男
の耳元に俺は囁く。
「これは…不味いな。だが、パイロットの生命反応は有り。厄介だな」
また、嫌な笑みを浮かべて、この男は決断を下した。
「エヴァンゲリオン三号機は現時刻をもって破棄。目標を第…」
やれやれ、これで奴さんは使徒だ。

296 :1:02/05/20 23:40 ID:???
>284
有難うございます!
もう終盤も近いし、頑張って書いちゃいます。
それと、エヴァ板・感想スレッドにカキコして
下さってた方々にも感謝を。

297 :1:02/05/21 02:03 ID:???
>289
あの、アギトとは何でしょうか?

298 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/21 20:56 ID:???
>>197
仮面ライダーアギトのことと思われる。

エヴァネタはデフォルトで問題ないが、仮面ライダーは知らない人が多いので、
知らない人にも理解できるように書かないと、独り善がりの謗りは免れ得ない。

最近、アギトといわれるとPSOの刀を思い出すが。

299 :13-10 :02/05/23 02:15 ID:???
<碇>

「ミサトさんもリツコさんも居ないのに…」
とても不安な気持ちになる。
綾波が俺を諭すように、モニタから囁く。
「今は碇司令が直接指揮を取っているわ」
尚の事、気持ちが乱れた。

「さぁてと、おいでな……え!?」
モニタ越しにアスカの息を呑む声が聞こえた。
俺は急いで、正面の主モニタに目を向けると。
赤い夕日が地平線に沈んで行く。
その血のような朱色の染まりつつ、迫ってくる敵は…。
「え? あれが、使徒…」
管制からの声。
「そうだ。目標だ」
あれは、あれはエヴァじゃないか!

300 :13-11:02/05/23 02:16 ID:???
<惣流>

まさか…エヴァが乗っ取られるとはね。
さて、どうするアスカ。
…馬鹿トウジが乗っているかもしれないし、そうでないかもしれない。
「…命の選択。まるで、カルネアデスの船板じゃない……」
自分が弱気になっているのが分かる。
でも、でも…敵は殲滅あるのみ。
ごめんね。
ヒカリ。

私のエヴァ弐号機がエヴァ…否、使徒に一番接近した位置にいる。
先陣を切るのは私。
エントリープラグを傷つけずに、使徒を倒すには…。
「そこ…!」
バレットライフルを使徒の頭部に向けて、集中的に発射する。
ちっ! この距離では効果が無い。
ひゅっ。
畜生! 使徒の腕に足を掴まれ転倒する。
「あ…うぐぁ…」
そして、使徒のその伸縮する腕に首を締められてしまう。
喉を締め付けられて、息も出来ない。
私は必死に手動操作で、エヴァ弐号機とのシンクロを50%カットする。
「くっ…ふぅ」
まだ首を締め付けられる苦しさで思わず喘ぐ。
シンクロをカットした事により、エヴァの動きが腹立たしいほど鈍くなっ
ている。
何とか自由な両手で、プログナイフを使徒の腕に何度も何度も振り下ろす。

301 :13-12:02/05/23 02:17 ID:???
振り下ろすたびに、使徒の体液が私のエヴァの腕に飛び散るのも構わず、
ひたすらナイフを振り続けた。
その体液を浴びた、両の手に激しい違和感を感じた。
「弐号機が使徒に侵食されています!」
「弐号機の両腕を強制切断。急げ」

「ぁ……がっ!」
電撃のような痛みが脳髄を駆け上る。
零れる涙がLCLの中に漂っている。
そうして、エヴァ弐号機の活動が完全に停止してしまった。
負けちゃった…私。
どうしよう。
負けちゃったよぅ。

自分の事しか見ていなかった。
良く言えば自分の事だけで精一杯で、他人の事…見る事が出来なかった。
違う。
ただ、ただ…世界には自分しか居ないから。
だから、他人の痛みには何も感じなくて済んだ。

302 :13-13:02/05/23 02:18 ID:???
<綾波>

彼を感じる。
寂しさと虚しさに満ち満ちた、その心。
でも、返して。
鈴原くんを返して。

私は小山に隠れて、彼を待つ。
そうして…倒さなくてはならないから。
倒さなくては…いけないから。
管制。「…目標は弐号機を沈黙させた後、再度移動を開始しています」
司令。「…レイ。今、初号機をそちらに向わしている。目標を足止めして
おけ」
目標を捕捉。
撃つ……撃たなくては駄目。
司令が私に命令を下す。「どうした…レイ? 早く撃て」
その時。

303 :13-14:02/05/23 02:19 ID:???
<碇>

零号機が、綾波が…。
エヴァの赤い体液が地面を真っ赤に染めている。
残照の燃えたつような赤。
エヴァの血の色。
視界が赤一色に染まる。

零号機は両腕をもがれ血がどくどくと流れ続けている。
その時、零号機の片足がその付け根から引き千切られて、血が噴出しエ
ヴァと使徒を血塗れに染め上げる。
もう片方の足もあらぬ方向を向いていて、定期的に痙攣を繰り返している。
「綾波…ぃ!」
サブモニタからは、綾波の苦悶する表情と呻き声が漏れ聞こえる。
どうしよう…。
どうしたら良いんだ…!
このままじゃ、綾波が。
でも、中にはトウジが。
鼓動が早くなり、胸が苦しい。
「やれ。それは使徒だ。我等の敵だ。シンジ…目標を殲滅しろ」
中にはヒトが乗っているんだ!
トウジが…トウジが乗っているんだ!
「お前が倒さなくては、レイは死んでしまうだろう。それでも良いのか?
シンジ」
うるさい!
煩い!
五月蝿い!

304 :1:02/05/23 02:59 ID:???
>298
テンクス。
作者さんも、一読者として楽しみにしていますので、
頑張って下さい。

305 :40:02/05/24 15:48 ID:pKSRQRWc
ずっと上のほうでちょこっとだけ書いたんですけど、
結局複数にわけて投稿するのが面倒になり、こういう形での発表です。
所詮、風呂敷ですから。

http://isweb32.infoseek.co.jp/play/eva-2ch/cgi-bin/upload/dat/eva0005.htm

306 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/24 17:08 ID:???
おお!
いいねえ。続き期待してますよ!

307 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/24 17:10 ID:egAse1uA
>306
誰に言ってるのよ?

308 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/24 22:45 ID:???
>305
なんか良く分からないけど、なんか続きが読みたいような。

309 :13-15:02/05/28 17:00 ID:???
「…う…ぅ。はぁはぁ。ぃ…碇くん…。駄目。私が死んでも変わりは居る
から…駄目」
綾波が苦しそうに眉を顰め、苦しい息の中、俺に語りかける。
何を言っているんだよ!
変わりがいるって何なんだよ…!

エヴァ参号機が残った零号機の足を、ねじ切るようにして引き千切り、放り
投げる。
噴出する血の勢いも先程とは比べ物にならないほどの少量となってはいたの
だが、そのほどばしる血が電柱や家々をべっとりと血塗れに染め上げる。
「ぐぅぅ…ぁ!」
綾波の苦悶の声が聞こえる。
そして、そのか細い肢体が悶え、震えている。
管制からの声が漏れ聞こえる。
「ダミープラグの搭載…急がせるべきだったな。仕方が無い。初号機は一
時退避。急げ」

310 :13-16:02/05/28 17:01 ID:???
逃げちゃ駄目だ。逃げちゃ駄目だ。逃げちゃ駄目だ。
アスカ…カヲルくん。
助けて…助けてよ…。
爪が肉に食い込むほど強く拳を握り締める。
今、何もしなければ俺が此処にいる理由は何だろう。
そして、この手に握っているモノは何をする為にあるのだろう。
答えは一つ。
敵を…使徒を倒す為。
エヴァが握っているモノは、俺自身が握っているのと同じだから。
「…シンジ、お前には失望した。一時撤退だ…急げ」
馬鹿野郎。
勝手な事ばかり言いやがって。
手足を失った零号機に使徒が馬乗りになり、首を絞めている。
「ぅ……ぅぁ」と喘ぐ、綾波。

311 :13-17:02/05/28 17:01 ID:???
命の選択。
俺にとって、綾波とトウジどちらが大切なんだろう。
こんな事考えてはいけない。
それは分かっている。
でも。
トウジとの今までの思い出が頭を過る。
最初は自分勝手な熱血馬鹿だと思っていた。
でも、何だかんだいっても、クラスの中で一番俺の事を心配しても
くれた。
仲良くもしてくれた。
そして、俺の所為でケガをした妹の事。
お母さんがいない家庭で、トウジが家事をしている事などを話してくれた。
その時は、どうでも良いと思いながら聞き流していた。
今になって、何故かその言葉の一つ一つが鮮明に蘇る。
…結局、俺は最後までトウジの事を一回でも真剣に考え理解しようとはし
なかった。
だから、いつも一緒にいたのにアイツの悩みも分かってあげられなかった。

……でも、ごめん。
俺はトウジよりも綾波に死んで欲しくない。
それが、正直な…そして自分勝手な醜い本音だから。

312 :13-18:02/05/28 17:02 ID:???

「零号機パイロット、心拍及び血圧急速低下! このままでは危険です!」
「心拍停止! プラグスーツの生命維持機構を緊急起動します!」
管制からは悲鳴のような怒号が飛び交っている。
視界の隅で父さんが立ち上がり「撃て…! シンジ!」と叫んでいた。
でも、もう俺は正面主モニタの強化型ポジトロンスナイパーライフルの照準
しか見ていない。
…目標をセンターに入れて。
……。
………。
…………。
……………。
……………撃つ。

「こ、高主力エネルギー…エヴァ参号機いえ、使徒のエントリープラグを貫通」
「目標沈黙。参号機パイロットの生命反応感知出来ず……」
「零号機パイロットの心拍活動再開を確認」
……何だか、頭の中が真っ白だ。
管制からの言葉がただ、耳を突く。
しだいに、自分がやった事から目を背け続ける事が出来なくなり、体の震えが
止まらなくなる。
涙がぽろぽろと止まらない。
俺の目の前に、自分が流した涙が粒になって漂っているのが見える。
「現時刻をもって、作戦を終了する。第2種戦闘配置に移行」

「うわぁぁぁぁぁ!! あぁぁーぁぁ!!!」
ただただ、衝動に突き動かされて泣きそして叫び続けた。

313 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/28 17:24 ID:lclRuq/k
 

314 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/28 21:28 ID:???
うおおおお!!スゲェ展開だ。心理描写もいい。
全てが崩壊する予感。いやたまらん。
はやくつづきーーー!!

315 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/28 21:33 ID:???
アスカの時と同様に、「代わり」が出てくるのかな。

316 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/29 02:06 ID:???
初めから一気に読んでしまった。
大変面白いです。続きに期待してます。

317 :14-1:02/05/29 17:49 ID:???
<葛城>

「…あなた、また出張ですか…?」
どこかぼんやりとした、女の声を背に受けながら男は「ああ」とだけ答え、
黙々と新聞を読んでいる。
「…今回は、何処へ行かれるの」
会話を断ち切るかのように、男は新聞をたたみ、立ち上がりながら「…南極
だ」と呟き、その部屋を出てゆく。
机につつぷして、静かに泣いている女。
そして、それを見ている…14歳の私。
夢?
そう、こんなのは夢に決まっている。

「…生きている」
「気が付いたか…葛城」
薄ぼんやりとして、焦点が合わない。
また、嫌な夢を見ていた。
「大丈夫か…?」と心配そうに、加持君が私の顔を覗き込んでいる。
「ええ。それより、参号機はどうなったの…?」
加持君の苦々しい顔。
こう言うときの彼は、凶報しか齎さない。
「使徒として処理されたよ…。シンジ君の初号機でね」
「…あの、フォースの少年…鈴原君は…?」
加持君は、静かに首を横に振る。
結局、シンジ君に何も言えず、その手を血で汚させてしまった。
取り返しのつかない事だけが、ただ雪のように降り積もって行く。
「私…私、シンジ君に何も話していない…」
私は、この時…シンジ君と顔を合わせる事が怖かった。

318 :14-2:02/05/29 17:50 ID:???
<碇>

もう、何も考えたく無い。
もう、何も聞きたく無い。
消えてしまいたい。
死にたい。

「LCL排水開始。パイロットはLCLの完全排水後、気圧の調整が終りしだ
い、最終安全装置を確認の上…」
「はい」
もう、駄目だ。
もう、エヴァには乗らない…いや、乗れない。

「エントリープラグ射出。ボトル固定。内部減圧終了。パイロットは速
やかに、プラグ内から降り、所定区画まで向ってください」
「はい」
命令された事に従うのは、楽だ。
何も考えなくて良いから。

319 :14-3:02/05/29 17:51 ID:???
消毒、着替え、そうして定期身体検査。
それらが全て終了すると、俺達は解放される。
そして、父さんに会いたい旨を職員に伝える。
何だか、もうどうでもいい…。
職員はその場で、端末により色々と連絡を繰り返していた。
「司令は忙しいとの事なんだけど…どうしても、今じゃないと駄目かい?」
「…お願いします。どうしても、今…会わなくちゃならないんです…」

初めて来た、父さんの執務室。
初めてにして最後の。
「私は忙しい。要件を的確に述べろ」
はは。
何故だか、もう父さんの事が怖くないや。
「…僕はもうエヴァには乗れません。いえ、乗ってはいけないんです」
父さんは逆光を背にしていて、どんな表情をしているのか分からない。
でも…。
その唇が淡い笑みを浮かべた事だけは…分かった。

320 :14-4:02/05/29 17:51 ID:???
「何故だ? また、いつものように…逃げるのか?」
そう、嫌な事から逃げて何が悪いんだ。
苦しい事ばかりで、頭がおかしくなってしまう。
俺は無意識の内に、両の掌を堅く握り締めていた。
…自分のした事、それに対する自分の欺瞞に気づきそうで怖かった。
「はい。もう…嫌です。どうせ、僕の他に3人もパイロットはいるし、
それに…父さんだって僕なんか本当は要らないんだ…!」
何故だか、感情が昂ぶる。
…自身が犯した償いようの無い罪、自らの手が血に汚れた事から目を逸ら
す為に。
「甘えるな…シンジ。お前はヒトを一人殺しているのだぞ…? エヴァか
ら降りるとなれば、当然司直の手が及ぶ。そして、お前は自らが犯したそ
の罪からも一生逃げ続けるのか?」
僕が…俺が…人殺し…?
俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が…殺した?!
体の震えが止まらない。
歯の根が合わず、かちゃかちゃという、歯が擦れ合う音が響いていた。
「嫌だ…そんなの…嫌だぁぁぁ!! どうしよう…どうしよう……」

321 :14-5:02/05/29 17:58 ID:???
感情の奔流…恐怖、興奮、悲しみ、喪失感、取り返しのつかない事をして
しまったという…悔恨。
止められない。
もう、自分では止める事が出来なかった。
「嫌だぁぁ!! 嫌だぁぁぁ!! 助けて…誰か僕を助けてよ…ッ!!
糞糞糞ッ!! 俺は…俺はァァ!!」
泣き喚いていた。
ただ、ただ。
「医者を司令室まで寄越せ。サードチルドレンに安定剤の投与が必要だ」

<惣流>

「これはあの馬鹿…立ち直れないわね…」
シンジの病室の外で。
カヲルとファーストも…何も話さない。
ただ、二人とも少しだけ寂しそうな表情をしている。
これで…再びトップの座に返り咲く事が出来る…か。
違う。
そんなのは、違う。
それでは、私が私である為のプライドが…。

322 :14-6:02/05/29 17:59 ID:???
それに…あの馬鹿にだって良い所は少しはあった。
……勿論、トウジの奴だって…悪い奴では無かった。
でも、他人の痛みを完全に理解出来ると言うほどの偽善者でも無い。
戦いに死はつきもの。
有史以来…ヒトは己を保つために戦い続けてきた。
だから、私も前に進むしか無い。
それが例え、シンジ達を置き去りにする結果になろうとも。

結局は自分が全てだから。
ただ、窓側のソファに座っている、カヲルとファースト。
アンタ達だって、自分が手を下さなくて良かった、自分が死ぬのでは無く
て良かったと、腹の底では思っているんでしょ? いや、そうに決まって
いる。
だから、私は意地悪を言う。
「ね…アンタ達。もし、自分の大切なヒトとそうでないヒトの命を選択す
るとしたら、当然大切な方を取るわよねぇ」
ファーストの目を真直ぐに見詰めながら「だから、良かったわね。ファー
スト。アンタ、トウジより大切に思われていたみたい…シンジに」と。
…最低、私。
自分の吐き出す言葉への後悔と、幾分の苛立ちが募ってくる。

323 :14-7:02/05/29 18:00 ID:???
ファーストがすぅと立ち上がり、スタスタと歩み寄って…私の頬を張る。
頬に鋭い痛みが走り、知らぬ間に私は頬を抑えていた。
「痛っ…! 何すんのよ…アンタっ!」
パァンっ!
私も、ファーストの頬を殴り返す。
ファーストは身じろぎもせず、私をただ見詰めている。
分かっている…分かっているわよ! 
…そう、悪いのは私だ。
でも、それを認めるわけにはいかない。
「そう言う事、言っては駄目。何故自分を苦しめるの?」
と、カヲルもソファに腰を掛けながら「他人を傷つける事によって、自分
をも更に傷つける。駄目だよ…もっと、大切にね。自分も…他人もね」と説教。
「五月蝿いッ…! もう、あんたらの顔何か見たくも無いわ!」
そしてまた、逃げ出す私。

324 :1 :02/05/29 18:04 ID:???
>314
何と言ったら良いものか…。
正直、ただ嬉しい限りです。

>316
本当に勿体無いお言葉です!
他のエヴァSSと比べボリュームが無いので、直に読み終わって
しまいますね(w

325 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/29 18:44 ID:???
語らんかスレで絶賛してる奴がいたから読みにきましたです。

すげー面白い。続きとっても気になるんで早く早く。

326 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/29 20:42 ID:???
凄い面白いです。
頑張って下さい。

327 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/29 21:55 ID:ZoxRF3yA
>「甘えるな…シンジ。お前はヒトを一人殺しているのだぞ…? エヴァか
>ら降りるとなれば、当然司直の手が及ぶ。そして、お前は自らが犯したそ
>の罪からも一生逃げ続けるのか?」

これどう言うこと?
ネルフって軍隊じゃなかったの?(命令の下に行った戦闘)

ゲンドウのセリフ読んでると、苛々するよ。

328 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/29 22:09 ID:???
うん、この作品のゲンドウは元よりさらにドキュソだね。
まあ、他のキャラもそれに磨きをかけてるようだが。
何はともあれ盛り上がってきたし、がんがれ。

329 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/29 22:11 ID:???
ブラフだろ。

330 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/29 22:15 ID:???
あんまり「面白いです!」とか書かないほうがいいよ。


湧いてくるから(ワラ

331 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/29 22:29 ID:???
たしかに最初はつまらんかったが藁、
レスをこなすほどに「伸びて」きてるよね。
今ではカナリレベル高いとこまできてるとおもうよ?
FF界でもね。

332 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/30 00:07 ID:???
なーんか御大臭が・・・。台詞の言い回しも皇国の新城や地連の南郷みたいだし・・・。
「東京の優しい掟」や「虚栄の掟」に似てるところもあるし。

333 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/30 00:16 ID:???
感想はこちらへどうぞ

http://teri.2ch.net/test/read.cgi/eva/1021519765

334 :14-8:02/05/30 21:40 ID:???
<綾波>

葛城三佐に呼ばれた。
あの人…渚くんと共に。
「二人とも薄々は気づいているでしょう…? シンジくんやアスカの事」
一瞬三佐は戸惑い、口を噤む。
「で、これからは戦闘の際に、レイにはシンジくんを。カヲル…くんに
はアスカのバックアップお願いしたいの。当然、二人には内密にね」
葛城三佐は怪我をしている。
でも、生きている。
そして、鈴原君は死んでしまった。
替わりもいないのに。
何故…?
今、司令の顔を思い起こしても心地良くない。
今、葛城三佐と話していても…何だか…鼓動が早くなる。
「それは命令ですか?」
葛城三佐は「そう、命令よ」と言う。
「命令なら、従います。後、何?」
「…何って…。もう用事は済んだけど…」
「そう。さよなら」
そうして、帰る。
誰もいない、あの部屋へ。
何故だか、今日は早く眠りたい。

335 :14-9:02/05/30 21:41 ID:???
<渚>

「渚くんもそれで宜しく」
「はい」
葛城…ミサト。
15年前から僕は彼女を知っている。
あの時から、随分と変わったようだ。
でも、本当は何も変わってはいない。
シンジくんやアスカさんと同じ…脆いココロを抱えて生きている。
それに、僕達も又変わって行く。
僕と同じ存在である、綾波レイが変わりつつあるように。
葛城さんは驚いたのだろう。
綾波レイの反発に。
「葛城三佐、お怪我は大丈夫ですか?」
彼女は怪我をした手を擦りながら「ああ、これくらいどーって事ないわ。
…シンジくんの心の傷からすれば…ね…」と、彼女は受け流す。
「…シンジくんはきっと…大丈夫ですよ」
「…そうだと良いのだけど…。鈴原くんの為にも…ね」
僕は、ゆっくりとお辞儀をし、部屋を出る。
「それでは、失礼致します」
綾波レイは…。
貴方達に対し怒りを覚えているのですよ…と言う言葉を飲み込みながら。

336 :14-10:02/05/30 21:42 ID:???
<ゲンドウ>

「赤木博士。エヴァ初号機及び弐号機へのダミープラグの換装、急ぐように」
「しかし…初号機はともかく、弐号機の互換性は…」
「その為の…フィフスだ」
「…分かりました。それと、ドイツからのエヴァ五号機の搬送は遅延する旨、
NERVドイツ支部から先ほど通達が届きました」
…赤木君は頭部裂傷及び軽度の脳震盪。
全治…三週間。
先ほど上がって来た、諜報部からの報告書の文面をふと、思い起こす。
「今回の件で老人どもも、肝を冷やしたようだ。引き続き、搬送の為の工作
は続行するように…」
報告書を持つ彼女の手が震えている。
立ちどうしは辛いのだろう。
「はい。では、これで失礼致します」
何かを訴えるかのように、俺を見詰めている。
「ご苦労だった。下がってもいい」
ドアを潜る、彼女の背中に声を掛けた。
「君には期待している…赤木博士」
人類が新たなる神の卵と成らんが為に。
いま少し、彼女には働いてもらわねばならない。

337 :14-11:02/05/30 21:43 ID:???
冬月センセイは現場で、使徒の後始末を起こっている。
俺は、手袋を外し掌を見遣る。
アダム…白き月よりの正当なる後継者。
だが、アダムも…我等が始祖たるリリスすらも、未だ神への階梯を上り詰めては
いない。
所詮、完全な単体たる使徒や…不完全な群体たる我等が人類と何ら変わりは無い。
ならば、ヒトが神となって何がおかしいのだろうか。
「ヒトは全か無か。神との合一か死以外に選択肢は無い…」
そうして、新たなる神は男女(おめ)又は、アニマとアニムスが引き合い、溶け合っ
て誕生する。
「もうすぐだよ…ユイ」

シンジ。
もうじき全てが終焉し、新たなる新世紀が創世される。
最後の審判を告げるラッパは、高らかと地に鳴り響いているのだから。

338 :14-12:02/05/30 21:43 ID:???
<加持>

「なる程ね…。フィフスの少年はイスカリオテのユダか」
しかし…碇司令。
ユダも又、自由意志を持っている事の危険性も承知の上ですかな。
リッちゃんの研究室の、独立端末からのデータを媒体に保存する。
MAGIによる干渉がなければ、これくらいの事は容易い。
だが…。
かちゃ。
やっぱり…ね。
俺は、両手を挙げてゆっくりと振り向きながら「やっぱり、トラップを仕掛けてあ
ったんだね…リッちゃん」と呟く。
左手をポケットに突っ込みながら、リッちゃんは俺に銃を突きつけている。
…やっぱり、泣きほくろが少しだけ…寂しげだ。
「…前に、忠告したはずよ。旧友としてね」
「だけれども、思うように行かないのもまた、人生なんでね」

339 :14-13:02/05/30 21:44 ID:???
俺は手近の椅子に腰を下ろし、煙草に火を付ける。
「で、俺はどうなるのかな…? どうせなら、君のようなチャーミングな女性に殺
されたいものだがね」
リッちゃんは、ふっと笑みを浮かべ、銃を降ろす。
「今回が最終警告ね。次は…保証出来ない。それに…秘匿データをそんな独立端末
に入れておくわけないでしょ」
煙草の紫煙を吐きながら、俺は一人ごちる。
「まぁね。この程度の情報露呈は寧ろ…かく乱の為。どうせそんな所なんだろう…?」
「そう言うこと。所で、煙草一本頂けるかしら…?」

340 :1 :02/05/30 21:47 ID:???
全てのレスを下さった方々に、レスを返したいのですが、
うざくなるので控えます。
…とにかく、私の拙いSSをお読み下さり本当に有難う御
座います。

341 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/30 23:21 ID:???
後輪。ってかいた名無しです。

・・・いやがんばってください・・・漏れのために爆

342 :14-14:02/05/31 22:24 ID:???
<碇>

気が付くと、白い天井が目に入った。
涙が頬や枕をぐっしょりと濡らしている。
そう…夢を見ていた。
悲しい、寂しい、そして…怒りと憎しみとが渦巻く夢。
…でも、それは夢では無く現実だった。
……もう…駄目だ。
俺は俺自身を許せない…こんな自分は消えてしまえばいい。
「……死にたい」
ぽつりと呟く、その言葉。

…どうすればいいんだ、どうすれば。

──ソレハ取りかえしのツカナイ事──
どうしよう…どうしよう。

──ソレハ取りかえしのツカナイ事──
嫌だ嫌だ嫌だ…嫌だ…。
人殺しにはなりたくないッ!

343 :14-14:02/05/31 22:24 ID:???
──でも…オマエハ人殺しダ──
どうしょうも無かったんだ…!
だって、使徒は倒さないと綾波が…綾波が死んでいたんだッ!

──だから、好きなオンナノコを選んだ──
そうだよ…! だってそうだろ…!
男の友達よりも、女の子を選ぶ方が当たり前なんだ…っ!

──結局、自分自身の心地よさしか…ミテイナイ──
違うっ! 
…否、そうかもしれない。
でも、それの何が悪いんだッ!
結局は、世界には自分しかいないんだ。
他の皆や全てのモノは、俺がいなかったら何の意味も無いから…。
俺に取っては。

──そう。そして、他のヒトも皆、同じように考えている──
──お前は、トウジを殺す事により、彼の世界を壊した──

344 :14-15:02/05/31 22:25 ID:???
──ソレハ取りかえしのツカナイ事──
「あああ…ぁぁぁ!! 僕は悪くない…悪くないんだっッ!」
手当たりしだいに、モノを投げつけ破壊しながら。
「そうさ。父さんが悪い…ッ! ミサトさんだって…いなかったから…!」
俺は気が触れたように、泣き喚き続ける。
「アスカだって…直にやられたから悪いんだっ! 綾波だって…そうだ、
綾波が一番悪いんだ…そうだそうだ、はは……。ああああああああ!!!」
俺は押さえつけられて、上腕に注射され…意識が心地よい闇に落ちて行く。
その寸前、非常警報が発令されるのを耳にしながら…。
もう、どうなってもいい。

345 :14-16:02/05/31 22:26 ID:???
<葛城>

「で、マヤちゃん…状況どう?」
発令所全体の雰囲気が浮き足立っている。
無理も無いか…。
初の使徒の複数同時展開。
私も、細かく膝が震えている。
「はい! 球状の使徒は0825時に突然第三新東京に出現。現在、直上にて定点
的に静止中です。当然、この使徒の直下はNERV本部です」
「次に、旧東京湾より出現したもう一体の使徒の到来を戦自により、NERVへと
通達されたのは0830時。その使徒による戦自沿岸阻止部隊の全滅が0832時。強
羅絶対防衛線突破が0840時です…」
くっ…せめて五号機の搬入が間に合っていたら。
ぐちを行っても仕方が無いわね。
「エヴァ零号機と弐号機で、強羅絶対防衛線を突破した使徒…呼称・乙の迎撃。
初号機は…」
…そうか、初号機は…シンジくんは…。
あれから、私は彼と顔を合わせてはいない。
私自身の躊躇い故に。

346 :14-17:02/05/31 22:27 ID:???
その時「構わん。シンジの投薬を中断。初号機に乗せておけ」と碇司令。
「しかし…シンジくんは戦える状態では…!」
「これは命令だ。葛城三佐」
リツコが淡々と説明する。
「彼は乗っていてくれるだけで良いの」
「しかし! 現状の彼が出撃した所で…。彼が…シンジくんが死んでしまいます!」
「…初号機は、ジオフロント内地底湖にて待機させろ」
「え! しかし…」
「命令だ。遂行したまえ」
碇司令直々の命令を、彼等が拒否出来る訳もない。
…所詮、私はお飾りね。

そして、アスカとレイに出撃の命を出す。
「いい。アスカ。レイ。現在進行中の目標・乙を殲滅の後、最大戦速で第三新東京
の直上に静止している使徒…呼称・甲への攻撃開始。いいわね」
「はいはい。分かっているわよ。ま、シンジが居なくたって私がいれば十分だし」
「…はい」
「エヴァ零号機及び弐号機リフトオフ! エヴァ初号機はジオフロント内地底湖水
深300で射出!」

347 :14-18:02/05/31 22:28 ID:???
<惣流>

そう、シンジなんか居なくても大丈夫。
今回の戦いで、今までの不調を全て返上しなければならない……絶対に!
でも、何故だろう。
不安で掌がべっとりと湿り、不安と焦燥だけが私を支配する。
「…早くおいでなさい」
その言葉とは裏腹に、体の震えが止まらない。
これで駄目だったら…ドウシヨウ。

「いい、ファースト。アンタは射撃で敵を牽制。その間に私が敵の間合いに飛び込
んで、ATフィールドを中和しつつ近接戦闘で止めを刺すわ」
サブモニタには何時もと変わらぬ、無表情なファースト。
でも。
「…いえ。貴女が敵を牽制。私が攻撃を仕掛けるわ」
……ぇ!? どうして…ファーストが…。こんな事言うのよ…ッ!
私が口を開こうとした寸前「私以外、もう誰も死なせたくないから」とのたまった。
「ふん! 駄目ね。今回は私がやるのよ…」
何で、この私がヤラレル事を前提にされなきゃならないのよ!
冗談じゃない…舐められてたまるもんかですか。

348 :14-19:02/05/31 22:28 ID:???
UNのヴィトールが使徒をエスコートしながら、急速に接近して来る。
そうして、規定誘導ラインを超えた時点でヴィトールは蜂の子を散らすように飛び去
ったのだが。
突然、使徒の目が煌きその瞬間。
一ダース近くのヴィトールが、全て空中で爆散した。
チッ! これは先手必勝ね。
「行っけぇぇぇッ!!」
遠距離戦用のライフル等を、敵に向けて乱射する。
零号機も同じく、ありとあらゆる遠距離攻撃を波状的に繰り返していた。
 
<綾波>

「…くっ」
私は、遠距離攻撃を途切れる事なく繰り返している。
どうしたの…私?
今日は、彼等が…敵が憎い。
どうして…?
私も彼等も同じなのに。
でも、彼等は碇くんを傷つけて…鈴原君を殺したから

349 :14-20:02/05/31 22:29 ID:???
私は誰なの…?
ヒト…?
シト…?
でも、私は彼等よりも碇くんやみんなを守りたいから。

その時。
「………ぅグッ…ぁ!」
苦痛の呻きが、のどからせり上がる。
煙幕の中から突然、彼の攻撃。
その一撃で、零号機の両足が切断された。
唇を噛み、嗚咽を抑えようとするが適わない。
管制からあの人の声が聞こえる。
「レイ…。これより、お前をゲート492より高速回収する。急げ」
分からない。
もう、司令の声には心地よさを感じなくなった。
「…いいえ。遠距離攻撃による弐号機のバックアップは可能です……」
司令はモニタから私を見詰めている。
私も司令を見詰める。

──沈黙──

司令が私から目を背ける。
「…わかった。引き続き作戦続行」

地面に腹ばいになりながら、無事な両手で銃を撃ち続けた…。

350 :14-21:02/05/31 22:30 ID:???
<惣流>

零号機の足を一気に切断した、敵の攻撃。
駄目だ…早すぎて目測出来ない。
それでも、零号機は銃を撃ち続けていた。
どうしたのだろう…。
何かが…私の周りが少しづつ変わって行く。

その時、零号機の頭部が切断され、血飛沫をあげながら私の弐号機の前にごろごろ
と転がってきた。
……っぅ!
「ファースト! アンタ無事なの…!?」
返事は無く、管制からミサトの声。
「大丈夫よ、アスカ。レイは昏倒しているだけだから。それより、ジオフロントま
で一時撤退ね…。戦自にありったけのN2爆雷をオーダーしといたから」
「な…?! 私はまだ戦えるわっ!」
「後、数分でそこは半径30kmのクレーターになるわ。レイを連れて急いで!」

351 :14-22:02/05/31 22:31 ID:???
<葛城>

「…よって、作戦本部長の立場から本部施設の破棄及び、総員及び本部機能
の一時的な退避を提案します」
目標乙にN2爆雷の洗礼も効果無く、敵は本部施設に向って直進を続けている。
それに…目標甲も以前、不気味な沈黙を保っている。
今回は、正に最悪だ。
「それによる一番の懸案はセントラルドグマの…」
「却下する」
「しかし…MAGIによる回答も全会一致で退避を勧告しており…」
「却下と言っている。葛城三佐。本作戦は私が直接指揮を取る」
この糞親父が…ッ!
アンタのエゴでみんなを無駄死にさせるつもりなの…!?
「…赤木博士!」
ふっと、横を向きながら「組織の長の判断を尊重するよりないでしょう」と
何だか投げ遣りに言い放つ。

私はぎゅっと、胸の十字架を握り締めながら、視線は彼を…加持くんを捜し
求めていた。
彼が此処にいるはずもないのに。

352 :熱狂的アヤナミスト原理主義過激派:02/05/31 23:43 ID:???
万歳。イイ展開だ・・・・・・・

353 :14-23:02/06/01 15:24 ID:???
<ゲンドウ>

「弐号機を初号機と合流させた後、反撃に出る。ターミナルドグマへの侵入
阻止が最優先事項だ」
冬月センセイが私の耳に囁く。
「…しかし、使徒の同時複数展開が本当に起ころうとな。具体的な案はある
のか?」
全てを知っていて尚、私に問い掛けるこの男は不快だ。
「ダミープラグを立ち上げる。それに…使徒同士による生存競争も始まるだ
ろうからな」
「地下の彼等が聖母…アダムを巡ってかね…」
冬月は含み笑いを浮かべる。「所詮、使徒も生物の範疇は超える事が出来ん
ようだ、悲しむべき事にね」
それはアナタも同じでしょう? 冬月センセイ。

「赤木博士。使徒がジオフロントに侵入しだい、ダミープラグを立ち上げろ」
「初号機、弐号機双方ですか?」
「無論、双方だ」
君と心中をするつもりは無いのだよ…リツコくん。

354 :14-24:02/06/01 15:26 ID:???
<碇>

母さんの夢を見ていた。
暗く湿っていて。でも温かくて、気持ちよくて。
全身が溶けて、どこまでが自分でどこまでが母さんか分からない閉じた世界。
もう、目覚めたくない。
このまま、溶けて消えて行きたい…。
その時、急に覚醒した…いや、させられた。

そこはエヴァのエントリープラグ内。
いつもの血の匂いがする、俺の居場所だった…場所。
俺は狂ったようにハッチを乱打しながら泣き叫ぶ。
「出して…出してよッ! もう、エヴァには乗りたくないんだ! いや、乗っ
ちゃあイケナインダ…っ! お願い早く出してよ…!」
弐号機のアスカとの通信がオープンになっていた事には気づくはずも無く。
「……アンタ、少し静かにしてくんない…? 正直、気持ち悪い」
「…アスカ? どうして僕は…此処に」
「知らないわよ。そんな事。それより、そろそろ来るわよ。まぁ、アンタが何
もしないで死にたいのならお一人でどうぞ。でも、私の邪魔だけはしないでよ
ねッ!」
苛立ちを含んだ、とげとげしいアスカの言葉に胸が締め付けられる。
「……僕だって頑張ってきたんだ…。だから…僕を怒らないでよっ…!」
「嫌」
アスカは俺を虫を見るかのような視線で一瞥し、ぽつりと呟く。
そして、一方的に回線が切断された。
涙がぷかぷかと、綺麗な玉になってLCLの中を漂う。

355 :14-25:02/06/01 15:26 ID:???
<惣流>

気持ち悪い。
何なのよ…アレ。
…そりゃぁ、アイツにも同情すべき点は幾らでもある。
特にトウジの件は…私になにも言う権利は無い。
でも、駄目だ。
私は、私の事で精一杯だから。
それに、生理的にもアイツのあの態度は受け付ける事が出来ない。

「目標乙が…17層の防御隔壁を瞬時に…! 目標のジオフロントへの侵入を確認!」
…これで勝てなかったら、私は…私は。
「……な!? 直上にて静止中の目標甲にも動きあり!」
チッ! 二体になろうと、三対になろうと…っ!
「目標甲…空間転移……しました…。ジオフロント内NERV本部直上に出現!」

356 :14-26:02/06/01 15:28 ID:???
その時。
周囲のモニタに、プログラムの開始を告げる数式が乱舞する。
──OPERATION DUMMY SYSTEM kaworu──
何よこれ…! エヴァが…私のエヴァが動かない……。
手動操作に切り替え、がちゃがちゃとレバーを引くが何ら反応が無い。
「ちょっとミサト! 何なのよ…これッ!」
「葛城三佐は現在謹慎中だ。指揮は私が取る。弐号機専従パイロットは黙って座って
いるだけでいい。このシステムの方が殲滅には適任だ」
ッ…この親ありて、この子ありね。
畜生…糞っ! 馬鹿野郎! 死ね! 何でよ……ッ!! 何で、私にエヴァを操縦さ
せてくれないのよ……。

弐号機が勝手に動き出す。
悔しいけれど、動きは生きているかのように滑らかだった。
私は膝を抱えて、必死に涙を堪えていたけれど…堪えきる事は出来なかった。
シンジの馬鹿親父の言葉を思い出す。
─このシステムの方が殲滅には適任だ─
か…。
もう、私達は…私はいらないの?
エヴァを無人で動かす事が出来るなら、私の価値はもう…何も無い。

357 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/01 15:50 ID:???
応援さげ。

358 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/01 19:26 ID:???
アスカが相変わらずキレてるな〜

359 :14-27:02/06/01 19:36 ID:???
<リツコ>

神さまの欠片から作ったエヴァをも騙す、ヒトの知恵。
あの人は一人だけで(いえ、二人ね…)神に成ろうとしている。
でも、駄目。
私を置いていくのなら、アナタを神にはさせない。
発令所の正面スクリーンに現在の状況が映し出されている。
初号機と弐号機で、目標乙を圧倒している。
そして、目標甲に以前動き無し…ね。

「これは…。エヴァ初号機及びエヴァ弐号機と目標乙が、影のような物に飲み込
まれて行きます!」
さて、私の仕事ね。
「マヤ。あの影の部分の各種分析急いで」
「はい! 先輩」
私を慕うこの子。
不意に、片頬が歪ませて厭な笑みが零れる。
私がこんなにも汚れていると知ったらこの子…どうなるのかしら?

360 :14-28:02/06/01 19:52 ID:???
数分後。
「MAGIによる分析の結果が出ました。あの影が虚数空間であるとの提議がメルキ
ーオールにより提出され全会一致で、あれは別の宇宙…虚数空間であるとの提議
が採択されました」
「お疲れ様。そう、ディラックの海ね」
モニタの中のエヴァと使徒は、もがきながら虚数空間の海へと溺れていく。
だが、今の私達にそれを止める手立ては何も無い。
ふぅ、ざまあみろね。

「で、あの子達と連絡はまだ可能?」
「いえ。ジャミングが酷くて、ダミープラグ起動直後から不通です」
そう。
叫びも悲鳴も、私達には聞こえないという事ね。

361 :14-29:02/06/01 19:53 ID:???
<碇>

アスカとの通信が切れた後は、アッと言う間だった。
勝手にエヴァが動き出し、湖の底から飛び出して、使徒を攻撃している。
何だ…これなら、もう本当に俺達はいらないんじゃないか…。
急に、地面の底が抜けたようになりエヴァと使徒がずぶずぶと沈んで行く。
そして、光がまったく届かない海の底のような場所に居た。
エヴァ二体が何かを貪っているような、嫌な音だけが、プラグ内に響いている。
内臓電源による、生命維持機構の稼動時間は確か…48時間。
これで終わりかな。
モニタの内部電源稼動時間をふと見遣ると、∞と言う数値記号が点滅している。
どうして∞なんだろう。
どうでも良いか。
そうして、瞼を閉じてゆるゆるとした泥のような眠りに落ちていく。

362 :14-30:02/06/01 19:53 ID:???
「馬鹿シンジ…ッ! 返事しなさいよ!」
アスカのモニタからの怒鳴り声で、目が覚めた。
何だか、いい夢だか悪い夢だか良く分からない、変な夢を見ていた。
時計表示を見ると、あれから10時間近くが経過している。
「…何。アスカ」
「何って…アンタ…。此処からどうやって脱出するとか…生命維持機構の残り
時間とか…」
「多分、内部電源は∞になっているんじゃないかな」
モニタの中のアスカは「ちょっと待って」と言うと、屈み込んで何やら調べて
いた。
「何…この∞って? 熱力学的に有り得ないわ…。これは故障ね」
「ごめん、アスカ。ちょっと眠いんで、通信切るから」
いいよ…もう。
このまま、眠りながら消えてしまいたい。

363 :14-31:02/06/01 19:54 ID:???
<惣流>

始めの数時間は全然平気だった。
でも、それから一時間が経過し…二時間が経過して…。
初号機と弐号機の物理的な距離が広がっていく。
…何らかの特異的な空間に閉じ込められたと言う事は、容易に推測出来た。
それが正しければ、この空間は実存宇宙と同じように、永遠に膨張し続けてい
る虚無の空間。
まだ、初号機との電波通信は可能であるが、後…数時間で…。
「…いいわよ。あんな奴の事なんか」
ぽっりと呟いた言葉が、無限の虚無の中、儚く消えていく。

何時の間にか、通信回線を開いていた。

「待ちなさい。何が眠いよ…この馬鹿……」
モニタの向こうで、シンジが寂しげに微笑んでいる。
「…もう、いい。いいんだ…。僕は人を傷つけることしか出来ない。それに…
何だか、母さんが側にいる感じがするんだ…」

364 :14-32:02/06/01 19:55 ID:???
このマザコン野郎が…。
…でも、羨ましい。
「アンタ本当にこれで良いの…? 何もせず、何も出来ずにこのままこんな所
で死んでも良いの…? 私は嫌っ! 絶対に…!」
「トウジもこれからやりたい事が沢山あったと思う。でも、僕はトウジを殺し
たんだ。そんな僕に生きている資格は無いよ…」
シンジは俯きながら「それに、もう僕達はいらないんだ。父さんにもみんなに
も、これからは必要とされない…」と呟いている。
どうしてだろう。
シンジの言葉が、私を激しく揺さぶる。

──アスカちゃん。ママと一緒に死にましょう──

思い出しては…オモイダシテハいけない。

「私は…私は…アンタとは…違う…」
「どうして泣いているの…アスカ?」
泣いている? この私が?
目尻が熱く、胸を悲しみが妬き焦がす。

──だって、エヴァに乗れない私なんてただのお人形だから──

365 :14-33:02/06/01 19:56 ID:???
認めて欲しかった。
私の才能を。
外見を。
エヴァのパイロットとして、人類を救うこの私を。
でも、本当に欲しかったのは…ただ、無条件に私を愛して承認してくれる人。
この世でたった一人の私を、ただ認めてくれる人。
例えば…ママ。
例えば…シンジ。

「…アンタの言う通り、私達…もう、いらないのかもね……」
シンジはただ泣きじゃくっている。
馬鹿。
一番泣いているのはアンタじゃない。
お互いの嗚咽だけが、モニタを介してその永劫の静寂を破る唯一の音だった。

「そろそろ…時間ね。もうすぐ、通信限界距離により、通信は不能になるわ」
…結局、私は寂しさを抱えて生き、その充足を得る事も無く死ぬ。
ふぅ…。
…どうせ、エヴァに乗っても敵を倒せず、その上私達がいなくてもエヴァを動
かす事が出来るんだから、もう…これでいいのかな。
そして、通信が途絶える寸前に。
この時、この一瞬だけは、なぜだか私はとても素直になる事が出来た。
「ホント言うとね。アンタ、私の初めての対等な友達だったの。だから…」
涙で言葉が詰まる。

366 :14-34:02/06/01 19:56 ID:???
<碇>

「……だから…」
そこでアスカとの、通信が途絶えた。
「…畜生」
何もかもが憎くて、そして悲しかった。
この世でたった一人の俺。
そして、かけがえの無い命を奪った俺。
だけれども…俺だって生きていたい、幸せになりたい。

先ほどのアスカの表情が脳裏を過る。
寂しさ、虚しさ、悲哀…俺と良く似た表情を浮かべていた。
もう…会えないのかな…。
会っても又、傷つけ、傷つけられる事の繰り返しかもしれない。
でも、会いたかった。
アスカや綾波やカヲルくんや…此処に来て、出会った人たちに。
それだけは、俺の唯一つの¨まごころ¨だった。

……母さん? いや、綾波?
大きな、温かい何かに全身を包まれた。
俺は胎児のように身を屈めて、その温かさに全身を浸す。
悲しみも喜びも…全ては消え去り、ただ…気持ちが良かった。
 

367 :14-35:02/06/01 19:57 ID:???
<渚>

彼が泣いている。
その、存在した意味を残せずに消える虚しさに。
そして…断末魔。
思わず、僕は耳を塞ぎ…ココロを閉ざしたくなる。
今日は、彼等の死が重なった。

しかし、僕と綾波レイにだけ聞こえる、断末魔の悲鳴と伴に…新生の産声を
挙げるもの…シンジくんの初号機。
アスカさんの弐号機…僕と同じ存在にも、命の実は与えられたようだ。
僕は…産婆の役を担っている。
でも、僕が産婆を勤めるべきシンジくんのお父さんは…石女だ。
彼は、議長の行動指針である、死海文書は知っている。
それだけでは、議長の動きは読めない。
偽典…すなわち、ゼーレが自身で定めた指標を知らなくてはね。

とにかく。
「お帰りなさい。シンジくん。アスカさん」

368 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/01 20:09 ID:???
やっぱり、レス下さった方々に返させて頂きます。
うざかったら、脳内あぽーん宜しく。

>325
私も見ましたが、あんなに褒められると嬉しいで
すが、こそばゆいですね。
>326
多謝有るのみです。
>327
深く考えませんでした…。
あれは、ゲンドウの恐喝?ですね。
>328
原作よりドキョソ度アップ! は正直嬉しいです。
多分、私がドキョソなので、キャラにも転移しました。
>329

>330
でも、応援頂けてやる気が200%上がったのも事実だっ
たりします(w
>331
最初はどうも、不評ですね。
…しかし、褒め殺しですね(w
>332
信じて頂けないかもしれませんが、他の方のSSは夏への扉と
体験エヴァと断罪少々しか読んでいないので、それらの方々
は分からないです…。

まず、ここまでにします。
そろそろ終わりなので、また頑張ります。

369 :熱狂的アヤナミスト原理主義過激派:02/06/01 21:11 ID:???
がむばってくさい。
漏れは属性の無いお話も好き。

370 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/02 20:49 ID:xG/TlpNY
応援してます。最後までがんばってください。

371 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/02 20:51 ID:???
ごめんなさい、上げちゃいました・・・

372 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/02 20:53 ID:???
>>369
どこが熱狂的アヤナミスト原理主義過激派だよ(ワラ

373 :15-1:02/06/02 21:32 ID:???
<葛城>

本部直上に定点静止していた使徒を内部からぶち破り、その血に塗れた姿と咆
哮により、初号機が人々の肝胆を寒からしめてから早、一月あまり。
アスカの弐号機も無事、回収されたのだがあれからアスカの様子が目に見えて
おかしい。
だが、一番の問題はシンジくんであった。
我等がMAGIと赤木博士の曰く、量子状態で云々かんぬん。
簡単に言えば、シンジくんはエヴァとの高すぎる同調により、物理的に融合を
果たしてしまった。

サルベージは難航を極めた。
私は何度、リツコを詰ったかしれない。
しかし、最終的にサルベージには成功。
そうして…。

374 :15-2:02/06/02 21:32 ID:???
「だからこうやって俺と会っている訳かい?」
彼…加持くんの腕に頭を預ける、行為の後の気だるい安ホテルでの一時。
「そんな言い方しないでよね。ま、それもあると言えばあるわね」
ふぅーと、紫煙を吐きながら「正直な事で」と加持くんが呟く。
「こう言うの…彼等が知ったら何というかしら」
何とは無しに、私は呟いた。
「誰もが通る道さ。それに、情欲に溺れる方がヒトとしてリアルだ」
「そうかしら…? 所詮、お互いに逃げているだけでしょ…」
彼は新しい煙草に火を付け、私に手渡す。
「それでもいいさ。でも、葛城。俺は君に出会えて本当に良かった。これで、
心置きなく…」
彼に煙草の紫煙を吹きかけてやる。
目を瞬いているが、自業自得だ。
…そんな、変な事を言うから。
「縁起でも無い事言わないでよね」
「俺もまだ死ぬ気は無いがね」
と、突然真剣な表情で、私の瞳を覗き込みながら「君に預けたあのカプセルに
は、俺が集める事が出来た情報、全てが詰まっている。まぁあれは、俺自身の
分身だな」と、私に囁く。
「それをどうして…私に?」
答えは返って来なかった。

375 :15-3:02/06/02 21:33 ID:???
<赤木>

「ええ。ダミープラグは私が中心となり、開発致しました。しかし、同時に
各国のNERV支部においても同様の試行は為されており、現在も継続中です」
暗い部屋。
唯一の光源であるそのモノリスに、裸の私が映り込んでいる。
…結局、あの人と同じような人種が世界を動かしている。
世界が…ヒトが怖くて、逃げているくせに。
「…だが、命の実とも言うべき、S2機関の初号機及び弐号機への換装。これ
はどう弁明するつもりかね」
「左様。それらが人類補完計画の妨げとなるは、いわば必定」
女一人査問するのに、ご丁寧に委員会全員がご出席とは。
思わず、苦笑いが零れ出る。
「あれは、完全に予想外の出来事、いわば事故です」
「だが、NERV司令…碇はその事故すらも予想していたのではないかな?」
「君達の独断専行は真に目にあまると言えよう」
「暫くはご逗留願いますぞ。赤木博士…」
「本来ならば、女性に対しこのような行動は慎むべきなのだがな」

376 :15-4:02/06/02 21:34 ID:???
おやおや。
男根思想の権化とも言える、ユダヤ・キリスト思想の系譜に連なる方々が
一体何を。
「私は何ら、辱めも屈辱も感じてはおりません」
そんな私をあざ笑うかの如く、モノリスが弾いた光が私の目を刺し貫いた。
「君を差し出したのは他でもない…碇本人でもかね」
「赤木博士。君はセカンドチルドレン及び、サードチルドレンの身代わり
なのだよ」
「碇は二人の出頭を固く拒んだのでね」
世界が音を立てて崩れ落ちていく。
…今、ようやく…認める事が出来た。
私も母さんと同じ…愚か者。
その場で崩れ落ち、私が私である為に必要だったモノの欠片を捜し求める
かのように、暗い床に手を突き、海と同じ濃度の液体をぽたぽたと零す。

「どうしますかな…彼女の処遇」
「一層、見せしめとして消えて頂きますか」
「左様。何事にも、ルールがありそれを破るものには罰を与えねば」
一際大きなモノリスから託宣が響く。
「彼女のセキュリティーレベルをSランクからAランクへと移行する」
幾つかのモノリスからどよめきが起こる。
「何故ですかな? それでは諜報員ならば容易に…」
「それで良いのだ。鳴らない鈴がその最後の役割を果たしてくれよう。そ
して、赤木博士にも最後の働きをしてもらう」

377 :15-5:02/06/02 21:34 ID:???
<加持>

「さ、リッちゃん。急いで」
さてと、これが最後の仕事になるだろうな。
「……加持君? そう、貴方も生き急いでいるのね…」
やはり、泣きぼくろのある女性は一生泣き続けるのかな…。
しかし、どんな形であれ自分の人生は自分で演じ続けるしかない。
もうお互いに、あの頃のような子供では無いのだから。
「こうする事は、司令の命令でもあるが、何より…友人として俺が出来る
最後の事だからね」
俺は、彼女の泣き腫らした瞼をそっと拭う。
リッちゃんは寂しそうに微笑みながら「ミサトは幸せね…」と呟いた。
「そうでもないさ」
「…では、行きましょうか」

…あれから、3日。
彼女をNERV本部に連れ帰り、俺は最後の支度をし終えた。
NERV本部の拡張区域。
空調ファンの音が物憂げに響くこの場所を、俺は気に行っていた。
もうすぐ、日が沈む。
赤い夕日が、部屋に佇む俺の影を長く引延ばしている。
日は沈み、没する。
その永遠とも言える繰り返しにも、やがては終焉が訪れる。
あるのは、遅いか早いかの違いか…。

378 :15-6:02/06/02 21:35 ID:???
かッ…かッかッ。
音域の高い靴音が響いてきた。
夕日を背に受ける俺の前に、リッちゃんが眩しそうに目を細めながら、そ
の室内に入ってくる。
「よっ。遅かったじゃないか」
「お生憎様。貴方と違ってこれでも忙しいの。加持君」
煙草に火を付け、口に加える。
「それは済まなかった。…でも、俺はこれで良かったよ。前にも言ったろ?
どうせ死ぬなら、チャーミングな女性に殺されたいって」
彼女はゆっくりと白衣のポケットから拳銃を取り出し、安全装置を解除する。
「…本当に貴方は馬鹿ね。でも………」
とても小さな囁き。
でも、俺には聞き取る事が出来た。
リッちゃんに小さく微笑み、軽く頷く。

ぱァーん!

「先に待っていてね…加持くん。私達も直に逝くから」
硝煙の煙が日の残照を受けて、赤色に煌いていた。

379 :15-7:02/06/02 21:37 ID:???
<ゲンドウ>

「ようやく、エヴァ五号機が到着した」
冬月は、窓からジオフロントを眺めている。
あれから、一月ばかりが経過した。
第三新東京は言うに及ばず、ジオフロントやこの本部の被害も未だ、完全復
旧には及んでいない。
「ほう。ようやく機体の量産に成功したのかね」
「我々のアダム計画への妨害工作…当初の予定より功を奏しているようだ」
冬月はこちらに向き直り、怪訝そうな表情を浮かべた。
馬鹿な老人だ。
「しかしゼーレは…いや、キール議長はそこまで甘くはなかろう?」
センセイと同じく、老いたのですよ。
「しかし、現実の事象がその事実を肯定している。エヴァシリーズは5号機を
持って生産終了だろうな」
「五号機は良い。しかし…委員会の鳴り物入りで送られたあの少年、フィフス
は使うのかね…?」
「彼は最後の使者にして、神の誕生の為の供物。言わば、神を神たらしめる為
に必要だ」
ふ、と軽くため息を付き、冬月は再び窓に目を向ける。
「キリストはユダの存在無くしては、キリスト足り得なかった…か」

380 :15-8:02/06/02 21:37 ID:???
<碇>

誰もいない静かな午後のリビング。
アスカとはあれから顔を合わせていない。
ミサトさんとも、もうまともに話をする事すら出来ない。
…綾波だけ、入院中に来てくれた。
でも、ほっとしてもいる。
あの事を…トウジの事とか、使徒に閉じ込められた時の事とかを聞かれるのが
怖かったから。

セミの声が外から漏れ聞こえる。
弦の調整を終え、すぅと、息を吸い久しぶりのチェロに弦を入れる。
バッヘルベルのカノン。
自分の演奏を聞きながら思う。
もう、何者かになる事は出来ない。
俺は…自分から卒業する事は決して出来ないと。
ぽたぽたと、頬を伝う涙がチェロに零れ落ちて行く。

電話の音…?
涙を袖で拭い、チェロを脇のテーブルに置いて電話に出る。
「…貴方に真実を教えてあげる。今から、NERVまで来て頂戴」
リツコさん…?
真実なんてもうどうでも良い。
「別に何も知りたくはありません。用件はそれだけですか?」
電話の向こうでリツコさんは、声を押し殺し笑っていた。
「貴方らしいわね。でも、アスカとミサトは承諾してくれたのよ?」

381 :1:02/06/02 21:49 ID:???
>341
後輪だなんて初めて言われたので、見た瞬間逃げてしまいましたよ(w

>352
そのHN…。
ぶるぶるがたがた。
そして、369で安心。

>358
アスカたんはCaが足りないんです!

>370
いや、本当に有難うございます。

382 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/02 21:56 ID:???
おおお。怒涛の予感。さても作者様もノッテおられることかと。
がむばてくさい。つっぱしってって

383 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/03 13:45 ID:???
速いねぇ〜
加持暗殺はリツコにしたのか。

384 :15-9:02/06/03 20:57 ID:???
<惣流>

あれから一月弱。
最初は何が起こったのか分からなかった。
入院中に受けたミサトからの説明では、シンジの初号機の暴走により、虚数
空間から実存宇宙への特異点の発生、それによる使徒の内部崩壊が起こった
らしい。
「…それって、使徒が内面に抱えていた一つの宇宙が、初号機の力で崩壊した
って事?」
「確かリツコはそれらしい事、言ってたわね」

そして、シンジは初号機に溶けてしまった。
私は全てを頭の中から追い出して、必死に訓練やテストに励んだ。
少しでも、みんなに認めて貰える様に。
…それなのに、それなのにッ!
あのお人形のファーストにすら、シンクロ率を抜かれてしまった。

そして、初めての生理。
遅いほうでも、早いほうでも無い。
正に、偏差的には標準そのもの。
でも、頭が痛い。
胸が悪い。
下腹が鈍痛に支配され、鉛のように重い。
糞ったれ…!
子供なんか、絶対にいらないのに。

385 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/03 20:58 ID:???
赤飯。

386 :15-10:02/06/03 20:58 ID:???
それから暫くしてシンジのサルベージが無事、成功したとミサトから聞いた。
私はそれからは、家に一度も帰っていない。

何とは無しに、街を彷徨い歩いていた。
時々私に声をかけて来る、馬鹿男どもがいたのだが保安部員が彼等をどこかへ
と連れて行く。
ふん…。
その時、携帯端末にリツコから連絡が入る。
「…黙って聞いて頂戴。今から、ガードを解除するわ。シンジくんとミサトと
アナタに真実を教えてあげる」

<赤木>

シンジくんとアスカが、黙って私の後をついて来る。
「やっぱり、此処で待っていたのね…ミサト」
セントラルドグマの入り口でミサトは腕組みし、壁に寄りかかりながら目を閉
じていた。
彼女は顎をドアにしゃくりながら、促す。
「ごたくは良いわ。さ、見せて貰おうじゃないの。真実をね」

387 :15-11:02/06/03 20:58 ID:???
──人工進化研究所・ARTIFICIAL EVOLUTION LABORATORY──
放棄されて久しい、この区画。

シンジくんが呟く。
「まるで…綾波の部屋だ」
「そう。此処は綾波レイが生まれ育った場所。彼女の潜在意識、空気と水は此
処のイメージが強いのね」
アスカは嫌悪の表情を浮かべ、吐き捨てるかのように言う。
「お人形にぴったりの良い部屋じゃない。一生ここに居れば良かったのよ…」
「そんな…そんな事…」と、シンジ君。
そうして、二人とも押し黙ってしまう。
私はミサトが突きつけている拳銃の感触を感じながら、本音を吐露する。
「アスカの言う通りよ、シンジくん。あの…化け物は本来作るべきでは無かっ
たのよ」
ミサトは更に強く銃を突き付けて「何言ってんのよ…あんた…!」と、怒りを
湛えていた。
「そうねミサト。私が見せたいものはこんなモノでは無いから」

388 :15-12:02/06/03 20:59 ID:???
後ろでアスカが息を呑む。
「な…ッ! 何なのよ…これ!?」
馬鹿な子。
貴女もシンジくんも…これから完全に壊してあげる。
それと…ドイツ経由で送った資料…後は、ゼーレが全てを執り行う予定だ。
「ただのゴミ捨て場よ。失敗作のね。本当に覚えていない…シンジくん? 貴方
も居たのよ。お母さんが消える瞬間此処にね」
「リツコ…!」
ミサト…貴女も馬鹿なのよ。
父を求めて、結局は加持くんを失った。
でも、一番の大馬鹿者は私。
口元を手で押さえ、屈み込んでいるアスカの肩に優しく手を置き「生理3日目だか
ら、辛い…?」と私。
アスカはきっと、私を睨みつけ肩に置かれた私の手を振り払う。

389 :15-13:02/06/03 21:01 ID:???
<碇>

目まぐるしく、よって立つ現実が捻じ曲がり、変質して行く。
綾波…作られた…?
エヴァの墓場…母さん…?
俺の隣にアスカの息づかいと温かみを感じる。
でも、触れる事は出来ない。
話し掛ける事すら…適わない。
ミサトさんは厳しい表情を崩さず、リツコさんに銃を突きつけながら、更にドグマ
の奥へと俺達は向っていた。

そうして暗闇の中、ぽっかりと浮かんでいる脳のような形をした物体に辿り付く。
ピッ。
電子音と伴に、正面が淡い橙色の光に満たされる。
その揺らぐ光の先には…。
「綾波…レイ?」
頬が引き攣り、目尻がぴくぴくと痙攣する。
何なんだよ…何なんだよ…これは……!
隣のアスカの声も震えている。
「…ま、まさか本当にお人形だったとはね。ふ、ふん。とんだお笑い草だわ…。リ
ツコ…これはクローンなのね?」
「ダミープラグの生産部品。ただのモノ。みんな、サルベージされたモノだけれど、
魂はあの子にしか宿らなかった…」
綾波と出会い、そうして得た来た絆。
触れると儚く消える、見た事はない雪という物に似ている。
…ほら、やっぱり…もう、駄目なんだ。

390 :15-14:02/06/03 21:02 ID:???
<惣流>

人形は嫌。人形は嫌。人形は嫌。
ファーストはやっぱり、お人形だった。
嫌だ。
自分が沢山いるだなんて、考えるのも嫌だ。
リツコは嘲笑いながら、熱っぽい視線を私に向けている。
「あら? あまり驚かなかったようね…アスカ。でも、これならどうかしら」
ピッ。
次は右側から橙色の光が溢れ出る。
そこには…。
そこには……。
そこには………。

ワタシガタクサン浮いている。
喉の奥から、擦れた言葉にならない呻きのような吐息が漏れ出る。
体全体が激しく震え、膝が砕けた。
冷たい床に崩れ落ちながら、私は私のココロも崩れ落ちていくのを感じている。
首をいやいやしながら、耳を塞ぎ、目を堅く閉じて現実から自らの中へと必死に
逃避する。
「……ぁ…マ…マぁ……。あああ……コンナノ…嫌ぁーぁぁぁっツ!!!」

391 :15-15:02/06/03 21:02 ID:???
現実は容赦なく、私のココロを陵辱して行く。
「リツコ…これは一体……?!」
「惣流・アスカ・ラングレーはね。二人目なの。アスカも覚えていないかしら?貴女、
ドイツを出てからの記憶が無いでしょう…?」
もう、いい。
黙れ。
「チルドレンはね、全員記憶と体のバックアップを用意しているのよ。エヴァを騙す
には、あなた達のカラダとココロが必要だから」
ウルサイ。
黙れ。
「…アスカ、貴女はね。日本に来る際の使徒との遭遇戦。即ち、初陣で死んだのよ。
そうして、ドイツから搬送されたからっぽのカラダに、私が魂を入れて作り上げたの
が…貴女」
黙れ。黙れ。黙れ。黙れ黙れ黙れ…っ!
…どいつもこいつも、私を…この私をモノ扱いしやがってッ!
オマエラが利用する為の、人形じゃない! 私はぁぁぁっ!
だから、ママもキライ。
みんな、みんなキライだ。
……殺してやる……

392 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/03 21:08 ID:???
頑張れ頑張れ。もう少しでがす。
最近山場ですね。
心理描写エヴァ。ってジャンルがあるなら合格点でしょう(えらそうに>俺)

393 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/03 21:11 ID:???
以前にも書いたのですが、特定のキャラへの愛情も憎悪も
込めて書いてはいないのですが、ストーリーの関係上不幸
になったとしても、それは決してヘイトではありませんの
で、責めないで下さいませ…。

後、レスを頂くととても嬉しいです。
指摘でも批評でも何なり、是非お願いします!

>382
大体の落し所は考えてあるのですが、
書く時間が…。

>383
リツコたんはアンチヒロインとして、大好きですから。
あの暗い陰が好きです。
と、一応フォロ。

>385
確かに。
赤パン

394 :15-16:02/06/04 20:18 ID:???
<赤木>

「アンタ、自分が何をやっているのか分かってるの!?」
ミサト。
貴女だって、本当は自分が何を望んでいるのか分かっているのかしら。
「ええ。でも、これで喜劇は終わりにしましょう」
ピッ。
左側面の水槽に浮かぶモノを、曝す。
良く見て頂戴。
あの人とあの女の息子…碇シンジくん。

「これは…シンジ君?!」
「そう。でもそれだけじゃないのよ。彼も…アスカと同じ、二人目なのよ…」
シンジくんは、紙のように顔面を蒼白にし、頬を引き攣らせながら、虚ろな瞳の中に、
自分自身やアスカやレイの培養体を映し込んでいる。
アスカは床に這い蹲り、頭を抱えて小動物のようにその細い肩を細かく震わせていた。
ミサトは銃をがちゃりと震わせる。「もう…止めなさい。リツコ…」
「覚えているでしょう? シンジくん、ミサト。第五使徒ラミエルの加粒子砲の直撃。
その時、死んだのよ…シンジくん、貴方は」
ぶざまね。
私は。
結局、自分の絶望を他人に分け与えているに過ぎない。
でも、止められない。
所詮、理性なんて…大脳新皮質の儚い足掻きだから。

395 :15-17:02/06/04 20:19 ID:???
「当然、この事は碇司令も了承済み。…あの人は他人の事なんてどうでも良いのよ…。
自分の息子すら自らのエゴの対象でしかないから」
ミサトは私の頬を打つ。
「それはアンタも同じでしょ…! 赤木博士…」
「ええ…! でも、私はあの人の為にどんな事でもやったわ! それが禁忌に触れよう
が、人の道を外れようがっ!」
虚しさと寂しさが絶望を生み、胸を熱く、涙腺を緩ませる。
「でも、私は負けた。此処に沢山浮いているモノにすら…! あの人に取って私はモノ
以下だったのよ…!」
私はその場で、膝と両手を床に付き、泣きじゃくる。
操作端末は音を立てて床に転がり落ちた。
胸が熱く、目頭からは涙が溢れ続ける。
……母さん。……お祖母ちゃん、……そして、死に場所を求めて消えたアノ子。
懐かしい顔が脳裏を過り、その瞬間私の意識は永遠の闇へと消えて行った。
 

396 :15-18:02/06/04 20:19 ID:???
<葛城>

それは、まさに一瞬の出来事だった。
リツコの狂った独白、この私達の周囲一面に浮いている…シンジ君達、チルドレンの異
様な光景。
私自身も、正気と狂気と狭間に揺れていた。
床に両手を付き、幼子のように泣きじゃくるリツコの肩に触れようとした瞬間。

アスカが私の手から拳銃を奪い取り、私達に背中を向けているリツコの頭部に、何発も
何発も執拗に銃弾を叩き込む。

バぁーン! パンッ! パン! パァン! パァァン! パンッ!

乾いた音が、ターミナルドグマに木霊し、消えて行った。
リツコ……私の旧友でもありエヴァシリーズ開発の功労者でもあった女性の頭部は、潰
れたトマトのようにべったりと弾けた。
脳髄や頭骨の欠片…脱色した彼女の髪の毛や血糊が床一面にぶちまけられる。

397 :15-19:02/06/04 20:20 ID:???
全ては、モノクロの映画の中で起こったかのような、この非現実感。
でも、その血の匂いが私に現実を伝える。
「…う…っぐ」
私は嘔吐した。
そうして、口の周りの吐瀉物を袖で拭いながら、全身全霊の意思を込めて、震える声を
絞り出す。
「…ぁ、アスカ…どうして………」
私の声など無いかのように、アスカはリツコが落とした操作端末を拾い上げ、二三ボタ
ンを操作する。
ごぼごぼごぼ…。
ゆっくりと、水槽の中のシンジ君が、アスカが、レイがそのヒトとしての形を失い、崩
れて行く。
ゆらゆらとLCLに揺れる、チルドレンの髪…そして、内臓や肉片。

私は深く息を吸い、ゆっくりとアスカに向い手を差し出す。
「アスカ。お願い、まず銃をこっちに…」
アスカはその蒼い双眸を見開き、睫毛を戦慄かせている。
その瞳は何も映してはいなかった。
彼女の手から銃を受け取り、私はアスカを抱きすくめる。

398 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/04 20:27 ID:???
あーあ。
リツコファンショック。

399 :398:02/06/04 20:29 ID:???
デモ(・∀・)イイ!!

400 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/04 20:44 ID:???
あの時シンジ君はミサトさんに殺されてたのか。

401 :1:02/06/04 20:49 ID:???
>392
及第点サンクス。
確かに山場ですね。

>398
すまそ。
リツコたんは、いやエヴァキャラはやはり悲劇が良く
似合うような感がしますです。

>400
ラミエルの攻撃でアポーンしました。
一応、その後のゲンドウのセリフが伏線になってます。

402 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/04 21:01 ID:???
リツコサン好きなんだけど・・・完結させたら、特別に許そう。

403 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/04 23:04 ID:???
うっきゃー!!
久々に背筋にくるぜ。
こんなとこで佳作にであえるとはおもわなかったぜ。

404 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/05 05:02 ID:???
描写がエグ…
モノ食いながら読むんじゃなかっった。

405 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/05 15:28 ID:???
イイ!もっと猿と牛を(以下略

406 :15-20:02/06/05 19:14 ID:???
<碇>

バぁーン! パンッ! パン! パァン! パァァン! パンッ!

銃声が轟く度に、自身の肩を抱きながら身を竦まる。
もう嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だっっッ!!
でも…でも、やっぱり死ぬのも嫌だ…。
ヒトの死体を始めて見た。
さっきまで、生きて動いて話していたのに…血を撒き散らして死んでいる。
…俺が今まで考えていた¨死¨とは違った、肉体を伴った形の死。
考えていた¨死¨とは違って、圧倒的な生々しさが伴っている。
「ぅ…っ」
そうして、ミサトさんのように俺も床によつばいになり、嘔吐していた。

頭の中は混乱し、酔ったかのように視点が定まらず、ぼぅっとする。
「ぁぁぁぁぁあああ!!」
意味も無く喚か無いと、耐えられない。
…アスカが怖い。
もう、アスカを見る事すら出来ずに、アスカとミサトさんから背を向けて走り去ろ
うとした瞬間。
「シンジ君、待ちなさいッ! …ごめんね。結局、私はあなた方を家族にする事も、
幸せにする事も出来なかった…でも……でもね…」
ミサトさんの言葉は、最後の語尾は涙で掠れて聞き取れない。
俺は、アスカ達に背を向けたままその場でしゃがみ込んでしまう。
視界の隅では、俺達がばらばらになって、LCLをゆらゆらと漂い、まるでその手はお
いでおいでをしているかのように、揺れていた。

407 :15-21:02/06/05 19:15 ID:???
<冬月>

第三新東京市政庁上空に、使徒が定点回転を続けていた。
「光学及び各種センサー群観測所は何をしていた」
「それが…副指令。MAGIによるタイムレコードを遡っての分析によると、使徒は衛
星軌道上に突如出現し、そのまま大気圏を降下して、直接この第三新東京に舞い降
りた模様です」
正に、天使かね。
「葛城三佐及び赤木博士、セカンドとサードのチルドレンはどうした」
「現在、諜報部が全力を尽くして捜索中ですが、以前補足出来ません」
やれやれ、内憂外患か。
まったく、俺にはこのような役柄は似合わんのだがね…碇。
俺は碇が発令所に到着した所を捕まえた。

「報告は受けた。零号機と五号機での殲滅しかあるまい」
俺は碇の言葉に口を挟む。
…これも、私の数少ない仕事の内さね。
「だが、今のこの局面でユダを使うのは得策ではあるまい。レイに単独で出撃させて
はどうだ?」
碇は「それは出来ない」と言うだけで、後は沈黙あるのみ。
レイは未だお前の希望であり、俺の絶望の産物でもある。
やはり、忘れる事は出来んか。
……ユイ君。
俺は本当にこれで良かったのかな。

408 :15-22:02/06/05 19:15 ID:???
<綾波>

あれから、碇君には数回会った。
本部では無く、病院で。
碇君は本部にも、学校にも来ない。
アスカは学校には来ない。
何故?
二人がいるべき場所で、二人が居ないと何だか良くない。
司令の部屋には、もう行かない。
私の部屋には誰も来ない。

「…葛城三佐不在の為、今回も私が指揮を取る。レイとフィフスは敵の状況を窺いつ
つ、出来るだけ遠距離戦で敵を殲滅しろ。以上だ」
やはり、司令は碇君では無く、碇君は司令では無いから。
高層ビルに巻き付いている、光の紐。
いつか読んだ、¨世界神話大全・形而下に置ける霊的存在の章¨の挿絵。
天使の輪に似ていた。

貴方は誰?
何故、此処に来るの?
どうして、ヒトを傷つけるの?
その時。
「やはり、君は優しいね…レイさん」
「わからない」
モニタから微笑む彼は…心地よい。
「僕達は両立する事が出来ない。でも、君ならばあるいは…」
「来るわ」
「そのようだね」

409 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/05 22:04 ID:???
いえい。オウエソさげ

410 :15-23:02/06/06 20:28 ID:???
<渚>

突然、彼は形態を変えて、僕達に迫る。
やはり彼は、僕をアダムへと到る一番の障害と判断したようだ。
僕はもう、アダムに還るつもりは無い事を伝えるすべは無く。
リリンの言葉、そして歌。
不完全な群体としてのリリンが生み出した、最高の文化だ。
そう、こういうとき、僕達は歌を歌うことすら出来ないのだから。

五号機は天を駆ける事が出来る。
僕は、飛行のためのシステムを起動させる。

──OPERATION FLY SYSTEM Ver0.89──

背中から白い翼を生やして、ビルの合間を縫いながら彼との一時的接触を避けていく。
一神教のモチーフを用いての、彼等の忌むべき存在であるアダムからの五号機。
悲しいほどにリリンの事を僕は理解出来ない。
さて。
気が付くと、僕は歌を口ずさんでいた。
綾波レイが不思議そうに尋ねる。
「それ、何?」
「ベートーベンの交響曲第9番第四楽章、歌だよ」
「歌? あ、そこッ!」
彼女が僕に迫っていた、彼をバレットライフルで地上から牽制する。
「合唱だよ。レイさんも歌わないかい」
「私、歌…知らないから。ぅ…くっ!」
彼は僕を追い回しながらも、逆方向から彼女を襲撃したようだ。

411 :15-24:02/06/06 20:29 ID:???
僕は、彼の追撃をかわしながら綾波レイの腹部を貫通している彼を、攻撃する。
ごめんね。
彼の痛み、寂しさ…虚しさが伝わる。
リリンを滅ぼしてまで…お互いを拒絶してまでもアダムへと到らなくてはならない、僕達
の虚しさ。
リリンと何ら変わりなく、全ては¨GOD'IN HIS HEAVEN.RIGHT WITH THE WORLD.¨神は天に
いませり。世は全て事も無し。か…。
「……ぁ…ぅぁ。ぅぅ…あ」
苦しげな、綾波レイの呻き声が聞こえる。
僕は、彼の痛みの叫びを無視し、プログナイフを彼に向け振るう。

……幾万幾億の夜を経ても、僕達は同じ事をただ、繰り返している。
破滅と再生。
死と新生。
でも、今回は違う。
幾星霜の時を経て、歴史のウロボロスから、僕達シトもシンジくん達ヒトも解放されるべ
きだ。

412 :15-25:02/06/06 20:29 ID:???
<綾波>

シトの心を感じる。
そう…私と同じ心を。
侵食率は20%を超えている。
どこまでが彼で、どこまでが私?
渚くんを追うのを止め、第三新東京の地下へと。
ジオフロントへとシトは向って行く。
これは多分、碇くんと一つになりたい私の心。
駄目。

「これで死ぬかもしれないね」
「どうしてそういうことを言うの?」

「あなたは死なないわ」
「私が守るもの」

昔の事を想いだす事は少ない。
でも、覚えている…碇くんとの約束。
碇くんは私を守ってくれた。
私を選んでくれたから。

413 :15-26:02/06/06 20:31 ID:???
「何をやっている…!? レイ! こちらから停止信号を送れ…早く、今すぐにだ!」
司令の顔、声、匂い。
かっては心地よかったモノ。
でも、もういらない。
司令の眼鏡よりも、みんなで写した写真が好きだから…好き?
好き…?
そう、これが好きという言葉の意味。
「駄目です。こちらからの停止信号は受付ません!」 
「くっ…。レイ、馬鹿な真似は止せ!」

碇くんの顔、声、匂いが好きだから。
駄目。
………?
胸がもやもやする。
「これが涙?」
LCLを漂う球状の珠。
私の目からぽろぽろと零れて漂う。
「泣いているのは…私?」
寂しいのも私。

414 :15-27:02/06/06 20:31 ID:???
彼等シトの虚しさと、寂しさ。
私達ヒトの虚しさと、寂しさ。
そして私の虚しさと、寂しさ。
同じだった。
ようやく、好きと事。
そして、一人は寂しいと言う事を知った。
全てが白い閃光に包まれる刹那…碇くんやアスカ、渚くんや鈴原君やみんなの顔が過
って…。

──ただいま──

──おかえりなさい── 

415 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/06 21:03 ID:???
うっぎゃー!。予想されたとはいえ、すげぇ展開。
で、オウエソさげ

416 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/06 21:10 ID:???
ついにレイ炭

417 :1:02/06/06 21:40 ID:???
週末には根を入れます。
上手く行けば、今週中に終れるかなぁ。

>402
すまそ。
頑張ります。
>403
ありがたいお言葉です…はい。
まぁ、2ちゃんは一番垣根が低いですからね。
>404
私も劇場版で胸が悪くなりました。
アスカたんの…脳みそ弐号機。
>405
何でミサトは牛なのかなぁ。
>409
毎度、すみませんねぇ。
>415
またまた、どうも。
>416
さて、貞元版はどうなりますか。

418 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/08 00:08 ID:???
ようやく終る目処が立ちました!
何とか、今晩中に仕上げて、明日には少しずつアプしたい
です!

419 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/08 00:22 ID:???
待ってるよ。

420 :15-28:02/06/08 02:29 ID:???
<葛城>

「どうやら終ったようね…」
私は身動き一つしないアスカをしっかりと抱きとめながら、轟音と振動で先ほどまで、
ぱらぱらと建材の欠片が降り注いでいた天井に顔を上げて呟く。
……私は、自分自身の業を使徒にぶつける為の手段として、このNERVに入った。
だけれども、今は全てが虚しく感じる。
誰一人として、幸福になる事が出来なかった。
彼等は…シンジくん達だけは、私が守って行こうと思っていた。
「…そして、これがその結果ね……」
私の呟きも、アスカの虚ろなココロには小波一つ立てる事が出来ない。
そして、私も彼等も一番大切なモノを失った。
「……加持くん…」
もう、後悔はしたくない。
私はアスカを…彼等を守る。
胸に掛かる十字架を強く強く握り締める。
この中には、加持くんが残してくれたチップ…彼のココロも納められているから。

421 :15-29 :02/06/08 02:30 ID:???
「シンジくん。リツコの事は全て私が独断で行ったという事で…いいわね?」
彼は俯きながら、何かぶつぶつと呟いている。
「……もう嫌だ…もう嫌だ……助けてカヲルくん…カヲルくん…助けて……」
何も言えない…。
でも今は、少なくとも今は泣く時ではないから。
シンジくんの両肩を掴み揺さぶりながら「…いい、シンジくん。自分に取って都合の
良い他人。それは本当の意味での大切なヒトでは無いの。辛いのは分かる…でも」
シンジくんはその場でしゃがみ込み、涙まじりに「ごめん…ごめんなさい。許して。
僕をどうか許して下さい…」と。
「全てが終るまでは…私達は泣く事すら許されてはいないのよ…」
私の呟きと、シンジくんの嗚咽だけが虚ろに木霊していた。

422 :15-30:02/06/08 02:30 ID:???
<碇>

…怖い。
ミサトさんも、アスカも、綾波も…そして自分自身もみんなみんな怖いんだ。
ねぇ? どうして僕を産んだの…母さん?
父さんは僕の事なんてこれっぽっちも考えていなかった。
自分の為のただの道具。
他人はみんな、自分勝手に自分の事だけをこっちに押し付けて、僕の事なんて、
何も考えてくれない。
どうしてだよ! どうして僕ばかり責められなきゃならないんだ!
アスカの…。
アスカの…その瞳は無言で僕を糾弾している。

どうして私を助けてくれないの?
どうして私を見てくれないの?
どうして私を見捨てたの?
どうして私を……。

423 :15-31:02/06/08 02:31 ID:???
だって、怖いんだ。
僕だって二人目だ。
最初の僕は消えて無くなってしまった。
今の僕は、最初の僕の偽者だったんだ。
アスカも…綾波も。
何故生きているのか、何故此処にいるのか分からない。
それなのに、ミサトさんもアスカも僕を責める。
だから…助けて、カヲルくん。
もう、僕には君しかいないんだ。
でも、本当は知っている。
それは見せかけの…キボウ。

424 :16-1:02/06/08 02:32 ID:???
<ゲンドウ>

「何故、査問会に掛けられているかは君自身が一番良く分かっているはずだ」
「左様。第三新東京市の消滅。並びに、ジオフロントの露呈。更に、君が我等のアダム
再生計画への妨害工作を弄していた事も、全ては白日に曝されておるのだよ」
…老人どもを甘く見過ぎたか…。
だが、もう遅い。
約束の時が来た。
「…そのような事実はありません。しかし、零号機の自爆によって、貴方がたの大切な最
後の使者が失われずにすんだのも又、事実です」
「それは結果論だろう…碇。そして、君も又彼を、必要としていた。それだけの事だ」
そこまで、ご存知でしたか…キール議長。
しかし…ターミナルドグマのリリスの消滅…これは知るまい。
…俺は臆病者だ。
だからこそ、セカンドインパクトの地獄を乗り越え、神への長い道を歩んできたのだ。
犠牲も大きかった。
…ユイ。
…シンジ。

425 :16-2:02/06/08 02:33 ID:???
老人どもの先にあるものは未来ではない。
死そのものだ。
そのような者どもに邪魔はさせない。

「君は神を屠る事が本当に出来るとでも思っているのかね?」
「愚かな…。我等に出来る事は神に膝を折、頭を垂れてその慈悲を請うのみ」
「原罪の時より、幾度も繰り返すこの世界」
「今回こそ、今回こそは我等が手により贖罪を行い、世界を正当なる白き月よりのア
ダムに」
「そうして、我等は輪廻の苦しみから解脱し、永遠の無へと還る事が出来る」
「その道は、長くそして険しかった…だが、今ようやく」
人は神を屠り、白き月からのアダム…そして、その末裔たる使徒を全て殲滅する事に
によってのみ、未来を得る事が出来る。
無への回帰など、近代のパラダイムの袋小路に過ぎない…。
「死は何も生みませんよ」

「死は君たちに与えよう」
「だが、君たちもそれにより救われる」
「そうして、白き月よりのアダムの穢れを払い、それをもって禊とし、我等が黒き月
よりのヒトが犯しし罪を寛恕願う」

426 :16-3:02/06/08 02:34 ID:???
そして、全てのモノリスが…ふっと、風に吹かれた儚い灯火のように消えた。
「やれやれ、やはり最後の敵は同じニンゲンだったか…」
それはどうですかな…冬月センセイ。
「葛城三佐の件はどうなった…?」
冬月は、ゆらりと首を振りながら。
「…現在は諜報部の尋問の後、保安部に身柄を略式的に拘束されているがね。しかし
…」
そこで一息つき言葉を紡ぐ。
「どちらにしても、彼女は釈放せざるを得まい? この時点での拘束などナンセンス
だからな…」
「ああ…」
冬月は何かを思い出しているかのように、天井を見遣りながら。
「しかし…リリスがね…。これも彼女の意思かな……」
「………」

427 :16-4:02/06/08 02:35 ID:???
<碇>

あれからアスカは人形になってしまった。
口も利かず、身動き一つしない。
僕も一層の事、人形になりたい。
そうしてようやく気が付いた。
はは…。
ココロの一人称も¨俺¨から¨僕¨にいつのまにか変わってしまった。
馬鹿みたいだ…。
ミサトさんも居ない。
アスカも居ない。
一緒に暮らしていた人たちはみんな、僕の手の届かない所へと行ってしまった。
僕にはもう、帰る場所はどこにも無い。
だから、残されたカラッポのマンションで一人、幾日も幾日もチェロを弾き続ける。

ベランダから山間に消えていく、夕日が良く見える。
少しだけ目を細めながら、僕たちが守ってきた街を…その廃墟を見詰める。
結局、学校のみんなも…ケンスケも委員長もセンセイもみんなみんな…死んでしま
った。
…何だったのだろう。
此処に来て、僕がやってきた事は。
零れ落ちる砂を掌で掬うかのように、サラサラと全ては零れ落ちていった。
…自分自身すら。

428 :16-5:02/06/08 02:36 ID:???
ぴぃんぽーん。

呼び鈴の音。
呼び鈴…?
「…ぁの…? NERVの方ですか…?」
懐かしい、とても懐かしい声。
「僕だよ…渚カヲルだよ。シンジくん」
急いで、鍵を外してドアを開けると。
「…あ、綾波……」
カヲルくんの後ろには、綾波が佇んでいた。
綾波は僕に微笑みかけている。
落日の最後の光が、僕たち三人を赤く赤く染め上げる。

「私、来ないほうが良かった?」
「…そ、そんな事……」
いつもの綾波のぼそぼそとした話し方。
でも、何か違うような気がする。
…綾波の瞳は黒では無かったから。
そして…彼女はこんなにも優しく微笑む事はまれだったから。
そうして、カヲルくんと綾波を部屋に招き入れる。
そういえば…此処をヒトが尋ねるのは何ヶ月ぶりだろう…。
カヲルくんはテーブルに置いてあった僕のチェロを眺めてから、ふっと、
その弦とチェロを手にとり演奏する。
¨ムーンライトセレナーデ¨

429 :16-6:02/06/08 02:37 ID:???
「カヲルくんも…チェロ弾けたんだね…」
返答は言葉ではなく、チェロからの音色が答えていた。
そのまま…演奏を続けながら、突然。
「ねぇ…シンジくん。僕たちの事、好きかい?」
微笑みと共に。
「…ぇ…? ぅ…うん」
気恥ずかしい…言葉。
でも僕はもう、どうする事も出来ないんだ…。
ヒトを好きになるなんて…そんな事。
「…なら、お願い。ただの魂のイレモノであるカラダに捕らわれないで」
かすかに小首を傾げながら、僕を見詰める綾波。
綾波…?
「…少なくとも、僕はシンジくん。君達と同じさ…。レイさんは違うけどね」
綾波は首を横に振り、カヲルくんの言葉を軽く否定する。
「違わない。だって、今の私のココロは…彼女がくれたものだから」
「……! カヲルくん…? ぁ…綾波…? 何を言っているのかわからないよ…」
「君の事は何だって知っているさ。ね…レイさん」
綾波が静かにこくりと頷く。
カヲルくん達は一体、何なのだろう。
でも、彼等が好き…その事は本当だから。
そうして…。
「碇くん。私、碇くんの知っている綾波レイでは無いの」
「僕の知っている綾波…じゃないって…そんなの分かんないよ…」
カヲルくんは演奏を中断し、チェロをテーブルに置く。
「彼女は…綾波レイだよ。そして…リリスでもあるのさ」

430 :16-7:02/06/08 03:02 ID:???
<惣流>

……も…う………嫌……

………マ……マ…………

「アスカさん、お久しぶり」
「……お邪魔します」
「…………」

「言葉を紡がないと何も始まらない…さあ、勇気を出して」
「碇くん。お願い…逃げないで。自分から…なにより彼女から」

私は夢を見ている。
今は失われた…日常の夢を。

「……ぁ、アスカ………僕は…僕は……」
「頑張って碇くん」
「…でも、僕は駄目なんだ…。いつも、逃げてごまかして…そして臆病でそれに
自分の事しか考える事が出来なくて…」
「そんな事はないさ。なら、君の目から溢れるその涙はなんだい?」

温かい…雨。
温もりの雨。

431 :16-8:02/06/08 03:03 ID:???
「聞いたんだ…カヲルくんから…綾波から……シトの事、ヒトの事…そして、
父さんや神様の事を……。ねぇアスカ…お願い。元気になって、そして又僕を馬
鹿にしてよ…!」

小さい頃、ママと遊園地に行った。
その時に乗った回転木馬。
その時と同じように、私の身体が何かに揺さぶられて揺れている。

「もう、僕は…誰も失いたくない。アスカも…ミサトさんも…みんなみんな…。
もう…僕の周りから人が居なくなるのは嫌なんだ…。だから…だから…もう一
度エヴァに乗って、そして…そして…エヴァに乗っていた僕たち自身と…さよなら
しようよ…」

「僕たちシトは残酷な天使のテーゼを幾度幾度も演じ、その度にヒトはサードイン
パクト…自らを閉ざし、そして死と新生を繰り返して来た。でも、終りにしよう。
僕たちシトとヒトに課せられた運命をね」

「私達は知っていた。でも、逃げていたの…その繰り返される運命から。ヒトは私
達から知恵の実を盗んだ十八番目のシト。でも、もういいの。知ったから。ヒトの
知恵が生み出したココロ、そしてシンジくんとアスカ…そしてみんなの事を」

432 :16-9:02/06/08 03:04 ID:???
懐かしくもあり、厭わしくもある…声が聞こえる。
…もう、私は戻ってはいけないの。

「ねぇ…アスカッ! 起きて…起きてよ…っ! お願い……お願い…だから、ねぇ…」

声が告げている内容は理解出来る。
でも、もうこの世界には私の居場所は何処にも無い。
私が存在している意味も無く…私を必要としてくれる人は誰も居ない。
…………いない?
「…僕だって、トウジを殺した人殺しだ。僕はアスカが人殺しだろうと、クローンだろ
うとどうだっていい…」

私の頬を伝う液体と共に、唇に触れる温かい感触を感じた。
……シンジ。
あの時…私も初めてだったのよ…。

「ねぇ…アスカ…。また、今までのように僕の側にいて僕を…僕を……馬鹿にしてよ!!」

……………。
ま、シンジの奴がここまで言えたんだ。
私にだって…出来ないはずが無い。
やってやろうじゃないのよ…私を…私達を利用した奴等をみんな殺してやる…。
私の胸に泣き縋っているシンジに向け、ゆっくりと瞼を開きながら。

「…いつまで抱きついてるのよ…気持ち悪い。……この…馬鹿シンジ」

433 :16-10:02/06/08 03:05 ID:???
<葛城>

「こちらです…葛城三佐」
まだ、階級を剥奪されていないからか…或いは正式な決定が下っていないのか、こわ
もての保安諜報部員の態度は丁重だった。
監禁室に入る前に「…悪いけど、端末を貸してくれない?」と、彼等に請う。
「特に問題はありません。ただ、外部との連絡は出来ない仕様ですのでそのおつもり
で願います」
そう…何も問題は無い。
私には…加持くんが残してくれたこのチップがあるから。

その後、形式的な取調べが行われるだけで、私の身柄は宙ぶらりんになっている。
最初の尋問の場で。
「…ところで、アスカとシンジくんはどうしているの?」
一尉の襟章を付けた、この場の責任者らしき男が答えた。
「セカンドチルドレンは1週間ほどの入院の後に、今は退院して今は碇司令の息子さ
んと三佐のマンションで暮らしているよ」
そこで、この眉間に深くしわを刻んだ男は呟く。
「…正直、司令の為さる事は私には理解出来ん。監視は付けているが、チルドレンを
放置とは。ファーストやフィフスがロストするたびに責められるのは我々なのだがね…」
…アスカが…あれから……。
少しだけ、心の荷が下りたような気がした。

私も、やれる事だけはやらなくてはならない。
彼等の為にも、いや自分自身の為に。
そして、取調べの間を縫って、幾日も幾日も加持くんからのメッセージを解読し、読み
ふけった。
そうして、おぼろげな輪郭を理解した。
…結局、誰もが悲しく哀れな存在だった。
神…と呼ばれる¨何か¨に踊らされて…皆、苦しみの輪廻からの解放を望んでいる。
「…やっぱりアンタが一番馬鹿よ…リツコ」
私はこの時初めて彼女の為に泣いた。

434 :16-11:02/06/08 03:06 ID:???
<碇>

アスカが昨日退院した。
またいつものように何気ない、そして…とても大切な日常が流れて行く。
アスカとはあの、ターミナルドグマの奥で起こった事は何も話してはいない。
決して忘れる事も、認める事も出来ない事。
だから、その痛みから目を背け耳を塞ぎながら、それに背を向けて穏やかな日常を営ん
で行く。

だけれども……やはり、アスカも僕も決して癒える事のない傷を抱えている事には何ら
変わりは無く。
夕飯の後始末をしながら、ふと先ほどまでの事を思い浮かべる。
アスカはリビングの食卓の椅子に座り、テレビを見ている。
こちらに背を向けていて…その表情は窺い知る事は出来ないけれど。
そう、ついさっきまではカヲルくんも綾波もそこに座っていた。

お茶を沸かし、四人分用意してから僕もテーブルに付く。
「…大体話しは分かったわ。アンタ達が言いたい事は、まず第一に魂は繰り返しており、
肉体は所詮仮初の器と言う事。そして、第二にその魂の繰り返しは神と呼ばれる¨何者
か¨によって意図的に引き起こされているって事ね」

435 :16-12:02/06/08 03:07 ID:???
綾波はこくりと頷く。
そうして、ベランダに視線を向け、雲の切れ目から覗く黄色い三日月を見上げていた。
「まさかその¨何者か¨が本当に神とは言わないわよね?」
カヲルくんが「勿論。彼も僕たちと同じ…生物。でも、この星に彼が辿り付いた時…
リリンがファーストインパクトと呼ぶ原初の時より、この星の生命の進化は彼が綴って
いる」
アスカは…ぽっりと「…それを普通は神と呼ぶのよ」と呟く。
カヲルくんと綾波の話を理解する事は出来る。
でも、スケールが大きすぎて実感が湧かない。
今、僕の隣で両手で茶碗を抱えるように持ちながら、お茶を飲んでいる綾波が…前に一
度見た…地下の巨人とは信じられないし、カヲルくんがシトである事が信じられないように。

アスカは綾波の顔をじろじろと眺め「…瞳の色以外、ファーストと変わりないわね…。
でも…」と口ごもる。
綾波が「でも…何」と先を促し。
アスカはそっけない風を装いながら。
「でも…本当のファーストは死んじゃったのよね…。私は結局…いえ、何でもないわ」
「私は綾波レイ。だって、私には心が…魂がなかったもの。彼女の心は私の心だから」
そうして、制服の胸ポケットに優しく手を置く。
「アンタ…さっきから気になってたんだけど、そのポケットに何か入ってるの?」
綾波はアスカにはにかむ。
そうしてポケットからすぅと一枚のスナップ写真を取り出す。
取り出した写真を大切そうにテーブルに置いた。

436 :16-13:02/06/08 03:08 ID:???
──芦ノ湖へとみんなで出かけた時の集合写真──

アスカの表情はまるで今にも泣き出しそうな、幼子のように何だか頼りなさげだった
のを覚えている。
「……そっか。それなりに…楽しかったもんね、あの頃」
アスカがその写真を手に取り、搾り出すように呟く。
そんなアスカを綾波は優しい目で見詰めていた。

茶碗を洗い終えて、アスカの方を向くと何時の間にかテレビが消えていて、彼女もリ
ビングから居なくなっていた。
僕は「ねぇ…アスカ何処…?」と心細さを隠しながら彼女を求める。
アスカは僕に背中を向けてベランダから、雲の合間の月を見上げていた。
僕はそんな彼女の背中を見詰めながら、食卓の椅子に座る。

437 :16-14:02/06/08 03:08 ID:???
と、突然。
「…あの写真、懐かしかったわね……」
「…うん」
「結局、ヒカリもトウジもケンスケもみんなみんな…死じゃったわよね…」
「……うん」
「私達が守っていたこの街も無くなって……私は人を殺してしまったし」
「………」
「取り返しのつかない事だけが残って…何なんだろ」
「………」
「アンタね、さっきから相槌ばっかり! 少しは何とか言ったらどう!」
「………うん」
「アンタ……ね…」
アスカの細い肩は夜風に吹かれて、小さく震えている。
「ね。アスカ。もう寒いからベランダから上がったほうがいいよ」
僕に背を向けたまま、アスカは一言「うん」と呟き、声を押し殺して泣いていた。
僕は天井を見上げながら「生まれた理由も、生きて行く意味もまだなにも分からない
けど…でも、僕が知り合った人達…アスカ達が居るから生き行けるのかもしれない」

「この…馬鹿…シンジ…」

ぎこちない言葉。
ままごとのような日常の生活。
それらを紡ぎながら、僕達は必死に生きて行く。
僕達はNERVへと毎日通い、そうして此処に帰る日々を送って。
そして…夢の使者に呼ばれる朝が来る。

438 :1:02/06/08 03:11 ID:???
七割がた完成でした。
夜は書きやすくていいなぁ。

また、明日頑張ります。

439 :16-15:02/06/08 14:53 ID:???
<冬月>

「衛星からの画像をメインモニタに回せ」
オペレータの息を呑む音が聞こえる。
…ほう、綺麗なものだね。
光輝く、奇妙な鳥のような形状の使徒。
日本の遥か上空を、静止軌道から睥睨している。
その時。
「…そ、そんな…こんな時にっ!」
やれやれ、今度は何か。
「どうした」
「そ、それが…日本政府からA-801が発令されました…!」
特例による法的保護の破棄及び指揮権の日本政府への委譲…か。
まさか…この段階で先駆けを告げるとは。
私の左隣では、碇が含み笑いを浮かべている。
「…さて、委員会からのこの最後通告…どうするつもりかね?」
自らの右手を擦りながら「…これは前哨戦に過ぎん。冬月…葛城三佐を此処に呼べ」
と、俺に命る。
「チルドレンはどうするかね。もしや、これが終わりの始まりかもしれんな」
ふ…と、碇は厭な笑いを浮かべている。
「…レイは当然、待機させろ。サカンド、サードはエヴァにて待機。フィフスは別命
あるまで待機の事」
やはり…死海文書の預言どうり、繰り返す終焉の始まりか…。
…さて、碇。
お前は…ユイくんと共に我等閉塞したヒトの運命を解き放つ事が出来るかな。

440 :16-16:02/06/08 14:54 ID:???
<ローレンツ>

東方より救世主の先駆けを告げる星が瞬いている。
まさに2000年前、私の今は無き故国で救世主が現れ際、その星は現れたという。
そして…東方よりの三賢者カスパー、メルキオール、バルタザール。
道は長く、そして険しかった。
今、約束の時。

両親は私が幼子の折に、ダッハフの強制収容所で亡くなった。
そうした民族の苦難の末の、我等が故国の再建そして、セカンドインパクトの
際の新型爆弾の投下による消滅。
全てを動かす力を持ちながらも、全てを把握する事は出来ない。
その当時、国連監視委員会から提出された報告映像を思い出す。
セカンドインパクト後の地獄の現出。
家を失い、親を失い、子を失い、全てを失った人々の顔…顔…顔。
ビルのガラスが捻じ曲がり、コンクリートが砕けている。
土が硝子化し、ヒトの定住が可能な多くの土地が失われた。
しかし、アダムと言う…魂なき神の降臨を防ぐ為には、止むを得なかった。

ヒトの苦悩を全て取り払う為に、これから私は自らの手を更に血で染めようと
している。

441 :16-17 :02/06/08 14:56 ID:???
「…これよりは主の御名を…渚カヲルと命名させて頂きます」
アダムからサルベージされた多くの肉体。
そして、魂が宿りしは…彼、白き月よりの正統なる後継者。
主はこのような、醜くけがれた私にすら、微笑みを投げかけ恩寵を賜れた。
私の頬にその御手が優しく、触れる。
「リリン…。アナタはとても悲しい顔をしているね。どうしてなんだい?」
私は跪き、ひれ伏す。
「主よ…勿体ないお言葉です。我の事などどうでも宜しいのです。主へとこ
の世界を返還する約束の時が間近です。全ての不完全なる使徒が消滅した時、
その時こそ約束の時となるでしょう」
主の瞳は…優しさと悲しみが内包されていたのを覚えている…。

そこで、取り留めのない回想を振り払い。
「では、故事にならい東方よりの三賢者…MAGIシステムを遣わそう」

442 :16-18:02/06/08 14:57 ID:???
<葛城>

「葛城三佐。碇司令がお呼びです」
突然開かれた扉から漏れ出る光が、暗闇に慣れた私の目を刺激する。
目を細めながら、その開かれたドアへと向う。
「…これをどうぞ」
と、この前の一尉から没収されていた私の銃が手渡された。
「これは…どういう事?」
「お話は司令からどうぞ」
……お咎めなし…か。
リツコ、アンタはやっぱり死に損よ…。

そうして、久方ぶりの発令所…司令の眼前に私は立っている。
他のみんなの射すような視線が痛い。
特に…伊吹二尉の視線は殺意すら込められていた。
「葛城三佐。分かっていよう…? 君が此処に呼ばれた理由」
このメサイアコンプレックス…いえ、究極のマザコン野郎を睨みつける。
「…はい」
「…現時刻をもって、君に作戦指揮の全権を委ねる。以上だ」
やっぱり、最後の最後まで私を利用しようとするのね…でもいいわ。
乗ってやろうじゃないの。

443 :16-19 :02/06/08 14:59 ID:???
「シンジくん達はどうしているのでしょうか?」
「細かい話は冬月にで……」
その時、全てのモニタ画面が真っ赤に染まり…警報が鳴り響く。

「日向君…状況を!」
彼の気持ちを知っていながら…だからこそ、彼を利用する私。
「現在MAGIシステムはハッキングを受けています! 少なくともMAGI同タイプ5。
中国、ドイツ、米国、第二新東京からの侵入を確認しました!」
…こんな時、リツコが居たら…嫌、逆に彼女には任せる事は出来なかっただろう。
彼我戦力差は5対1。
さて…どうしますか。
頭で適わないのならば…力押しあるのみ。
「…現時刻を持って、本部のNAGIシステムの放棄及び物理的破壊を行います。作戦
遂行には閉じたシステムの旧世代電算機を使用します」
発令所を職員の驚愕の声が轟く。
…リツコ、そして赤木ナオコ博士。
これが門外漢に出来る、たった一つの冴えたやりかた。
ごめんなさい。

444 :16-20:02/06/08 15:00 ID:???
<碇>

先ほどから、エヴァのエントリープラグの中で待機している。
その心地よい暗闇の中で、僕は綾波とカヲルくんとの先ほどの会話をゆっくりと反芻
する。

けたたましい、緊急警報が鳴り響く中、僕とアスカは無言でロッカールームでプラグ
スーツに着替えていた。

沈黙。

カーテン越しにアスカへと声を掛ける。
「…ねぇ、アスカ」
「…何よ」
「…ぅ…うん。やっぱりまだ、使徒を倒さなくちゃならないのかな?」
ジーっ!
急にカーテンが開く音がし、アスカが真剣な面持ちで佇んでいた。
「ど、どうしたの?」
アスカは俯きながら、必死に言葉を探している風だった。

その時そっと、ドアをノックする音。

「シンジくん、アスカ。入ってもいい」
リリス…いや、綾波だ。
「馬鹿シンジがまだ裸だけど、入ってもいいわよ」
と、アスカが僕にいたずらっぽく微笑みながら、そう言う。

445 :16-21:02/06/08 15:02 ID:???
「シンジくん、アスカさん。僕達はお別れを言いに来たんだ」
綾波は首を振りながら「私はお別れじゃない…」と呟く。
カヲルくんは苦笑し、続ける。
「…今、此処に襲来中のシトが消えると…僕が最後の使者になる。そして、僕
の為のシシャ達が現れる。その時こそ…僕達シトと君達ヒトを縛り付けていた
運命に別れを告げよう」
アスカは何だか寂しそうな表情を浮かべながら、カヲルくんの話を真剣に聞い
ていた。
綾波はぽっりと「私も零号機で出るから」と俯きかげんで呟いた。
「ぇ…でも、綾波の零号機はもうないんじゃあ…」
少しだけ寂しそうに微笑みながら、僕の問いの答える綾波。
「…私の身体から、直に再生できるから」
……そっか。
でも、もう僕は拘らない…いや、どうだっていいんだ。
綾波は綾波だし、それは僕やアスカ、そしてカヲルくんにだって言えることだ
から。

「…ねぇ……シンジ」
アスカからの声で、ふと物思いから覚める。
音声モードでお互いの顔は見る事が出来ない。
「何…アスカ?」
耳に痛いほどの沈黙が何十秒か続いた後。
「………ありがとう」

446 :16-22:02/06/08 15:03 ID:???
<ローレンツ>

力に対しては、力で。
小賢しい不完全なる我等がヒト。
では、その力に対しては更なる力を持って抗しよう。
全てが終るまで、今ひとたび血を流さなければならない。
その歴史の終焉間際まで相争うが我等には似合いというものだろう。
出エジプト時の、赤子の大量殺戮…勅命者ヨシュアによる虐殺…キリストの血。
ポグロム…ゲットー…アウシュビッツ…。
やはり…我が民族…私がヒトの終わりを告げなくてはならない。

「…僕は主ではないよ。年老いたリリン。だって…ほら」
主はいと高き天を指差しながら。
「ほら。あれが¨神¨だよ」
吹き抜けの天井から、夜空が覗いており…月が煌煌と輝いていた。

しかし…具象化された¨神¨は…アダムからの正統なる後継者…主タブリスし
かおられないのです。

447 :16-23:02/06/08 15:05 ID:???
<惣流>

「ミサト…!」
「ミサトさんっ!」
私とシンジは異口同音に同じ言葉を口にした。
「はぁーい。元気してた…シンちゃん、アスカ。…ごめんなさい、心配かけて。
この作戦は私に指揮が任せられたから……」
そこで言葉を切り、ミサトの表情が硬くなる。
「……私は私なりの方法で色々な事を知ったわ。だから…これで全てに決着を
つけましょう!」
私はどうして今でも私でいられて、あまつさえエヴァに乗る事が出来るのか分
からない。
…でも、一つだけ。
シンジ達が居たから…私は、私の形を今でも保っていられる。
ミサトの事も、ファースト…レイの事も私は誤解していた。
いや、知ろうともしなかった。
自分だけしか見えなくて…今でもそうだけど、でも…少しは変われたような気
がするから。

「……分かっているわ、ミサト。そして…その後があったとしたら…私は私の
した事に自分自身で責任を取るから…。だからミサトには感謝してるわ」
シンジが情けない声で「そんな…アスカ…」と。
バーカ。
声が震えてるわよ…馬鹿シンジ。
「…アスカの意思は了解したわ。でも、今は…必ず生きて帰って!」
そっか…私が求めていたものは、こんなにも近くにあったのに。
でも、気づかないまま…終らなくて、本当に良かった。

448 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/08 23:26 ID:???
さあもうすこし。がんばって。

449 :16-24:02/06/08 23:59 ID:???
<ゲンドウ>

光学観測施設が次々に、その信号をロストして行く。
「葛城三佐。状況はどうか」
急ごしらえの旧世代電算機に張り付いていた三佐は、私を睨みつけながら。
「…南のハブステーションからの映像を回します」
やはり…戦自の投入か。
冬月が私に耳打ちする。
「…碇。此処は俺達に任せて…お前は行った方が良い」
やはり、絶望と希望は同じ硬貨の裏表かもしれん。
だからこそ、ヒトはその硬貨の一面だけを見てその希望に縋る…。
「葛城三佐。フィフスの五号機に地下の槍を使わせろ。五号機は大気圏外活動
も想定済みだからな」
親の仇のように、彼女は執拗に私を睨みつけている。
「…それは私の判断です…碇司令」
「…そうか」
時は満ちたよ…ユイ。
今、行く。
「…冬月先生。後を頼みます」
「ああ。ユイくんに宜しくな」

450 :16-25:02/06/09 00:00 ID:???
<葛城>

何処かへと消える司令。
佇む、副指令。
でも、そんな奴等に関わり合っている時間は…無い。
「戦自の現在の侵入率の概算は!」
「はい! 地下第三隔壁破壊。第二層に侵入されました! 概算としては本部
施設の約4割が占拠された計算です!」
発令所のメイン及びサブのモニタには、幾重にも分割された本部施設各所の実
況が流れ続けている。
銃声。
悲鳴。
嗚咽。
怒号。
投降するものにすら、無条件発砲が許可されているようだった。
画面が血の色一色に染まっている。
…それに対し、ネルフの保安部員は何ら敵に打撃を与えていない。
「…無理もないか。みんなヒト殺す事になれていないものね……」

451 :16-26:02/06/09 00:01 ID:???
「日向君。この発令所の外部から通じるルートへの、爆破と特殊ベークライトの
抽入同時にお願い」
彼は怪訝な顔で私に問い返す。
「…葛城さん。そうすると…発令所以外の本部施設の職員…見捨てる事になりま
すよ…」
私は彼の視線を正面から受け、繰り返す。
「…命令よ。急いで」
各モニタからは、救援を求める悲鳴…断末魔、そしてそれら全てかき消す銃声が
流れ続けている。
せめて、目を背けない事だけが私に出来る唯一の手向け。

「それともう一つお願い。全周波回線でこう伝達して。貴軍が攻撃の手を一時休
めぬ場合、我等本部施設の自爆も辞さず。尚、BC兵器の無条件使用の選択も捨て
去る意思無し。しからずれば、我等に小一時間の猶予を与えたし。さすれば、無
条件降伏を選択する用意あり…とね」
「…本気ですか」
「まさか…時間稼ぎのはったりよ」

452 :16-27:02/06/09 00:01 ID:???
<渚>

自らの仲間を食み、ついには自らをも食む…リリン。
でも、それが君達の強さでもあり又、可哀相な議長の絶望の源でもある。
僕は五号機のケージの前で腰を下ろし、歌を歌う。
隣にはリリス。
「聞こえる…渚くん。もう時間が無いわ。衛星軌道上の使徒には現在の所、まっ
たく動きがないけれど…」
「分かっていますよ…葛城さん。貴女は知っているのでしょう…? 僕の事を」
「…ええ。でもね…馬鹿な話だけど……私はアナタを信じます」
綾波レイ…リリスがその足先で、LCLをちゃぷちゃぷと弄んでいる。
「葛城さんが僕を信じる根拠はあるのですか?」
暫しの沈黙。
「女の勘…かしらね。……私は、アナタ達を倒す事に人生を掛けてきたの。でも
ね、それでは結局誰も幸せになる事が出来なかった…。シンジくんとアスカが信
じたアナタ、私も信じるわ」

「ところでレイがロストしたままなの。渚くん…分からないかしら?」
綾波レイは僕の方に顔を向けて、静かに首を横に振る。
「…いえ。でも、彼女は大丈夫ですよ…きっとね」

そして僕は此処にいる。
かって、僕達使徒が目指すべき場所であったセントラルドグマ、ヘブンズドアの
先。
今は、LCLの底にロンギヌスの槍がたゆたっているだけの場所。
僕はロンギヌスの槍を手に取り、蒼い月が支配する夜の空間へと飛翔する。

453 :17-1:02/06/09 00:02 ID:???
<碇>

「エヴァンゲリオン初号機、エヴァンゲリオン弐号機リフトオフ!」
僕が始めてエヴァに乗って出撃した日。
その日と同じく、満月が煌煌と輝く闇夜が広がっていた。
いたるところで、白い閃光が上がり…煙が立ち込めている。
リフトオフした瞬間、アンビリカルケーブルは軍隊の砲撃で断線してしまった。
「ふふん。馬鹿ね。もう、そんな¨臍の紐¨のような邪魔臭い物はいらないのよ!」
「アスカ…大丈夫なの」
「何が?」
僕の方が口ごもってしまう。
「いや…だから、エヴァの操縦…」
怒るかと思いきや…アスカは優しく微笑んでいる。
「…レイに聞いたから。ママはずっと、私を見守ってくれていたって」

454 :17-2:02/06/09 00:03 ID:???
「…いい、エヴァ両機はジオフロントに展開中の戦自の部隊は無視して」
そしてメインモニタにジオフロントの地形図が投影された。
何箇所かの場所に、赤くマーキングされる。
「敵は指令中枢を幾つかに分けているわ。その赤い所が予測される敵の指令中枢よ。
…ごめんなさいね。アナタがたにこんな事、させたくは無いのだけど…」
僕はヒトを殺すのも…シトを殺すのも嫌だ。
でも…僕が此処に来た理由。
みんなと知り合って…沢山の人達がいなくなったけど、でも…まだ生きているみんな
を失いたくないから。

「最大戦速で…あまり被害は出さずに片を付けよう、アスカ」
「そんな事分かってるわよ。ま、ユニゾンの時のように失敗しないようにしてよね」

時が全てを癒してくれる。
二度とは来ないと思っていたけれど、時だけが癒してくれるモノもあるから。
 

455 :17-3:02/06/09 00:04 ID:???
<ローレンツ>

何故、今更にあがくのだ碇。
ヒトの歴史が終わり、新たなるシトの時代が始まるだけだというのに。
不完全な群体であるヒトは、傷つけ…傷つく定めから逃れる事は出来ない。
私は…そのヒトを定めから解放する、必ずや。

「主よ…お言葉ですが、我等を作りし神は我等を愛しては居られないのです。しかし、
主よ…貴方ならばヒトが消え去り後、全ての生けとし生きるモノに限りない愛を注ぐ
事が出来ましょう」
主タブリスは、穏やかにその白髪を揺らしながら首を振った。
「老いたるリリン。それは違う。君は逃げているだけなんだ。全てに愛を注ぐ事が出
来ない事も、傷つけあう事も、全ては君達次第で変えられるんだよ」
「しかし、私は多くのモノを見過ぎてしまいました。そして…私自身も穢れに穢れて
しまい…それでも私はヒトを愛し、だからこそ…正統なる白き月よりの主に全てを託
し、我等は無に還りたいのです…」

赤木博士…君のダミープラグが人類に福音を齎す。
リリスからの、エヴァ量産機…そして主のアダムからのエヴァ五号機。
その、主のエヴァ五号機がリリスよりのエヴァ量産機により磔刑にされ、主タブリス
の原罪の禊は行われる。
そして、セフィロトの樹へとエヴァ五号機が還元されて、ヒトの時代は終わり…シト
の時代が訪れよう。
「主よ…。贖罪の為の十二のシシャを遣わします」

456 :17-4:02/06/09 00:06 ID:???
<惣流>

「エヴァシリーズ…完成していたの」
「…エヴァ…参号機…?!」
夜空には雲一つなく、夜の清澄な空気が凛とした雰囲気を漂わせている。
その夜空を蒼い月と使徒と星々が彩る中、エヴァ長距離輸送機よりエヴァシリ
ーズが自由落下を始める。
激しい地響きと振動…土煙を立てながら次々と地面に叩きつけられるように落
着して…。

──REI AYANAMI──

チッ。
ダミープラグって訳ね。
全部で十二体だから…二人で六体づつ…か。
「いい…シンジくん、アスカ。エヴァシリーズは必ず殲滅するのよ! 今、渚
くんもそっちに向ってるわ。必ず…生きて帰るのよ二人ともッ!」

私のエヴァ弐号機とシンジのエヴァ初号機。
エヴァ量産機に360度包囲される中、お互いの背中をあわせて、死角をお互いに
庇いあう。
「……決着を付けよう…エヴァに乗っていた僕達自身に…」
シンジの顔から血の気が引いていた。
…無理も無いか。
私だって…怖い。
でも、ヒトを殺した私がそんな事、言う権利があるはずもなく。
「…そう…そうね。じゃ…行きましょ……シンジっ!」

457 :17-5:02/06/09 00:09 ID:???
私は狂ったかのように、エヴァ量産機に駆け寄りその頭部をプログナイフで一撃
の元に粉砕し、返す刀でもう一体のエヴァ量産機の腹部の内臓をずぶずぶと抉る。
まるで、噴水のような音を立てて、ヒトと同じ色をした血飛沫を撒き散らしなが
ら奴等は倒れこむ。
「はぁはぁ…これで後四体っ!」
その時、エヴァ量産機二体が私を挟み込み、バレットライフルを乱射して来た。
力を込めて、空高くジャンプする。
ガガガガガッ!
同士討ちの形となり、体のあちこちから血を噴出しているエヴァ量産機を組み伏
せて、プログナイフを無茶苦茶に突き立てる。
バキィ。
チッ…プログナイフが無ったって。
もう一体のエヴァ量産機に馬乗りになりながら、その首を力の限り締め付ける。
ガギィ。
頚骨が粉砕された嫌な音と共に、その長い手足が弛緩する。

458 :17-5:02/06/09 00:11 ID:???
と、エヴァ量産機の腕が伸び、私の弐号機の足首を掴み引きずり倒す。
そうして、先ほどとは逆にエヴァ量産機に押し倒されて首を締められる。
肺が虚しく酸素を求め、喉から漏れ出る喘ぎ。
「…っ…ぅぁ」
「アスカ…っ!」
エヴァ初号機の物凄い跳躍、そしてそのままの勢いを殺さず、着地と共にその腕を
がエヴァ量産機の頭部に振り下ろされる。
ベチャっ、と脳髄と血を撒き散らしながらエヴァ量産機は仰向けに倒れこんだ。
「はぁはぁはぁ。大丈夫…アスカ?」
私は額に汗でべっとりと張り付く髪を撫でつけながら「うん。ありがと…シンジ」
その時は、何故か素直に言えた。

「…くぅ…こん畜生…っ!」
「畜生畜生…離れろ…このっ!」
最後の二体に私達は同時に、後ろから羽交い絞めにされ、プログナイフを肩と言わ
ず背中と言わず…突き立てられる。
「……痛…ァ…くっ! 殺してやるっ!」
「…あああ…がぁ…畜生…っ…」

459 :17-6:02/06/09 00:20 ID:???
──まだ、死なせないわ──

ママ…?
その時、私の意志とは関係無く弐号機からATフィールドが展開される。
そのATフィールドが、私達を羽交い絞めにするエヴァ量産機の体を包み込み圧縮す
る。
ぐちゃぁ。
エヴァ量産機はとても不快な音と共に血をATフィールドに飛び散らせながら、頭部
から地面に倒れこむ。

「…はぁはぁ……ざっとこんなものね」
「…うん。これで後は…」

私達のエヴァは返り血を浴びた姿のまま、遥けき彼方の虚空に浮かぶ月を見上げる。
その眩いばかりの蒼い月光が…世界をその色に染め上げていた。

460 :17-7:02/06/09 00:21 ID:???
<冬月>

もう、発令所にすら俺の居場所は無いのかな。
旧世代の電算機の計測値を見遣っていると…可視波長のエネルギー波? それも、
全地球規模…この星を覆っている。
「…葛城三佐。使徒からの指向性のエネルギー波が……」
その時オペレータの一人…マヤ君と言ったか…が、イヤホンを叩きつけ叫び出す。
「嘘……もう…もうこんなの嫌厭厭ァァァ!!」
仲間のオペレータが錯乱する彼女を必死に押さえつけている。
もう一人のオペレータが瘧を起こしたかのように、体も声も震わせながら。
「…ふ、副指令…葛城三佐。ぇ、衛星からの…映像を御覧下さい………」
そして、そのデータを発令所主モニタに回して…。
葛城三佐以下、みな声も無く立ち尽している。
先ほどの、戦自への打撃及びエヴァ量産機殲滅時の歓声が嘘のようだ。

「……結局、ヒトを滅ぼすモノは…ヒト……か」
俺は苦い言葉を吐き出す。
…ユイ君。
やはり、ヒトの未来は否定されたよ。

461 :17-8:02/06/09 00:22 ID:???
<葛城>

主モニタには、漆黒の宇宙に浮かぶこの星の全ての大陸で、眩い閃光が煌いて
いる映像が映し出されている。
皆、声も無く立ち尽くすのみ。
戦自の指揮系統も失われた為か、或いは彼等の忠誠対象が消滅した為か、全て
の戦闘行為は現在停止している。
全ては…見ての通り。
…だが、義務感から私はのどからせり上る苦いものに耐えながら、呟く。
「……状況説明…頼む…わ」
「…新型爆弾及び熱核兵器による、世界主要都市への…無差別攻撃……です。
第二新東京の消滅も確認。此処にも約10分後に第一波が到来します……糞っ!」
悔しそうに、端末を拳で叩きつけている。
…結局、ヒトの未来は否定されたの……?
「ショックアブソーバを全開! エヴァ両機の回収急いでっ!」

462 :17-9:02/06/09 00:33 ID:???
いや、このまま使徒に勝利をくれてやるものですか。
そして彼等が…或いは。
「エヴァ両機の回収は撤回します」
そう、やらなくてはならない…全ての清算をね。
「所で……分析終った? 日向君」
「はい…。MAGIなら即答だったんですが…。どうやら、衛星軌道上の使徒による
未知のエネルギー波はヒトの精神に作用する形の指向波だったようです。それが
…この惑星全体に照射され結果、大国間の核の応酬…まさか、旧世紀の悪夢がこ
の時代で…これがサードインパクトとは…皮肉なものです…」
私は唇を噛み締めながら、彼の報告を聞く。
微かな痛みと共に、口の中に血の鉄の味が広がった。

「…これは簡潔で良いわ。本部施設が核の直撃に耐えうるか否か。そして…人類
存続の可能性の有無…そのシミュレーション…お願い」
答えは聞く前から分かっている…けれど。

463 :17-10:02/06/09 00:34 ID:???
<ゲンドウ>

「やはり此処に居たかレイ」
ヒトの未来は老人どもが画策した事象とは違った形でその、終焉を迎えようとし
ている。
やはり、今回も又死海文書は覆せなかったか。
LCLに足を浸しながら、俺に背を向けて座っているレイに声を掛ける。
……近づくにつれ、俺の中の不安は膨らんで行く…だがこれでいい。
「……苦悩を突き抜け歓喜に到れ…か。何故歌うのだ…レイ」
レイは…いや、リリスは私に向き直り「歌、好きだから」と誰に言うでも無く、
呟く。
「…そうか」
俺の希望、冬月の絶望…。
俺は神になることは出来ない…その資格が無い。
しかし…シンジとキョウコ博士の娘…お互いを傷つけあう事しか知らない…その
欠けたココロが引き合い、溶け合う事によって。
俺は少なくとも議長や委員会をミスリードする事だけは出来たはずだ。

464 :17-11:02/06/09 00:35 ID:???
「何がそんなに辛いの?」
リリスは俺を見詰めている。
その瞳は…俺を哀れんでいた。

「…俺は、俺にはこの世界は生き難かった…。だが、閉塞した人類を変える事も
まして、新たなる扉を開けることなど…俺には出来ない」
「怖かったのね。自分も含めて…この世界全てが」
だから、もう一度会いたかった…いや、共に生きて行きたかった。
ユイとシンジと…共に。
「ああ。繰り返す輪廻からの解放、そして人類の新世紀。お前達が…チルドレン
を導いてくれる事を願いながら」
「さあ、預かっていたものを返そう。全てはシンジ達とお前達に委ねられたのだ
からな」
俺はリリスの腹部にアダムを宿した右腕をつき入れ、有るべき場所へと補完した。
右手を失い、全てを失った俺の後ろをリリスが無言で指差す。
そこには。
「………ユイ」
この時を、ただひたすらにこの時を待ちわびていた…。
…俺はユイをかき抱き続けた…時の終わりまで。

465 :17-12:02/06/09 00:36 ID:???
<ローレンツ>

些か予定とは異なったが、良い…全てこれで良い。
この後の浄化された世界では、主による新世紀が始まる。
「…皆、今までご苦労だった。君達の故国の様子はどうかね」

アメリカ理事「やはり、あの大統領は適任では無かったようだ。しかし、全ては神の
元での予定調和。これも神の御業と信じたいものですな」

ロシア理事「しかし、これでようやく我等の2000年…いや、繰り返された世界を勘案
すると…我々は何万年の間、働いて来たのでしょうかな…」

フランス理事「左様。長く険しい我等の義務も今、ようやく終わりを告げ…我等の死
を持って…シトによる新世紀が始まるのでしょうな」

466 :17-13:02/06/09 00:49 ID:???
イギリス理事「後は、主が天上の¨神¨…月を破壊することにより全てが完結です。
後は主にお任せし、我等は甘き死を感受するのみ」

世界は今、ヴァルプルギスナハト(悪魔の夜祭り)を迎えている。
そして、悪魔は誰でもない…たかが精神への干渉でこのような事態を招く、ヒト自身
であった。

大陸間弾道弾の此処への着弾まで、後10秒。
私の奇怪なる長い生も、今この時の為にあった。

「…では、人類に永遠の安息がもたらされん事を」

467 :17-14:02/06/09 00:50 ID:???
<渚>

ロンギヌスの槍を片手に、ようやく地上に飛び立つ事が出来た。
月が綺麗だ。
そう、あの月こそが神と呼ばれる¨何者か¨、即ち全ての命の源である無慈悲な
夜の女王。
「シンジくん、アスカさんご苦労様。どうやら、僕を迎えに来たシシャを倒して
くれたようだね」
「カヲルくん…っ! 本当に…来てくれたんだ…」
そう、シンジくん。
君にはその笑顔がとても良く似合う。
「アンタね。いつもいつも…タイミングが悪すぎるのよッ!」
そう、アスカさん。
君にも笑顔が一番良く似合っている。

「さあ、始めよう。僕がロンギヌスの槍を投擲した瞬間、シンジくんとアスカさ
んはその槍にATフィールド…神を拒絶するココロの壁をぶつけて欲しいんだ」
「…分かったよ…カヲルくん」
「良いわよ。やってやろうじゃないの。私達を玩具にした神とやらを殺してやる」

468 :17-15:02/06/09 00:51 ID:???
その絶対的に他者を拒絶するココロの壁、でもそれは同時に脆くもある。
だから、君達リリンは…好意に値するんだよ。
さて…もう一人。
「…レイさん。手伝って貰えるかい」
シンジくん達が一斉に僕の五号機に視線を送る。
見なくても分かっている。
五号機の背後には、綾波レイの零号機が月光を浴び佇んでいる事を。

「これ、アナタに還すから」
と、彼女の零号機の右手が、僕の五号機の額に触れる。

──15年ぶりだね──

──オカエナサイ──

469 :17-16:02/06/09 00:52 ID:???
から、僕はもう…リリンと共にある事は出来ない。
でもその前に、僕達からリリンへと最後の手向けを渡さなくてはならない。
「レイさん。君もシンジ君達と同じように頼んだよ」
「…分かったわ」
モニタに映る綾波レイは僕を寂しそうに見詰めている。
いいんだよ。
シンジくん達から貰った思い出、それがある限り僕は永遠に生きていける。
たった一人でもね。
でも、リリス…君はどうするんだい。

470 :17-17:02/06/09 00:53 ID:???
<葛城>

発令所の指揮系統は崩壊した。
迫り来る死の恐怖から、支給品のピストルで自らの頭部を打ち抜く銃声が
単発的に響いて来る。
私はシンジくん達に最後の通信を入れようとした時。

パァーン。

乾いた銃声の音。
口を開いた瞬間、ごぼっ…と喉から血が溢れ出た。
胸に手を触れると、熱いべっとりとしたものが私の掌に纏わりつく。
いつも着けていた、十字架は…その中心に銃弾による穴が穿たれ…床に落
ちていた。

パンーっ!

私は振り向きざまに、その相手に対し発砲した。

ヒトの肉体が床に崩れ落ちる音が聞こえた。
「……マ…ヤ…ちゃん…? どうして…ごふ…っ」
最後の問いは、肺から喉に逆流する自らの苦い血に邪魔をされて言葉にな
らない。

471 :17-18:02/06/09 00:54 ID:???
彼女はうつ伏せに倒れ、床に血だまりを広げている。
手足を痙攣させながら、彼女は顔を上げてその虚ろな瞳で私をねめつけている。
「……だって…先…輩の仇…だから…リ………輩…………」
そうして彼女はがくりと、自らの血だまりに落ち込んだ。

私は指揮卓に寄りかかりながら、日向君にシンジくん達への回線を開いて
貰っている。
……私、これで良かったのよね…加持くん…。

<碇>

…僕は此処に来て、色々なモノを得てそして色々なモノを失った。
でも、まだこの手に残っているモノを失わない為に…そして、繰り返す苦し
みを断ち切る為に。

「……良い、シンジくん…みんな。結果はどうであろうと…何かを為そうと
した、その事に意味があるわ。だから…自分自身で決めた事の結果がどうで
あろうと……それは正しかったの…よ。それに……いえ、帰ってきたら…又
話しましょう…ね…」

472 :17-19:02/06/09 00:55 ID:???
そこで、向こうから通信が切られる。
最後のミサトさんの、とてもとても優しい微笑み。
まるで、お別れみたいな言葉。
どうしてだろう…何も分かっていないのに、涙が止まらないや。
主モニタのアスカも…泣いていた。
「……ねぇ…!? どうして…どうして、こうなっちゃうのよ…ねぇ!」
僕は何も答える事が出来ない。

そして、その時が来た。
カヲルくんが夜空を高く舞い、槍を月に向かい投擲する。
母さん…力を貸して…っ!
何故だが、そんな祈りを胸に溜め込みながら。
「ATフィールド全開ッッッ!!」
「こんのーぉお…っ!! 私達はアンタの玩具じゃないのよぉぉっっ!!」
「フィールド展開! これが…私の意思だから」

槍は僕達三人のATフィールドによって、一瞬の内に暗い夜空に吸い込まれ
て消えた。

473 :17-20:02/06/09 01:15 ID:???
<冬月>

「そうか…葛城三佐は亡くなったか……」
俺はその場で深く瞑目する。
年寄りばかりが生き残ってしまう。
だが、それも後僅かな時間だが。
「……ジオフロント内で強力なATフィールドを確認! 槍が…ロンギヌス
の槍が光速の数十%の速度で大気圏を離脱し、衛星軌道上の使徒を差し貫い
た後…月に向っています。速度は以前、減退せず…」
今…神もヒトもシトも全てが無に還るのか…。
いや、ユイくんが残した初号機そして弐号機…そして、聖母たるリリス…全
ては彼らに委ねられた…か。

「周回軌道衛星の映像を回せ。そう…月の映像だ」

474 :17-21:02/06/09 01:17 ID:???
槍が小さくなり、肉眼では確認が不可能となり…蒼い月に吸い込まれて行く
ように消えた。
そうして……。
………! この状況ですらまだ、驚くという感情が残っていたとは……。
月は…月はそれ自体が一つの眼球だった。
その瞳が見開かれているのを…我等被造物が目にする日が来ようとは。
そのレイのように紅い瞳から血を宇宙空間に撒き散らしながら、大きくその
瞳が揺れて…。
やがて網膜が広がり…白濁して行く。
そして…ふっと、月は消えた。
まるで初めからそこには何も無かったかのように、暗黒の虚無の空間が冷え
冷えと広がっている…。
俺は大きく一つため息を付き「碇。こちらは…全て終ったよ。お前はユイく
んに会えたかね」と呟き、椅子に崩れ落ちる。

475 :17-22:02/06/09 01:18 ID:???
<惣流>

「…消えちゃった…月。これからどうなるんだろ…?」
潮汐力が失われた事により、これからの地球環境は激変するはずだから。
ようやく…やうやく…全てにけりがついた。
…このまま私は罪を抱えて生きていけるのだろうか。
その時。
突然、夜が昼になったかのような激しい閃光が、全てを白く染め上げる。
エヴァの自動流入光量調整機能がなければ、失明は免れ得ないほどの白い
閃光、その瞬間地面は沸き立ち大気が沸騰する。
そうして…私達が見たものは。
……誰もが無言だった。
NERV本部があったジオフロントが…ただ、私達のエヴァとその完全なる球
体の空間を除いて全てが消滅していた。

私はエヴァの特殊回線を開き、衛星軌道上の監視衛星にリンクして…。
「やっぱり…か」
全身から力が抜ける。
でも一面、少しだけほっとしてもいた。
罪を背負い、全てを失ったまま生きて行けるほど私は強くないから。
…これで、本当に全てが終った……。

476 :17-23:02/06/09 01:18 ID:???
「…終っちゃった…全部。この世界にはもう…ヒトは私とアンタ二人だけね…。
まったく…畜生…っ!」
でも、感情は私を裏切る。
涙と怒りの奔流が止まらない。
「……何で私がアンタなんかと心中しなくちゃならないのよ…ッ! この私がっ!」
シンジは、疲れきったような顔をしてぐったりと、頭を抱えて座り込んでいる。
何とか言いなさいよ…! お願い…何とか言ってよ…。

477 :17-24:02/06/09 01:19 ID:???
<渚>

シトもヒトもこれでようやく、長い苦しみの輪廻から抜け出す事が出来た。
しかし、その結果がこの何も無い…シトもヒトも全てが死に絶えた、苦しみも無いけ
れど喜びも可能性も何もない、完全なる虚無の世界。
僕と綾波レイが生まれてきた理由。
それは、シンジくんとアスカ…そしてリリンに新たなる未来を開く為だったのかもし
れない。
モニタの中で、アスカさんが両手で顔を覆いながら体を震わせて声も無く嗚咽してい
る。
「まだ、この星が生まれてから10数億年。もう一度、やり直そう? 輪廻の無い、一
回きりの世界をね」
アスカさんは僕の真意を測るように、僕の瞳を覗き込む。
「……でも、今の私達はやっぱり死ぬのよね?」
僕は首を振りながら「そうとも言えるし、そうではないとも言えるかな。君達の体を
構成する細胞…そこから、また始めるんだよ」
「神無き世界で、命がどのように進化して行くのか分かるの? もう、ヒトもシトも
発生しないかもしれないでしょ…」

ごめんね…アスカさん。
僕は君が望んでいない、真実しか語れないから。
「それは僕にも分からない。でも、生命には自らを復元する力があるから、きっと大
丈夫」

478 :17-25:02/06/09 01:20 ID:???
<碇>

僕は自分の頭を抱えながら、全てを自分の中から追い出した。
アスカの悲痛な嗚咽や叫びも…彼女達の存在も。
……これでエヴァに乗っていた自分にけりを付ける事が出来たと思った、その瞬間。
僕達が帰るはずだった…NERVが世界が…みんなみんな消えて無くなってしまった。
…とっても、疲れた。
アスカの怒声や、嗚咽…その苦しみに僕は何も答える事が出来ない。
もう、僕は誰とも会うことも話す事も出来ない。
それは、とってもとっても寂しいけれど、もう傷つく事も苦しむ事もない世界。
そして、ここは気持ちがいい。
他人が存在せず、ただ僕だけがこの世界の全てだから。
「………これが、僕の望んだ世界だったのかな」

そうして、僕は通信回線を完全に切断しようと、手を伸ばした時。

479 :17-26:02/06/09 01:29 ID:???
「碇くん。アナタとアスカは私が守るから。だから…心を閉ざさないで」
綾波…。
ごめんね。
でももう、本当に駄目なんだ。
だって……エヴァの中、母さんの胎内に還ってしまったから。
それに…正直、エヴァに乗った自分と決別しても…僕はトウジを殺した人殺しで
ある事には変わりがないから。
それを背負ってまで…生きていけるか分からなかったんだ。

「…シンジくん? 君は本当にこれでいいのかい」
だって、如何しようもないじゃないか。
世界は消えたのに、エヴァから降りる事も出来ない僕達がこれから生きて行ける
訳がない。
…エヴァから離れようとしたんだ。
でも、結局…母さんの胎内に閉じ込められてしまった。
永遠に。

僕はアスカに…みんなに、さよならを言う為に回線を開く。
これが多分最後の通信。

僕の正面の主モニタにはみんなの顔が映っている。

480 :17-27:02/06/09 01:30 ID:???
アスカ…泣きじゃくりながら僕に縋るような、それでいて幾分かの…多分、苛立
ちを湛えた視線を向けている。

カヲルくん…カヲルくんはやはり、いつもと同じ包み込むような温かい微笑みを
僕に向けてくれている。

綾波…綾波を見るたびにずっと、感じてた事があるんだ。そう、やっぱり綾波は
やっぱりお母さんみたいだ。僕だけの母さんでは無くて、みんなの。
いつものように何も表情は浮かべていないけれど、その瞳は僕を優しく見つめて
くれている。

「みんな今までありがとう。こんな僕と関わりを持ってくれて。初めてだったん
だ。他の人とこんなに長く関わりを持って…話したり遊んだり…出来たのは」
悲しいけれど、涙が出ない。
でもその分、胸が抉られるほど、寂しくて悲しい。
「此処に来て辛い事ばかりだった。でも、みんなと会えて良かった。その気持ち
だけは本当だから…さようなら」

481 :17-28:02/06/09 01:32 ID:???
「待って…。私は可能性に賭ける。……星が生まれ、そして死んでいくほどに長
い時間を経ても、もう一度生まれたいから…」
アスカは全てを吹っ切ったかのような、迷いの無い表情で僕を見詰めている。
僕は…。
僕は……。
そう。
アスカとカヲルくんのさっきの話は聞いていたんだ。
でも後、一歩を踏み出す勇気が無かった。
そして…アスカが僕に、その一歩を踏み出すための勇気をくれた。

こくりと、首を縦に一回。
「僕ももう一度生まれて、アスカに…みんなにもう一度会いたい。そして…エヴ
ァに乗らずに、トウジを殺す事も無かった僕になりたい」
アスカの瞳からぽろぽろと涙が溢れて、丸い玉になりLCLに拡散して行く。
「…私も、エヴァに乗らないで人を殺す事が無かった自分になりたい。でも、シ
ンジにも、みんなにももう一度会いたい。普通の人生を送ってみたいから」

カヲルくんはモニタから僕達を見詰めて「本当のいいのかい?」と尋ねる。
僕とアスカは同時に頷く。
綾波は祈るように、両手を組み瞳を閉じている。
そして瞼をゆっくりと開きながら「大丈夫。貴方達リリンは私が守るから」と、
慈愛に満ちた微笑を浮かべた。

482 :17-29:02/06/09 01:34 ID:???
僕の初号機を綾波の零号機が背中から包み込むように、両手を回し抱いている。
アスカの弐号機をカヲルくんの五号機が力強く、両手を回し抱いている。
向かい合う、初号機と弐号機の間に…ロンギヌスの槍が再び地上に戻り、その長い枝
の両端の部分が、蛇が巻き合うかのような鋭い切っ先を向い会う僕等に向けていた。
そうして、その両端の切っ先が初号機と弐号機のコアへと吸い込まれて行く。
その、切っ先がコアに触れる寸前。

「アスカ。これでお別れじゃないよね?」
「当たり前じゃない。アンタみたいな馬鹿…私以外誰が相手にするのよ」

──シンジくん、アスカさん。これで本当にお別れだね。僕は、この星に再び命の種を
播種した後、旅に出るから。僕達シトが生まれた証を残す為にね──

──碇くん、安心して。私、リリンのお母さんになるから。そして、待ってる。みんな
が又、私に会いに来てくれるのを──

「綾波、カヲルくん…お願い」
「さあ、アンタ達頼んだわよ」

483 :エピローグ1:02/06/09 01:36 ID:???
「ふーふふ…ふふふふ……♪」
リリスは一人、海辺で歌を歌っていた。
彼女と同じ存在であった…彼から教えてもらった歌を。
彼女は補完され、細胞に還元されたシンジ達が無数に漂う海水を一掬いし、ゆっくりと
その掌の海水を海へと戻す。
そして、制服の胸ポケットから…彼女とみんなの集合写真を取り出し、慈しむかのよう
にその写真を胸に抱き…目を閉じる。
「ふふふふ…ふ…ふふ……♪」
温かい夏の日を浴びながら、彼女は微笑んでいた。

484 :エピローグ2:02/06/09 01:49 ID:???
階段から降りると、いつものように母さんがリビングで食事をしている。
父さんは僕の朝食をテーブルに置きながら「早く朝食を取れ。もう、時間だ」と、何故
か今日は機嫌が悪い。
そういえば、昨日出版社の人が家に来てたっけ。
さては、父さん…また期日に間に合わなかったんだ。
「おはよう。父さんね昨日から…機嫌悪いのよ。自分が悪い癖に困った人…」
「…お前だって、つい最近学会での発表が間に合わないと大騒ぎしていた癖にな」
やれやれ。
夫婦喧嘩なんて聞いてられない。
僕はさっさと、朝食を済ませて家を出る。

「よ! おはようさん」
「あ、おはよう」
やっぱり、こいつは朝からテンション高いよ…まったく。
「ところでな…センセイに折り入って頼みがあるんやけど」
はぁ。
またか。
「…どうせ、宿題写させろっていうんだろ」

そして僕達は他愛の無い世間話をしながら、学校へと向う。
「…でな。ワシ妹の宿題見てやったんや。まぁ、小学生の理科や。楽勝だと思ったら…」
「分からなかった…だろ? で、どんな問題だったの」
「うぅん。ああ、そう。地球が出来てからの年月を述べよちゅう問題があったわな」
まったく…そんなの、今は幼稚園児でも分かるよ。
46億年だろ。
下手なくせにバスケばかりやらないで、少しは勉強しろよな。

485 :エピローグ3:02/06/09 01:51 ID:???
と、向こうから他校の女の子二人組みが歩いて来た。
一人は普通の女の子だったけど。
もう一人の女の子は外人…かな?
その子は柔らかな栗毛色の髪を風になびいている。
その髪を軽く押さえつけながら友達と楽しそうに会話しながらこっちに近づいて来て…。
僕は……その子の顔に視線を向けたまま、道の真ん中で立ち尽くしてしまう。
「ちょっと、アンタね。さっきから私をじろじろ眺めるは、道の真ん中で通行の邪魔を
するわ…アンタ馬鹿ぁ?」
…僕を睨みつけていた表情が、少しづつ憤りから不思議そうな表情へと変わって行く。

そして………僕も…………不思議な感覚に捕らわれて………。




「……カ?」
「シ…ジ?」


気持ちの良い風が頬を撫でる夏の終わり。
僕達二人の時間が再び動き出す。

終劇

486 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/09 01:57 ID:DRL3a/N.
1さん、完結、おめでとうです。
久々に面白い作品読ませてもらいました。

487 :1 :02/06/09 01:57 ID:???
ようやく、完結させる事が出来ました。
まずは、私のこのような無謀な行為を温かく見守って
下さり、激励や感想などを戴けました事に深く感謝致
します。
特に、時々下さる読んでいるよレスや、落ち込んだ時
に励まして頂けた事、とても嬉しかったです。

SS書きの面白さを知った事から、出来れば、アプした
いと考えているのですが、その際に手直しもしたいと
思っておりまして、皆様がお読みになられて、伏線が
上手く処理されていなかったり、或いは余計な描写又
は、足りない描写など、気になる点が御座いましたら
是非、ご教授お願い致します。

後、やはり読んでみての感想を頂けたら大変嬉しいで
すね。
是非、感想やご批評の程、宜しくお願い致します。
最後に、アプの仕方が良く分からないので、どこか分
かりやすいスレを教えて頂けたら、感謝の極みです。

始めに考えていた展開とは大きく変わってしまいまし
た。
そして、特にEOE解釈はまったくの独自の解釈であり、
あまり突っ込まないで下さい(w
属性は無しかなぁと、考えていたのですが、書き手
の手を離れてアスカたんの動く事動く事。
客観的に判断して、ややLAS寄りでした。

488 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/09 02:22 ID:???
・・・凄ぇ。
いい話を読ませてもらったよ。
感動した。

ありがとう。

489 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/09 03:57 ID:???
あんた最高だよ。
最後の出会い方は秀逸。
レイとかとは出会うのかい?

490 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/09 07:55 ID:???
1さん お疲れ様でした。
話が独自の展開へと傾き始めた頃から、毎回目が離せませんでした。
途中放棄されるSSが多い中で、しっかり完結させたということだけでも賞賛に値しますが、
内容も十分に味読に耐える素晴らしい話だったと思います。

491 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/09 17:56 ID:???
http://isweb32.infoseek.co.jp/play/eva-2ch/index.html

エヴァ板支援。
ここのあぷろだだったらもんだいないんでない?


とにもかくにも、無事完結。それだけでも昨今では「たいしたもの」
だとおもいます。なおかつ面白いとくればもういうことなしです。

・・・まぁ多少「?」とおもう所もありましたが(とくに最初期)
それも「とりようによって」程度かと。

とりあえず、おつかれさまでした。
うぷされるころには、さらに洗練されることを。

ってか自サイトつくったら?凡百のサイトのよりよっぽどおもしろかったし、
次回作もきたいされ。
蛇足しつれい。

492 :1:02/06/09 19:49 ID:???
>488
なんだかとても照れくさいですが、素直に嬉しいですね。
>489
一応、読んだ方の判断にお任せします。
でも、レイにも幸せになって欲しいですね。
>490
本当にありがとう御座います。
やはり、温かく見守って頂けた事が一番嬉しかったです。
>491
おお、アプロダご教授感謝致します。
確かに、私自身始めの部分は読み返すのが恥ずかしいですね(w
自サイト作製には大変興味があるのですが、作り方がまったく分か
らないのが困り者です…。
PC初心者板にでも行けば、教えて頂けるものでしょうかね。

493 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/09 20:19 ID:???
優しい。の人みたいに、インデックスページとテキストだけでいいんじゃん?

SS読む人はSSを読みにくるんだし。
リアライズアゲインの置いてあるサイトなんかは好きですが。
かんたんそうでもあるし藁

494 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/09 20:21 ID:vR.hsQPo
LRS書いてください。

495 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/09 20:55 ID:???
>493
確かに。
出来るだけ簡単のではないと、私の手には終えないので(w

>494
私もレイは好きなんですが、本編準拠だとLRSにするのは
非常に難しいという罠がありますからね。
でも、機会があったら挑戦はしたいですね。

496 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/09 22:12 ID:???
>>本編準拠だとLRSにするのは
非常に難しいという罠がありますからね。

そう言えるヒトが書くストーリーは、読者もついていけます。
次回作期待。

497 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/10 00:42 ID:???
遅ればせながら完結おめでとうございます。
久しぶりに引き込まれて読みました。特に後半のほうはグイグイと。

ただ、描写が省かれてると厳しいなと感じました。何やってるか、何考えてるのかがわかりにくい・・・
本編とほとんど同じなら軽い書き込みのほうが良いと思いますが。

書く気あるなら次回作期待です。無いなら待ってますんで。

498 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/10 12:17 ID:???
さあて、新たなる挑戦者はまだかね?

499 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/10 12:42 ID:???
>>498
お前がやれ

500 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/11 19:07 ID:???
最初の方は殆ど書き直しですね…。
後、細かい部分と誤字脱字を修正し終えたら、ここでアプ報告
致します。

>496
本編準拠は今回一度書いたので、次はやはりEOE後ですかねぇ。
あれは難しいけれど、挑戦のし甲斐がありますね。
いつになるかは分かりませんが…。

>497
多分、新しいのは書くとは思うのですが、今はネタ
を考え中ですね。
また、書く事がありましたらその時も宜しくお願い致します。

501 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/12 15:17 ID:???
このスレッドは500を超えました。
もうくだらないので、新しいスレッドを立てないでくださいです。。。

502 :匿名希望 ◆XxkhyTro:02/06/15 01:26 ID:???
時に、西暦9700年。
人類は未だに国際宇宙ステーション(ISS)を完成させてはいなかった・・・。







う〜ん、やっぱり小説を書くのは難しいや。

そういえばこれ、エヴァとまったく関係ないような・・・。

503 :1:02/06/15 03:38 ID:???
今、HP作っているのですが何だか難しいです。
DIONの簡単な奴で作っているのですが、完成には程遠いです。
基本的に土日しかいじれないし…。
まだ、本当に試作段階ですが、これから何とか形にして行きます。
よかったら、覗いてみてください。

ttp://www.h4.dion.ne.jp/~evaff.ss

504 :1:02/06/15 10:43 ID:???
はぁ…HTML難しいものですね…。
まだ、今しばらく時間がかかることと思います…。
はぁ…鬱だ。

505 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/15 11:07 ID:???
1.印象だけだが
無意味な画像や無意味な背景は無くても良いんでは?
「見やすさ」と「見栄え」は両立できなきゃ見やすさ優先で行った
方が良いでそ。凝るのはスキル身に付けてからで遅くない。
文章のイメージを補完するカットを付けたいなら、もっと真面目に
素材集を研究した方が良いんでないかな?
単なる間に合わせならいっそシンプルな方が好感持てるよ。

2.リンクの張り方
基本的な事だけど、連載作のファイルは一覧とは別に各ページから
次の章へと「つづく」のリンクが欲しい所。
頭に「もどる(前の章へ)」と「HOME」を付けて、下に「続く(次の章へ)」
と「HOME」を両方用意するのが親切かと思われ。

3.重箱の隅
細かい事を言えば、文字のフォントをわざわざMS PゴシやOsaka
に「各段落で」指定してるのが意味不明。
ひょっとしてHTMLエディタがクソなのかな? 何使ってんの?

4.もっと細かい事
BRタグのみの改行は、長文では行間詰まって見にくいかも。
Pタグでは開き過ぎるのでスタイルシートが使いたいとこだけど、これ
はエディタがクソでは手打ちになるからハードル高過ぎるかな?

何はともあれ、中身は良いんだからがんがって欲しい。

506 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/15 13:09 ID:???
うい0^

HP設置おめっとさんです。

↑のひとの意見に概ね同意ですが、
昨今のレベルではそろほどおもいともおもいませんでした。

まあ、あとは気長に。なんでもやってるうちにスキルはついてきますからね。

507 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/16 02:17 ID:???
>>503
のサイト
50ゲットした(W

設置おめでとうございます。
落ち着いた感じのサイトだと思います。
改訂版の完結を待たせていただくデス
では。

508 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/16 03:29 ID:???
>503
53?げとだたよ

感想なのですが、ださかった・・・
もっとシンプルなの目指した方がよいのでは?
基本的に505の1と2に同意です・・・。

なんにしろHP開設おめでとうございます。改訂がんばってくださいね。

509 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/16 13:32 ID:Bqcnez2k
…OSが逝ってしまい復旧の目処が…。
たたられているのかなぁ。

>505
実はあれ、DIOMユーザーだと作ることが出来る、
ものすごく簡単なHP作成のキットで作ったので
私自身はHTMLに関する知識は皆無なんです…。
ただ、素材をクリック選択するだけで…。

あのHPだと、長文が載せれないのもきついですね。
多分、全面的なやり直しか、急遽HTML勉強して
廃棄及び作り直ししかないです…。

>506、507、508
駄ページの閲覧ありがとうございます(w
上述でもあるように、まだまだ先は遠いい
です…。
EOE後のSS、早く書きたいのですが…。
ただ単に、アプした方がよかったかなぁ。

510 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/16 19:37 ID:???
いやいや、あぷはアクマデ緊急避難でしょう。
サイト作っちゃえば、歴史にのこるしね。

ふとしたときに、だれかがだれかにすすめ、新しいどくしゃが連綿と。

とりあえずばんがってくさい。

511 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/18 16:43 ID:???
で、誰か新作書こうかなぁ、って思っている人いないの?

512 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/18 16:59 ID:???
>>511
お前が書け

513 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/21 02:28 ID:xRiLZSkQ
AIRのうずくまりシンジくんが逆行してくる話ってあったっけ?

514 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/21 02:49 ID:???
意味不明というか、スレ違い。

515 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/21 03:00 ID:???
もし無ければここで書いてみようかなと思ったんです。
精神崩壊のシンジくんが逆行してきて、そのままEVAに放り込まれる話を。

516 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/21 03:15 ID:???
>>515

「悔恨と思慕の狭間で」
が、割と近いかな。
ちょっと特殊だけど。

517 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/21 03:45 ID:???
サンクス。
読んでみます。

518 :ファザー:02/06/21 14:13 ID:???
>511
誰も書かないのかな?もし書かないんだったらパパが書き始めちゃうぞ〜。
タイトルは【新世紀エヴァンゲリオン・アルカ】の予定。
エヴァ小説について語らんか?スレの163だったりしますが。
内容はアレです。エヴァンゲリオンの企画書段階の小説化です。設定使ったオリジナルみたいなやつだけど。

ブツブツやってくんでよろしくおねがいします。

519 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/21 16:33 ID:???
待ってるよ。

520 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/21 16:52 ID:???
保全あげ

521 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/21 18:45 ID:???
企画書系か。(勝手に呼んでる)期待。

522 :ファザー:02/06/22 00:33 ID:???
プロットは完成してるんですよ。
まぁ、プロットを完成させて作品完結できなかった人なんてゴマンといるんでしょうけどね…。
ガクガクブルブル。
自分がそうならないことを祈りつつ、予告編をば。(w

だって、予告編でもやってないと時間が持たないから…生温かい目で見守ってください。

523 :ファザー:02/06/22 00:35 ID:???
「私は階段を1歩駆け上がる。道に迷い、リリンを踏み台にしてでもな!」

古代遺跡アルカ…適わぬ夢を見る大地。

「エア君がっ!駄目だよ…人を犠牲にして成り立つ幸せなんて、そんなの幸せじゃないっ!」

一つの世界が終わり、新たな神話が始まる。

「リリス…君だけだ…。君だけが…我々の…最後の…」



  新世紀エヴァンゲリオン・アルカ



「僕は今まで流されて生きてきた。だから…これからは、自分の意志で生きたい」
「ママは…わたしを捨てたんじゃない…。わかってる。わかってるの」
「碇君…わたし…」

ボトリ

「綾波ッ!?腕がっ!!」
「そう…もう駄目なのね…。…アルカが、泣いてる…」

月が震え、大地が泣き叫ぶ。月から降臨せし、最強の使徒。

『バカ…そんなに泣きそうな顔して……それなら最初から犠牲にならなければいいのに!』
『福音をもたらすモノよ…俺を…アルカを……終わらせてくれ…』

524 :1:02/06/22 01:59 ID:???
コンバンワ。
>ファザーさん
私も企画書ものは気になっておりました。
折角スレがあるのに使われないのはもったいないので、
是非に頑張って下さい。
…一読者として期待しております。

>ALL
私の駄HPの掲示板にも同じ事を書いたのですがご容赦下さい。

一応、HTMLの手打ちをしたのですが、家の
PCのビデオドライブが逝っていて、色が確
認出来ません。
SS内で、文章は白。背景は黒にしたのです
が、そのようになっておりますでしょうか?
ご親切な方、確認したら教えて下さい。

 

525 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/22 02:09 ID:???
>>524
大丈夫、ちゃんとなってるよ。ただ最初の方の「序章・PAIN」って文字が
背景と同色で見えない。

526 :1:02/06/22 02:27 ID:???
>525
ありがとう御座います!
読みやすさなどはどんなものでしょうか?
一応、このスレの前レスのお話は参考にさせて頂いたの
ですが…。

527 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/22 02:53 ID:???
>>526
行間はあれくらいで読みやすいと思う。

ただし解像度と文字サイズによっては、横スクロールさせないと読めない。
おり返す様にした方が吉。

それと、改行の位置が微妙なのはDIONの作成ページの仕様かな?
これ↓とかね。
>ミサトさんは眉を軽く顰め、僕を見遣りながら「元気ないわねー。どうしたの? 学
>校…不安?」と、尋ねる。

余裕が有ったら左右余白も指定するとイイかも。
……俺の好みだけどね

528 :ファザー:02/06/23 00:21 ID:???
すいません。どうしても週末は忙しくて、開始は月曜日になりそうです。
ずっと小説を書いてられたらどんなに良いだろうか…。ふぅ、土日くらい休みたいです。

とりあえず月曜日にはプロローグをスタートさせたいと思っています。

529 :1:02/06/23 01:27 ID:???
>527
今、書き溜めているので明日あたりにでもあぷと一緒に
直しますね。余白指定…またまた難しいHTMLかも。
しかし、他の方のHPを見ると彼我の違いに愕然としたり。
(…SSのLV然り、HTML作成能力等々)
ま、出来るだけコンスタンスに逝きたいですね。

530 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/23 01:34 ID:???
>>529

余白指定のスタイルシートはこんな感じ。

<STYLE TYPE="text/css">
<!--
BODY { margin:0 60 0 60 ; }
-->
</STYLE>

ま、参考程度にね。

531 :1:02/06/23 20:51 ID:???
あの、何か変なところが御座いましたら是非
ご指摘下さい。
前レスにもありますように、色の表示が少し
変ですので。

>528
楽しみにしております。
中々書く時間って取り難いですよね…。

>530
ありがとう御座います。
早速、使わせて頂きました(w
それにしても、書き直しだけでこんなに労力を要するとは
思わなかったです…。

532 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/23 21:58 ID:???
更新見マスタ。
下に行くほど字が大きくなってます。
ソースを見るに、<h2>タグが</H>では閉じられない模様。
場所は「1、放りだされた〜」と「2、触れ合う〜」のトコロ。

533 :1:02/06/23 23:32 ID:???
>532

ああ…(汗
しかも→<h2>序章・PAIN</h2>の数値を弄ると、本文も
大きくなってしまいます…。
HP板へ行くしかなさそうですね…。
ご指摘ありがとう御座います。

534 :1:02/06/24 22:21 ID:???
>532
HTML板の方々にご助言頂き直し及び更新しますた。
本当にありがとう御座います。

535 :ファザー:02/06/28 13:32 ID:???
"アルカ"はプロットを真剣に組みなおしたいので、書くのは中止しました。
そもそもSS初心者が長編に挑戦しようというのが少々無謀なのかも・・・。
その代わりに、修行も兼ねて短編を一本。
駄作になる可能性大ですが、やはり生暖かい目で見守ってくださいませ。

それでは参りまする。

536 :EOE1-1:02/06/28 13:37 ID:???
THE EXCHANGE OF EVANGELION
1.「始まりの、始まり」



気がついたときにはここに居た。
学生服を来て、小さな鞄を持って、少年の姿形をしてここに居た。
呆然とした頭を振り絞り、とりあえず鞄の中身をチェックしようと考える。
ガサゴソと漁ってはみるが、正直なところロクなものが入っていない。

ティッシュとハンカチと…S−DATと…封筒?
他のものはどうでもよかったが、茶色い封筒が妙に気になった。
既に一度見ているのであろう。上のほうが綺麗に破られている。
未だに思考はまとまらない。こう言ってはなんだが、本能だけで動いているようなこの状況。

「…なんだこりゃ」

思わず声に出してしまい、慌てて周りを見渡してみる。
…誰もいない。

537 :EOE1-2:02/06/28 13:38 ID:???
封筒の中には一枚のルーズリーフの紙と、何やら色々落書きされた写真一枚。
ルーズリーフの紙には「来い 碇ゲンドウ」とだけ書かれている。
ほんの少しだけ、達筆かもしれないという感じがした。
写真にはサングラスをかけた妙齢の女性が写っている。
胸に自信があるのか、「ここに注目!」とか胸に向かって矢印が。
「・・・か、つ・・・」
一瞬自分の"何か"がピクッと反応したような気がした。
自分が無意識に声を発したことには気付かない。


呆然としていた頭が、さらに一層呆然としたような感傷を受けた。
例えるなら、今までが"混乱"だったとしたら今現在は"大混乱"といったところだろう。
何がなんだかサッパリなのだ。右も左もわからない。
いや、流石に方向はわかるか。

少年はゴロッと横になり、何気なく空を見上げてみる。
真っ青快晴から天気。雲一つ…くらいはあるが、とにかく良いお天気だ。洗濯日和。
何気なく制服のポケットをあさくってみた。3つあるポケットを全部だ。
地味なサイフが出てきて、開けてみたら学生証を一枚発見。

538 :EOE1-3:02/06/28 13:40 ID:???
「…碇…シンジ?」

そうか。俺は碇シンジっていうのか。はっはっは。
なんて馬鹿なことを考えているうちに、事態はとんでもないことへと発展した。
突然頭上を戦闘機が通りぬける。スピード違反なんて完全無視だ。
目出度く大混乱は超混乱に進化した。
進化の終着点は自滅。このままでは冗談抜きにやばい…。本能がそう警告を発している。


さて。
化け物も見た。ミサイルがすぐそこに落っこちた。
自分が何者なのかもわからない。どうしてここに居るのかもわからない。
どうしてこんな状況になっているのかわからない。わからない理由が、わからない。
これでもかというほどのわからないずくめに涙が出てきた。

そんな折、強烈なドリフトをかましながらこちらへと爆走する車を発見。
「あれはアルピーヌ・ルノー、か…?」何故かそんなことはわかったりする。

ピクッ。
まただ。先ほどから何度も何度も、自分の中の"何か"が反応している。
警告を発しているような、いや、もしかしたら何か自分の大切なものを指し示しているような。
ふと自分は今、人生の中で最も重要な分岐点に差し掛かっているんじゃないだろうか・・・
なんて考えが頭に浮かんだ。

539 :EOE1-4:02/06/28 14:00 ID:???
「アンタが碇シンジねっ!?乗って!」

ルノーから顔を出したのは写真に写っていた人だった。
黒い長髪が似合っている女性だ。サングラスのせいで顔の半分を窺い知ることは出来ないが。
・・・非常事態であることは明らかだというのに、ボーっとそんなことを考えてしまう。

「あ〜っ!乗ってって言ってるでしょっ!あたしが乗れって言ったらさっさと乗れぇっ!」
「す、すまんっ!」

金切り声の怒声が上がった。
彼女の表情、口調、そして身にまとう雰囲気。それら全てに恐怖を感じ、急いでルノーに乗り込む。
ドアを閉めるのと同時に、シートベルトを締める暇もなくルノーは急発進した。
突然体に襲い掛かってきたGに「ぐっ」と声が漏れてしまう。

「で」
「・・・は?」
「どうなの?アンタが碇シンジで合ってるのよね?」

この女性のハンドル捌きはなかなかのものだ。
ギリギリのところではあるが、必要最小限の動きで瓦礫やらミサイルの破片やらを避けている。
そんな彼女の様子を見て事態を忘れて愉快な気分になってきた。

540 :EOE1-5:02/06/28 14:11 ID:???
「ははっ。そうらしいな」

いきなり笑い始めたシンジを女性は一瞬呆けたような表情をし、すぐに睨みつけるように視線を動かした。

「アンタ・・・余裕ね・・・」
「いや、別に余裕ってわけでもないんだが・・・」
「ん・・・?って、"そうらしい"ってどういうことよ」
「ああ。自分でも把握しきれていないんだが・・・っと前っ!」

女性は無言でハンドルを切り、不意をつくかのように落下してきた瓦礫を華麗に回避した。
ヒュゥッ。不謹慎にも感嘆の意をこめて口笛を吹いてしまう。

「あんたバカァっ!?こんなときによくそんな飄々とした態度取れるわねぇっ!」

悪態をつきながらも必死にハンドルを操作する女性を見て、シンジは苦笑しながら肩をいさめてみせた。

「さぁ・・・なにぶん自分が何者かもわからない状況なものでね」

541 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/28 21:51 ID:???
>>肩をいさめて
は、すくめて
のほうが日本人的にしっくりくるかも。
ひょっとして方言?

あとは面白いです。短編とのことなので、このまま破綻無く完結までかっぽ
していってくさい。

542 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/28 22:26 ID:???
>「あんたバカァっ!?こんなときによくそんな飄々とした態度取れるわねぇっ!」

うーむ。
写真の女性の非描写が少ないのでもしやと思っていたが……。

543 :ファザー:02/06/28 23:28 ID:???
なんか短編というほど短編にはならないような気がしてきた…。
まぁ、長くなったら長くなったで良しとして…いい、のかな?(w

>541
あ。本当だ。「肩をすくめる」のほうが明らかに良い感じですね。
書き直しの機会があれば修正しておきたいと思いますです。

>542
あまり深くねじった作品にはしないつもりなので、さらっと流しちゃうと思います。
あ〜…。なんか確実にネタのかぶっている他作品があると思いますが、笑って許してくらはい…。


では、続きを。

544 :EOE2-1:02/06/28 23:29 ID:???
THE EXCHANGE OF EVANGELION
2.「始まりの、途中」



「えぇーーーーーーーっ!き、記憶喪失ぅっ!?」

突然襲いかかった超音波攻撃にシンジは気を失いそうになった。
咄嗟に耳を押さえることが出来たのは非常に幸運であった。
もしあと1歩タイミングが遅かったら…、シンジはそう考えながら冷や汗を拭い取る。
隣を見ると呆然とした表情のままハンドルをきる女性の姿。

…運転自体はしっかりこなしているのが素晴らしい。


「あ、ああ…。どうにも自分のことが思い出せなくてな…。
 サイフの中にあった学生証で、一応自分の名前だけは確認できたんだが」
「冗談…って、そんなことを言うような顔じゃないわよねぇ…」

チラリと視線を横に向け、大袈裟にため息をついてみせる。
シンジはまいったなぁといった感じに頭をポリポリとかいた。

545 :EOE2-2:02/06/28 23:30 ID:???
「まいったわねぇ…これじゃリツコに何言われるか…」
「…りつこ?」
「うぅーーーっ…あ!そういえば自己紹介がまだだったわね。
 あたしは葛城ミサト。ミサトって呼んでくれて結構よ。名字で呼ばれるのはあんま好きじゃないの」
「かつ…らぎ?」
「あぁーーーー…嫌だなぁ。リツコ怒るんだろうなぁ…ああ見えて短気だからぁ…」

ミサトはさりげなく自己紹介を終え、ブツブツと独り言続けていた。
シンジはミサトの顔を呆然と眺めながら、その名前を口の中で反芻する。
…まただ。
自分の中に存在する"何か"が訴えているのだ。
黒髪。ルノー。リツコ。葛城。
最初から1ピース欠けているパズルにピースを当てはめていく感覚。
何が正しくて何が間違えているのか。そんなことはわかるはずがない。
何しろ、自分のことでさえ何一つ確証を持つことができないのだ。

シンジはもう一度隣のミサトの顔を見てみる。

葛城…ミサト。
自分は記憶喪失で、しかもこの女性とは初めて顔を合わせているらしいこの状況。
自分が何をしたいのか、何を思いたいのか、何を知りたいのか、それさえもわからない。
ただ、何かを感じるのだ。

546 :EOE2-3:02/06/28 23:40 ID:???
ミサトはブツブツと独り愚痴を続ける。
その隣でシンジは顎に手を当てて、ゆっくりと物思いにふけっていた。

漸くルノーは戦場を抜け出し、当たりには静けさが戻った。




「葛城一尉……どういうことか、説明して…」
「うっ…」

シンジの目の前で妙齢の女性が二人、睨み合っているこの状況。
とりあえずシンジはここにやってくるまでの時間である程度の説明は受けた。
自分はやはり碇シンジであることに間違い無いということ、
今は自分の父がいるネルフという組織に向かっているところだということ、
先に拝見させていただいたバケモノは使徒という名前で、人類の敵であるということ。

ネルフに何故自分が向かっているのかという質問には、
「自分の目と耳で確認しなさい」という答えが返ってきた。実に答えになっていない。

命からがらネルフに到着した二人ではあるが、その出迎えは決して暖かいものではなかった。
ミサトが先程から恐れていた絶対零度の視線。
直撃を被ったわけでもないシンジでさえ、冷や汗が止まらない。

547 :EOE2-4:02/06/28 23:45 ID:???
「だ、だからぁ…あたしがこのコ見つけたときは時既に遅しってわけでぇ…」
「…そう……遅刻をしたアナタのせいで、時既に遅しとなってしまったのね…」
「あぅーー…ご、ごめんってばぁ…リツコぉ〜」

ミサトにネチネチと口撃を加えている女性の名前は赤木リツコ。
絶対零度の視線を食らうついでに、一応…あくまで一応の自己紹介をしてもらった。
他にも何か言っていたような気がするが、冷や汗いっぱいだったシンジは何も覚えていない。

「…別にいい…」
「え?ホント?そうね。こんな大変なときだからね!」
「…後で碇司令にしっかり報告しておくから…」
「うげっ!」

冷や汗を流しながら二人のやり取りを見ていたシンジだったが、
だんだん慣れてくるとこの状況が面白く思えてくるようになってきた。
先程もそんな感じがあったような気がする。
自分は案外気楽な人間だったのかもしれないな…。シンジは頭の中でそんなことを考えたりした。
そして、その一瞬の油断が悲劇を生み出してしまった。つい、プッと吹き出してしまったのだ。

「…アンタ楽しそうねぇ…」
「…何がおかしいの…」
「うっ…」

548 :1:02/06/29 00:30 ID:???
色々なアイデアがあるものですね。
というか、542のレスを読むまで気付かなかった
自分って一体…。
文章力の高さも羨ましいです…。
次の更新も楽しみです。

549 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/29 02:23 ID:???
どなたかロボっ娘属性のあるお方、
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1004855813/l50
の354の願いを叶えてあげてください・・




漏れでは無理ですた・・・

550 :ファザー:02/06/30 10:21 ID:E1.cPwjs
次の更新は今日の夜か、明日の夜になりそうです。
ああ…たったこれだけ書いただけなのに、もう加筆・修正したくなってきた…。
プロット(なんて言えるものじゃないけど)はできてるんだから、
さっさと書き上げて修正してまとめたいと思う今日この頃。であ。

551 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/30 12:01 ID:bTpg.muM
>>1
かなーり、いまさらなので気が引けるんですが・・・ 完結してたんですねすごい!

新作のFFをぶっとして読んだのは久しぶりです。
途中、かなり痛いというか、世界が継続できた場合に問題以外残らない展開だったので
最後にリセットされたのはよかったです(笑)
(世界のリセットという予定があったから、あそこまでやったと言ったほうが正解でしょうか?)

やっぱ最後にほっとできるの話がイイ!! ヽ(∇⌒ヽ)(ノ⌒∇)ノ です♪

552 :EOE2-5:02/07/01 23:48 ID:???
シンジが一歩下がると二人も一歩詰め寄る。
シンジが二歩下がると二人も二歩詰め寄る。
明らかに危機的状況であるこの場面で、こんなことをしているのだから度胸がある。
単にぬけているだけなのかもしれないが、とりあえずシンジはピンチだった。
二人に詰め寄られながら辺りを見渡して助けを求める視線を振りまく。

…いた。
助けてくれそうな人を、正面上方のブースに発見。
シンジは満面の笑顔を浮かべてその人物に声をかけた。

「おーいっ!助け「久しぶりだね、シンジ」」

逆光でよくわからなかったのだが、どうやら背の高い男のようだ。
シンジの声に割り込むようにして突然語り掛けてきた。
先程からのやり取りをずっと見ていたらしい。語り掛けるタイミングを掴めなかった…といったところだろう。

「えっと…」
「彼が碇司令。アンタのお父さん、碇ゲンドウよ」

見知らぬ相手に声をかけられ、どうしたものかと考え込むシンジにミサトが声をかけた。
隣に立っているリツコはゆっくりと視線をゲンドウに移し、シンジの横から離れる。
シンジがどうやら記憶喪失になってしまったということを説明しなければならないのだ。

553 :1:02/07/03 18:56 ID:???
>551
今読み直すと、中々に酷いものがありますが読んでくださり
ありがとうございます!
…しかし、ラストが些かご都合主義だったのでは無いかと反
省してみたり。
少し考えないと…。

後、以前ご指摘いただいた部分、昨日の更新の時に直したは
ずなんですが、また変な部分がございましたらご指摘宜しく
お願い致します。

554 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/07/03 19:57 ID:???
がんがれ1よ。ボチボチとね。

555 :一発ネタ:02/07/07 03:23 ID:???
戦闘妖精・綾波

南極大陸の一角に突如出現した巨大な光の柱。
それは、未知の敵、使徒が地球侵略用に造った超空間通路だった。
国連は、その通路の向こう側――
ガフの部屋と名づけた未知の惑星で使徒をくい止めるべく特務機関NERVを設立、
使徒を惑星ガフの部屋上に閉じこめることに成功した。
しかし、それから30年以上たった現在も、人類と使徒の戦争は続いている。
その終わりが見えない戦いの最前線に、1人のパイロットがいた。
彼の名は碇シンジ。
信じるものは愛機「綾波」のみ。
決して感情に左右されない機械のようなエヴァドライバー。
味方に死神と呼ばれる虚無的なパイロットとスーパー戦闘機
エヴァンゲリオン・パーソナルネーム「綾波」の存在が、
膠着状態を維持していた戦線に微妙な波紋を投げかける。
この戦いに本当に必要なのは、機械か? それとも人間か?
かつて人類が体験したことのない熾烈な戦いが、いま始まろうとしていた。

ある日、任務を終え帰投中だった「綾波」は、所属不明の戦闘機による襲撃を受けた。
「綾波」が使徒だと告げるその不明機はNERVのエヴァそのものだったが、パイロットの
碇シンジはためらうことなく撃墜する。
辛くも危機を脱し、「綾波」は基地へ帰還を果たした。
しかし、彼を待っていたのは、シンジの友軍機撃墜の疑いを追求する査問会だった。
「綾波」が敵だというなら、それは使徒だ。
人間よりも機械である「綾波」の判断を信用したから、自分は生きている。
だから「綾波」は正しいと断言するシンジに、周囲は違和感を覚えるが、
シンジの機械的な判断が彼自身と「綾波」を救い、NERVが貴重な戦力を
失わずに済んだことだけは、何人も疑いようのない事実だった。
結局、不明機の正体はわからないまま、シンジは任務に復帰。
ふたたび「綾波」と共に戦場へ飛び立つが……。

556 :一発ネタ:02/07/07 03:32 ID:???
碇シンジ
戦闘偵察機エヴァンゲリオン―パーソナルネーム「綾波」のパイロット。三等空士。
心に大きな傷を持っており、他人との接触を嫌い全ての物事を「僕には関係ない」の
一言で無視している。これは本人は自覚していないが、再び裏切られ傷つくことを
恐れているため自衛手段として無意識に機械のようにふるまっているだけ。
非常に冷徹な戦闘マシンの様に見られがちだが、実は傷つきやすいナイーブな性格。
「どんな犠牲を払ってでも、たとえ味方を見殺しにしようとも、使徒の情報を収集し必ず帰還せよ」
と言う、冷酷な至上命令を受けており、またそれを疑問にも思わず機械のように実行している。
このような性格が転じてシンジはエヴァの戦闘知性体である綾波との愛称は抜群によい。

葛城ミサト 30歳
特務機関NERV 作戦部部長。階級は三佐。
過去の自分にそっくりなシンジを何かと気にかけているシンジの上司。
仕事だけでなくプライベートでもつきあいがあり、シンジの良き理解者。
姉的存在である。

惣流・アスカ・ラングレー 14歳
10歳で博士号を取った天才医師。
NERVでは航空生理学、航空精神医学のスペシャリストとしてカウンセリングを専門に行っている。

綾波
シンジの乗る戦闘機エヴァに搭載されている戦闘知性体

557 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/07/07 23:57 ID:???
>>555-556
戦闘妖精雪風とエヴァンゲリオンのパロか。
ちょっと面白そうだと思ったのでage
けど、SSじゃないからここじゃNGかも。

558 :軍事的に正しくないエヴァ1:02/07/09 01:00 ID:???
第拾四話/ゼーレ、魂の座

『時に、西暦2015年』
『第3の使徒』
『サキエル、襲来』
『使徒に対する通常兵器の効果が認められる』
『国連軍は作戦の遂行を決断』
『28発の巡航ミサイルにより、使徒、殲滅』
『エヴァンゲリオン初号機、起動に成功するも出撃の機会なし』
『同事件での犠牲者は存在せず』
『鈴原トウジの作文より抜粋』
「わしの妹はまだ小2です。この間の騒ぎではしゃいでました。
妹を無事に守ってくれた大人たちに感謝します」

『第4の使徒』
『シャムシエル、襲来』
『当時、地対空迎撃システム稼働率100%』
『第3新東京市、戦闘形態移行率96・8%』
『洞木ヒカリの手記(一部)』
「いつも友達と避難訓練ばかりやっていたから、いまさらって感じで、
実感なかったです。怖いとか感じませんでした」
『万全の体制に加え、国連軍と共に』
『使徒、殲滅』

559 :軍事的に正しくないエヴァ2:02/07/09 01:00 ID:???
『第5の使徒』
『ラミエル、襲来』
『難攻不落の目標に対し』
『サード・チルドレン 碇シンジ』
『エヴァンゲリオン初号機、初出撃』
『初号機、胸部を破損するも、大意なし』
『第5使徒、および初号機にA・T・フィールドの発生を確認』
『初号機、目標のA・T・フィールドを侵食』
『使徒、殲滅』
『迎撃システム、一部破損』

『第6の使徒』
『ガギエル、襲来』
「シナリオから少し離れた事件だな」
「だが結果は予測範囲以内です。修正は効きます」
『太平洋艦隊の零距離射撃にて、使徒、殲滅』
『国連海軍の被害、認められず』

『第7の使徒』
『イスラフェル、襲来』
『N2爆雷により、構成物質の99・89%の焼却に成功』
『事実上、使徒、殲滅』

560 :軍事的に正しくないエヴァ3:02/07/09 01:01 ID:???
『第8の使徒』
『サンダルフォン、浅間山中にて、発見』
『その高圧に耐えきれず、自壊』

『第9の使徒』
『マトリエル、襲来』
『沈黙を守ったネルフに対し、空自、独自に作戦を展開』
『使徒、殲滅』

『第10の使徒』
『サハクィエル、襲来』
『成層圏より飛来する目標は、大気中にて消滅』
「君の組織、一体なんのために存在しているのかね」

『第11の使徒』
『襲来事実は、現在未確認』
『以下、ネルフ職員の証言』
「いやぁ、搬入したパーツに変なシミみたいのがついてましてね、
その場で焼却処分しましたよ」

561 :軍事的に正しくないエヴァ4:02/07/09 01:02 ID:???
『第12の使徒』
『レリエル、襲来』
『初のエヴァンゲリオン3機による同時作戦展開』
『初号機の威嚇射撃にて、使徒、殲滅』

『第13の使徒』
『エヴァンゲリオン参号機に侵食』
『フォース・チルドレン 鈴原トウジ』
『驚異的な精神力にて、使徒を抑圧』
『エヴァ参号機と共に、廃棄』
『この一件での犠牲者、認められず』
「いかん、早すぎる」

『第14の使徒』
『ゼルエル、襲来』
『圧倒的な兵力を誇るも』
『セカンド・チルドレン 惣流・アスカ・ラングレー』
『エヴァンゲリオン弐号機にて、出撃』
『一斉射撃にて、使徒、殲滅』
「使徒がここまで弱いとは、予定外だな」

『第15の使徒』
『衛星軌道上に存在を確認』
『しかし、そのまま第2宇宙速度を突破』
「まして、宇宙へと逃げ出すとは」

562 :軍事的に正しくないエヴァ5:02/07/09 01:03 ID:???
『第16の使徒』
『アルミサエル、襲来』
『ファースト・チルドレン 綾波レイ』
『エヴァンゲリオン零号機にて、出撃』
『使徒、殲滅』
「タイムスケジュールは、すでに死海文書の記述より逸脱しておりますな」

『第17の使徒』
『タブリス』
『フィフス・チルドレン 渚カヲル』
『アダムとの接触を試みるが』
『サード・チルドレンの微笑に陥落』
「セントラルドグマへの侵入を許すとは」
「・・・それは問題の本質ではないと思いますが・・・・」
「だが、君が新たにシナリオを作る必要は、ない」
「しかし、拾五話から弐拾四話までは、話がなくなってしまいますが・・」
「チルドレンたちに遊ばせておけ。どうせそれで満足する輩だ」
「分かりました。全てはガイナのシナリオのままに」

おしまい。

563 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/07/15 00:22 ID:???
正しくねぇ〜〜 でもいいかも(藁

真面目に書かれたものが読んでみたい罠

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